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長野支部 常田満 参段昇段レポート(2020年12月20日)

2021.02.05
昇段レポート

藤原師範、この度は昇段審査の受審をお許しいただき誠にありがとうございます。
また、穂高道場の皆様私の審査の為に二年間の長きにわたり稽古へのご協力心より感謝申し上げます。

今回の審査は、昨年九月に続き二度目の挑戦となりますが前回は型の審査で終了となり組手審査まで進むことは叶いませんでした。
その際師範より「自分が本部で他の道場生の審査をしている以上自分の弟子にだけ甘い点数をつけるわけにいかない。
今の実力では本部で受けたら確実に昇段できない。参段は高段者になるんだ。」とのお言葉をいただきました。

後で後輩が録画してくれた動画を見たところそこにはスピード、キレもなくチグハグな動きをした自分の姿がありました。
次の稽古からは型に重きを置いた稽古にシフトし、自主トレでも型の回数をそれまでの倍に増やすことにしました。

しかし、審査を控えた二週間前に師範より型に入る前の構えから注意を受ける有り様でした。
この一年間自分では型を見直し集中的に稽古したつもりでしたが、正しい型の動作を理解していない独りよがりの稽古のそれに過ぎませんでした。

それからの二週間は時間の許す限り指摘された箇所をガラス越しに映る自分の姿を見て矯正し、正しい動作ができるまで繰り返し稽古しました。
また、暇さえあれば型のビデオやユーチューブを見てイメージトレーニングを行い審査に備えました。

今回の審査における自分のテーマは常に平常心を保つことを意識することでしたが、組手の審査の途中から次第に冷静さを失い頭に描いていた脱力した動きからカウンターを取る組手や自分を限界まで追い込むこともできない悔いの残る結果に終わってしまいました。

振り返れば心身ともに強くなりたい一心で始めた極真空手ですが、正直30年以上も続けることができるとは思ってもみませんでした。
初めて極真の門をくぐったのは大学に入学するのと同時で、現、士道館の添野義二館長の埼玉県川越市にある新河岸道場でした。

当時はサポーターは無く道場での私語は厳禁。
殺伐とした雰囲気の中で稽古を行っていました。

また、ブルースリーや地上最強の空手映画の影響からか空前の空手ブームが巻き起こっていました。
道場生のほとんどは10代、20代の血気盛んな若者で稽古では常に50人以上が汗を流していました。

稽古内容は延々と続く基本や移動稽古が中心で、締めくくりは道場生全員が正座して見守る中で勝負がつくまで行われる自由組手でした。
組手はケンカさながらの荒いもので何人もの道場生がのばされてはすぐに辞めていきました。
それでも入門者は絶えることなくやってくるのでした。

組手の時間になると、道場の窓越しには人垣ができ街の不良たちも極真空手のすさまじい攻防に見入っていました。
当の私はというと入門して3ヶ月で組手で骨折してしまい逃げるように退会してしまうのでした。

しかし、強さえの憧れを諦めきれず二年後に同じ道場へ足を運んだところ、そこは現、極真館の盧山館長が道場を引き継いでいました。
道場の雰囲気は厳しいながらも以前と比べて伸び伸びと稽古することができましたが、半年位で今度は肩を痛めてしまい、またしても退会してしまいました。

さすがにその時は極真は一部の体の頑丈な人間しか続けられないのかとひどく落ち込みました。
月日が経ち、何かの本で100キロの人間に力負けしなくなるには70キロの体重が必要だというような記事を目にし、早速ウエイトのジムに通いひたすら体重を増やすことに専念しました。

28歳の時にその頃住んでいた場所の近くにあった千葉南支部船橋分支部に入門しました。
そこで初めてサポーターを目にし、今では当たり前に行われているスパーリングの稽古を行い目からうろこでした。
何より驚いたことは黒帯の先輩方から話しかけてくれたことでした。

とりわけ思い出深かったことは、冬のひどく寒い日の夜、日本で唯一の落下傘部隊を有する習志野駐屯地内にある第一空挺師団の武道場で、全日本ウエイト制で3位に入賞した国吉先輩と二人きりの稽古の後、先輩がポツリと一言「優勝できなかったから世界大会に出る夢が消えた。」と寂しそうに言われたことでした。
それを聞いて、強くなる人は並の人間とは目標の設定値や意識の高さが格段に違うんだなと妙に納得しました。

その後32歳で転職し、故郷の松本に帰り長野支部の藤原師範の元でお世話になることに決めました。
長野支部には更にフレンドリーな先輩が多く入門したその日から良くしていただきました。

道場では空手のみならず春には花見や山菜取り、夏には川でバーベキュー等様々なイベントという名の飲み会を通じて親睦を深める機会を作っていただきました。
その中で周りの人への気遣いや後輩への接し方など、人として大切なことを醸成する気づきを先輩方から学ぶことができたことは財産となりました。

私は弱い人間ですが、弱いままで良いと思ったことは一度たりともありません。
これからも質実剛健をもって自己の精神を涵養し、昨日の自分よりも少しでも強くなれるよう努力を重ねていく所存です。押忍

※長野支部情報はこちらよりご確認下さい。


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