2017ユース・ジャパン強化合宿


11月10日~12日、13回目となるユース・ジャパン強化合宿が山梨県の富士緑の休暇村で行なわれ、全国の各支部・道場から363名の精鋭が集結。今合宿には第6回世界ウエイト制チャンピオン7名を含む超豪華な指導陣が顔を揃え、未来の日の丸戦士へテクニックや心構えが継承された。
【初日】
14時から始まった結団式では初めに、選手強化委員長の三好一男副代表があいさつを行なった。「グランドスラムを達成した島本雄二選手、将口恵美選手はユースの1期生でした。ふたりは当時からどんなに稽古がきつくても、全力で向かってくる姿勢がありました。この3日間きつい合宿になると思いますが、みなさんも全力で向かってきてほしい」と檄を飛ばすと、参加者の表情が一層引き締まる。続けて三好副代表から、男子主将の湯川智仁、副主将の𠮷澤穂高、女子主将の南原朱里、副主将の手島海咲へ、ユース・ジャパンの証である認定証、ワッペン、Tシャツが授与された。
ユース特別賞には、2年連続全日本大会ベスト8入賞の湯川、第6回世界ウエイト制中量級チャンピオンで第49回全日本大会も制した南原、第4回JFKO全日本大会重量級準優勝の藤原桃萌が選ばれ、三好副代表、選手強化副委員長の奥村幸一師範と記念撮影。また、富士緑の休暇村でユース合宿が開催されてから10周年を迎えたことを記念し、三好副代表から金子智弘支配人へ感謝状が贈られた。



 全員で基本稽古を行なった後は、4ヵ所に分かれて午後稽古がスタート。屋外のグラウンドには19歳以下から選抜されたU-19、15歳以下から選抜されたU-15(今合宿から新設)、高校生以上の3グループが集結。第6回世界ウエイト制重量級を制し、主要4大会(全世界大会、全世界ウエイト制大会、全日本大会、全日本ウエイト制大会)のグランドスラムを達成した島本雄二がチャンピオンセミナーを行ない、前蹴りと突きのコンビネーションを伝授した。また、第6回世界ウエイト制軽量級チャンピオンの岡﨑陽孝は、前手と前足の使い方を指導した。
 休暇村体育館の小学生は3グループに分かれ、第6回世界ウエイト制日本代表の山田一仁、島本一二三、同大会軽量級チャンピオンの将口美希がローテーションで技術指導を行なった。山田は突きの連打やカウンターを、島本は相手の突きをさばいてからの攻撃を、将口は姉の恵美をパートナーに、ヒザ蹴りを蹴る際のポイントをレクチャー。
 中学生が集まった村営体育館では、第6回世界ウエイト制軽重量級チャンピオンの荒木千咲が、カザフスタンでも使った入り際の突きを伝授。組手グループはセミナー終了後、教わった技術を組手稽古で実践した。
 武道場では藤原康晴コーチが型を指導。原内卓哉支部長、渡辺大士コーチがサポートを行なった。稽古のラストは4グループすべてでステップやサーキットのトレーニングを行ない、この日の稽古が終了した。







 20時から体育館で行なわれたナイトミーティングでは、第49回全日本大会、第6回世界ウエイト制大会の試合を放映。その後、7名の世界ウエイト制チャンピオンとユース1期生の主将である島本一二三が登壇し、それぞれが未来の日本代表へメッセージを送った。ナイトミーティング終了後は体育館が解放され、参加者はコーチ陣へ技術的な質問を投げかけた。

【二日目】
未明から降り続く雨の影響により体育館で行なわれた早朝稽古は、U-19を含む高校生以上のメンバーとU-15のみが参加。チーム別に分かれ、壁から壁へのダッシュ、うつ伏せ状態からのダッシュ、サイドステップ、ケンケンなどさまざまなメニューで速さを競った。
午前稽古はU-19、U-15、小学生が休暇村体育館、高校生と中学生は村営体育館と、組手グループは2ヵ所に分かれて稽古を行ない、どちらも総当たりの組手稽古から始まった。休暇村体育館では組手の合間に、谷川光師範や塚本徳臣師範が技術指導を行なう場面も見られた。武道場で稽古を行なった型のグループは指導陣に外舘慎一師範が合流し、五十四歩を中心に稽古に取り組んだ。最後は全グループでステップとサーキットトレーニングを行ない、午前稽古が終了した。






午後からは緑健児代表と前田優輝・勝汰兄弟が合流。すっかり雨が上がった青空のもと、富士山をバックに全員で記念撮影を行なった。この日の午後稽古は全グループがグラウンドに残り、チャンピオンセミナーでは勝汰がタメをつくってから踏み込んで打つ突きを指導した。その後は各グループに分かれて組手稽古が始まり、緑代表が参加者にアドバイスを送る場面も見られた。型は撃塞小と撃塞大を中心に稽古を行なった。ラストは体育館へ移動してステップとサーキットトレーニングを行ない、2日目のすべての稽古が終了。




19時から始まった緑代表の講話では一流企業の社長の話を取り上げ、①「限界はつくらない」②「行動での説得力」③「華がなければいけない」という3つの要素は、空手にも通ずるものがあるという内容だった。「来年はフルコンタクトの国際大会があります。ぜひ高校生からチャレンジしてください。チャレンジ精神があるから強くなります」と締めくくった。続いて前田勝汰が講話を行ない、金の卵へメッセージを送った。
打ち上げでは今合宿でユース卒業となる6名の選手が紹介され、最後は正拳中段突き10本と『新極真会の歌』の合唱で、二日目が終了した。




【最終日】
「最後までやりきって、悔いのないように道場に戻ってください」という奥村師範の言葉からスタートした早朝稽古は、学年別に分かれてグラウンドでタイムレースを行ない、参加者は気合の入った走りを見せた。合宿の総仕上げとなる午前稽古は、全員がグラウンドに集結。組手の各グループは総当たりの組手で汗を流し、最後は型グループも合流してステップとサーキットトレーニングで持てる力を振り絞り、すべての稽古が終了した。
 解散式では最初にタイムレースの表彰が行なわれ、各年代の優勝者に記念品が贈呈された。続いて緑代表が「来年はフルコンの国際大会や第12回世界大会の選抜戦がある大事な年です。『自分が日本代表になる』と強く思った人が、必ず代表選手になります。各道場に戻ってからが勝負なので、三日間の厳しい稽古を乗り越えたことを自信にしてがんばってください」と言葉を贈った。
 続いてあいさつを行なった三好副代表はユースの歴史や理念を語ったのち、「昔は世界チャンピオンや全日本チャンピオンに技を教わるなど考えられませんでした。ここで学んだ技やマナーを各道場に持って帰ってもらえば、全国の新極真会がもっとよくなると思います」と語りかけた。
 それを受けて湯川、南原の男女キャプテンが決意を語り、最後は奥村師範が「今度はぜひオールジャパンのワッペンを、ふたたびここに来てください」と期待を込めたメッセージを送った。来年3月にはU-22の合宿が開催されるだけに、現役ユースから何名が選出されるのか注目したい。