第49回全日本空手道選手権大会・初日


10月14日~15日の2日間にわたり、第49回全日本空手道選手権大会が聖地・東京体育館で開催されている。無差別級の日本一を争う今大会には、男子104名、女子39名がエントリー。今年7月の第6回全世界ウエイト制大会を制した6名の日本人チャンピオンを始め、海外や他流派からも強豪が集結した。有力シード選手の闘いを中心に、男子の一~二回戦と女子の一~三回戦が行なわれた大会初日(14日)の模様をお届けする。

【男子Aブロック】

このブロックで最も注目を集めたのは、第6回全世界ウエイト制大会重量級を制し、主要4大会(全世界大会、全世界ウエイト制、全日本大会、全日本ウエイト制)のグランドスラムを達成した島本雄二。浅田怜吾との初戦では、序盤から突きや前蹴り、下段廻し蹴りで圧力をかけていく。浅田は回り込んで突きを放っていくが、冷静に試合を運んだ島本は突きから左右の前蹴り、ヒザ蹴りでなおも前に出て浅田を下がらせ、本戦5-0で完勝。
第6回全世界ウエイト制軽量級王者の岡﨑陽孝は、初戦となった二回戦で白蓮会館の多田大祐を迎え撃った。本戦0-0で迎えた延長戦では、体重で20kg以上重い多田に対し、足を使って回り込みながら突きや内股蹴りで攻勢に出る。多田の顔面殴打と抱え込みによる減点1も重なり、岡﨑が4-0で勝利を収めた。
全世界ウエイト制中量級でまさかの初戦敗退を喫し、今大会に復権をかける前田優輝は、白蓮会館・福地将人と初戦を闘った。本戦の旗は2本止まりだったが、延長戦ではボディへのカギ突きや下突き、後ろ蹴りで攻勢にまわり、5-0で三回戦進出を決めた。
その他、和田聖瑠を本戦5-0下した山本和也、星和会館の大石昌輝を体重判定で破った河瀬俊作、石川滉也に完勝を収めた𠮷澤穂高、村山努を本戦で退けたマレック・ヴォルニーらが三回戦進出を決めている。

【男子Bブロック】

男子Bブロックはのっけから波乱が起こった。前回大会4位で第40回大会チャンピオンの山田一仁は、二回戦で後迫龍輝と対戦。序盤からエンジン全開で攻め込む後迫に対し、突きや内股蹴りで盛り返しかけた山田だったが、その後も後迫の勢いは衰えず。突き、下段、ヒザと攻撃をまとめた後迫が、本戦4-0で勝利。ドリームフェスティバル9連覇の記録を持ち、今年一般部デビューをはたした高校1年生が、ベテランから大金星を挙げた。
4年前の第45回全日本大会準優勝の実績を持つ加藤大喜は、渡辺優作と二回戦で激突。足を使って回り込みながら、切れ味鋭い上段前蹴りや突き連打からのヒザなどを繰り出す加藤に対し、渡辺も突きと下段で打ち合いを演じた。最後は手数で上回った加藤が、本戦3-0で渡辺を振り切った。
全ヨーロッパ大会2017重量級チャンピオンで、ポーランドから参戦したマシエ・マズールは、二回戦で河瀬優太朗と対戦。延長戦に突入した試合は、終盤に突きと中段ヒザでラッシュをかけたマズールが、続けざまに放った上段ヒザ蹴りで一本勝ちを収めた。
 その他、今年の第4回JFKO全日本大会重量級準優勝の亀山真、白蓮会館の内藤貴継を延長で破った飯野駿、岡田秀一を最終延長で下した三上和久らが最終日へ駒を進めた。

【男子Cブロック】

第二シードに配置された第6回全世界ウエイト制軽重量級チャンピオンの前田勝汰は、西井誠裕と初戦を闘った。下突き、正拳突きの連打と下段蹴りで一気呵成に攻め込み、西井は防戦一方となる。そのまま前田が本戦5-0で完勝を収め、好スタートを決めた。
 前回大会6位の江口雄智は、一回戦で技有りを奪って勝ち上がってきた酒井瑞樹に対し、
突きの連打や下段、上段などを繰り出していく。決定打はなかったものの手数で上回り、本戦3-0で勝利。
その他、極真会館宮崎山下道場の重松翔を破った岡田侑己、沖縄支部移籍初戦の越智純貴、橋本直樹から中段廻し蹴りで一本勝ちを収めた落合光星、白蓮会館から参戦した北島悠悠らが勝ち上がった。また、社団法人極真会館の主要4大会を制し、新極真会初参戦の今大会に大きな注目が集まっていた琉道会館の長田裕也は、残念ながら欠場となっている。

【男子Dブロック】

ゼッケンのラストナンバーを背負ったディフェンディングチャンピオンの入来建武が、好発進を決めた。鈴木皓大との二回戦では、今大会直前に元ボクシング世界王者・内山高志から伝授された突きを中心に攻撃を組み立てていく。ラスト20秒からは一気呵成にラッシュをかけ、本戦5-0で危なげなく勝利を収めた。
前回大会5位の湯川智仁は、二回戦で福嶌優樹と対戦。接近戦での打ち合いとなった試合は、突きやヒザ、下段蹴りの手数で上回った湯川が、本戦5-0で福嶌を撃破した。
白蓮会館から参戦した第4回JFKO全日本中量級チャンピオンの福地勇人は、賀数拓海と最終延長までもつれる熱戦を繰り広げた。甲乙つけがたい内容となったが、終盤に打ち合った際に賀数が抱え込みの反則を取られたことが響いたか、福地が最終延長5-0で勝利。
その他、第6回全世界ウエイト制日本代表の緑強志や島本一二三、渡辺和志を破った清水翔希も順当に勝ち上がった。

【女子Aブロック】

注目を集めたのは、第6回全世界ウエイト制中量級を制し、今大会の第一シードに配置された南原朱里。大西明日香に完勝を収めて臨んだ石原凜々との三回戦は、距離を取って闘う石原を攻めあぐね、本戦は石原に一本の旗が上がる。だが、延長戦に入ると南原が突きと下段でラッシュをかけ、4-0で勝利を収めた。
 全世界ウエイト制軽量級チャンピオンの将口美希は、長尾未桜との初戦を再延長4-0で突破し、浅古麗美との三回戦を迎えた。この試合も再延長までもつれたが、接近戦での打ち合いを制した将口が、再延長3-0で勝利。初の最終日進出を決めた。
その他、前回大会で4位に入賞した藤原桃萌はタンデカ・ムボナンビ、長谷川梨佳を破って勝ち上がったが、木村敬代は三回戦で手島海咲に敗れ、初日で姿を消した。

【女子Bブロック】

全世界ウエイト制軽重量級チャンピオンで、今大会のラストナンバーを背負った荒木千咲は二回戦を順当に突破すると、小谷愛依莉との三回戦を迎えた。強力な突きや左右の下段ヒザ蹴り、内股蹴り、下段廻し蹴りなど多彩な攻撃で試合を優位に運び、本戦5-0で完勝を収めた。
 JFKO全日本大会4連覇の実績を誇り、昨年の第48回大会ファイナリストの菊川結衣は、三回戦で野邑心菜と激突。重量級の野邑の圧力に押され、いつものような回り込みをさせてもらえない場面も見られたが、再延長では正面から突きで野邑を押し込み、判定3-0で最終日へ駒を進めた。
 その他、武奨館吉村道場の小松せえはを延長5-0で破った加藤小也香、横山紀子を延長3-0で下した久保田道場の久保田千尋も準々決勝進出を決めている。

おおむね順当な結果となった大会初日。明日の最終日では、男子が三回戦以降、女子は準々決勝以降が行なわれる。はたして、フルコンタクト空手日本一の座は誰の手に――。