第12回全世界空手道選手権大会・決勝日


11月9日~10日の2日間にわたり、第12回全世界空手道選手権大会が武蔵野の森総合スポーツプラザで開催された。島本雄二の世界大会連覇、日本男子の王座死守、日本女子の王座奪還はあるのか。決勝日は男子四回戦~決勝戦、女子準々決勝戦~決勝戦が行なわれた.

【男子四回戦】
Aブロック:マシエ・マズールが清水翔希と対戦。前半は清水が内股蹴りを決めていったが、後半に下突きで盛り返して本戦5-0で勝負を決めた。前田勝汰は中段突きが冴え渡り、オレスタス・アバゾリウスから本戦5-0勝ち。エヴェンタス・クザウスカスもマテ・ダビッドを延長判定で破った。山本和也と緑強志の対決は、互いに下段廻し蹴りを打ち合う展開に。最後は圧力をかけた山本が勝利を収めた。

Bブロック:ヴァレリーとナシロフが初日に続いて好調をキープ。島本一二三が内外と下段廻し蹴りを仕掛けるが、延長でヴァレリーが上段ヒザ蹴りを決めて技有り。これが決定打となり、ヴァレリーが勝ち上がった。ナシロフは亀山真と激突。距離を詰めて突きを連打する亀山に、上段前蹴りを決めて技有り。本戦5-0で五回戦へ進出した。注目のパウリウス・ジマンタスはイリヤ・ヤコブレフの中段突きで手数が減ってしまい、本戦負け。入来建武は、マレック・ヴォルニーに下段廻し蹴りを叩き込み本戦で差をつけた。

Cブロック:渡辺優作がエドガー・セシンスキーに中段突き連打で追い込んだが、押しと最後に顔面殴打の反則をしてしまい、惜しくも判定負け。落合光星は越智純貴から下突きで技有りを奪い、判定勝利。ルーカス・クビリウスはエフゲニー・オトプコフに再延長判定負け。加藤大喜はメレイ・スユノフを本戦5-0で下した。

Dブロック:まずは江口雄智が、突き連打でアンドラス・ダビッドを撃破。サラハト・ハサノフは、マクシム・スモリャコフから本戦3-0で勝利。ウラジミール・アルチュシンは中段突きで技有りを奪い、アナトリー・ズラヴェルを下した。注目の島本雄二は、対角線で技を打ち分ける安定した組手でヨナス・ロジンを破り、五回戦へ進んだ。

【男子五回戦】
Aブロック:マズールとの試合を迎えた前田勝汰は、接近しての突き連打でプレッシャーを与えていく。本戦は1-1のイーブンとなるが、延長でマズールのヒザ蹴りをもらいバランスを崩してしまう。これが攻勢点と見られたのか、マズールが4-0で勝利。グザウスカスと山本は、前半に山本が右下段廻し蹴りを連打、右の下段フェイントから左下突きで攻撃。後半にグザウスカスが突きラッシュとヒザ蹴りで巻き返す展開となる。本戦は2(グザウスカス)-1。延長も同じような攻防となり、最後にラッシュをかけたグザウスカスが5-0で山本を下した。

Bブロック:入来が、絶好調のヴァレリーと対戦。スロースターターのヴァレリーに対して、内股蹴り、下段廻し蹴りでダメージを与えていく。終了間際は突き連打を仕掛けて、入来に旗が2本上がる。延長はヴァレリーが反撃し、入来が失速。4-0でヴァレリーが勝者となった。ジマンタスを破ったイリヤ・ヤコブレフは、ナザール・ナシロフに中段突きで猛攻を仕掛ける。ナシロフは、ダメージが蓄積していたのか精彩を欠き、ここで敗退した。

Cブロック:日本人が次々と敗れる中、その嫌な雰囲気を一変したのは落合。足を使って動き回るセシンスキーに、中段突き、下段廻し蹴りを的確に決めて本戦決着で撃破した。加藤は蹴りと突きのコンビネーションをオプトコフに決めていく。最後まで動きが落ちずに、本戦4-0で加藤が勝利を収めた。

Dブロック:好調をキープしている江口は、前蹴りから入って左右の中段突きでハサノフに攻撃。その勢いは止まらずに、ハサノフの動きを封じていく。本戦3-0で判定勝ちを収め、準々決勝へつなげた。島本はアルチュシンと対戦。ここでも慌てずに左の突きをしっかりと打って、下段廻し、前蹴りにつなげて本戦3-0で勝利を収めた。

【男子準々決勝戦】
Aブロック

マズールとグザウスカスがブロック決勝で対峙。山本を下したグザウスカスが、どこまでマズールを攻略するのか期待が高まったが、勝負は意外な結末を迎えた。互いに突きを打ち合っていたが、マズールの中段突きが入ると、グザウスカスはしゃがんでしまう。技有りから一本へと旗が上がり、勝敗が決した。

Bブロック

ナシロフ、ジマンタスと強豪を打ち破ってきたヤコブレフは、ブロック決勝でヴァレリーと対戦した。接戦になるかと思われたが、ヴァレリーが圧力をかける中で、ヤコブレフが押しによる注意2回で痛恨の減点1を与えられる。これが決め手となり、ヴァレリーが準決勝へ進んだ。

Cブロック

このブロックは、日本人同士の顔合わせとなった。落合と加藤の両選手ともに、勢いは互角だ。プレッシャーをかける落合。加藤は足を使って動き回る。下段廻し蹴りが金的攻撃となり、落合が注意1。加藤は接近しての回転の速い攻撃を仕掛ける。僅差となったが本戦3-0と差がつき、加藤が準決勝進出を決めた。

Dブロック

全日本大会以来の対戦となる島本と江口の顔合わせ。江口は蹴りから突きにつなげる動きで、島本に揺さぶりをかける。だが島本は、左の突きを打ち抜き、下段廻し蹴り。前蹴りも要所で使い、本戦3-0と差をつけた。

【男子準決勝戦】
準決勝第1試合

マズールとヴァレリーが決勝進出をかけて激突した。二人の対戦は全ヨーロッパ決勝戦以来となる。積極的に仕掛けたのは、マズールだ。左右の中段突き、カギ突き、ヒザ蹴りと攻撃を畳みかける。ヴァレリーは、下段カカト蹴り、突きを返す。本戦1-0でマズール。延長も展開は変わらずに、マズールの攻撃が目立つ。ヴァレリーが攻撃を返していたためか、ここも1-0でドローに。再延長は、マズールが最後の力を出し切って突きと下段で攻める。ヴァレリーも後半に突きをラッシュしたが、判定3-1でマズールが勝ち切った。

準決勝第2試合

島本と加藤が、ここで対決。過去の全日本大会準決勝でも実現した対戦だが、この時は島本が足を骨折するアクシデントに見舞われた因縁の顔合わせだ。下段廻し蹴りを飛ばす島本に、加藤も同じ技を返す。受け返しをしっかりとしつつ、得意の後ろ蹴りへつなげる加藤。島本は動じずに前蹴り、下段廻し蹴り、内股蹴りでペースを引き寄せる。最後もきっちりと突きを連打して、本戦5-0で勝負を決めた。

【男子3位決定戦】

ヴァレリーと加藤が3位入賞をかけて激闘を展開した。コツコツと下段カカト蹴りで攻めるヴァレリーに対して、加藤は左下段廻し蹴りから右下突き、左右の突きと技を散らす。本戦0-0。延長ではヴァレリーが、カカト落としで攻めるなど意地を見せて1-0とリード。再延長は、突きと蹴りのコンビネーションを続ける加藤が優位に立ち、3-1で勝利。3位入賞を決めた。

【男子決勝戦】

ファイナル進出を決めたのは、島本雄二とマシエ・マズール。第1シードの選手同士が、順当に勝ち進む結果となった。接近しての突きから下段廻し蹴りを決める島本。マズールは強烈な突きを返していく。右、左と下段廻し蹴りをヒットさせた島本は、さらに前蹴り、突きと攻撃をつなげる。とくに前蹴りは効果的に入り、マズールの動きを止めることに成功した。判定は3-0で島本。世界大会連覇とともに、史上二人目の偉業を達成した。

【女子準々決勝戦】
Aブロック:南原朱里と浅古麗美の対決は、接戦の展開が続いた。互いに突きを打ち合い、一歩も引かない。本戦は浅古が1-0とリード。延長は、南原も巻き返して1-1のイーブンに持ち込む。再延長も突きを打ち合い、やや勢いを盛り返した南原が3-0で勝者となった。尻上がりに調子を上げている加藤は、ワリエワと対戦。素早いステップワークで多彩な蹴り技を見せた加藤が、本戦2-0、延長2-1と優位に立つ。だが再延長でワリエワが突きで巻き返し、3-1で逆転勝利を収めた。

Bブロック:インガ・ミクスタイテとイオアンナ・ベリフの対戦は、キャリアを活かしたインガが的確な突きでやや優勢に試合を進める。本戦はベリフが意地を見せて0-0のイーブンとなったが、インガが突きを決め始め、延長3-0で勝利をものにした。もう一つの準々決勝は、久保田と菊川の他流派対決となった。本戦で菊川は、接近しての突きを出していく。久保田もこれに対応して、打ち合いが続く。本戦1-0で菊川がリード。延長でも菊川の勢いは止まらずに、2-0とあと一歩まで迫る。再延長も菊川が攻め抜き、本戦5-0で勝ち上がった。

【女子準決勝戦】
準決勝第1試合

南原とワリエワがファイナルへ向けて対決した。二人とも激戦が続いているだけに、どこまで気持ちを保てるかがポイントといえた。そんな中で南原は、突きのラッシュを仕掛けるなど、強い気持ちを見せた。本戦は2-0と優位に立ち、延長も力強い突きでワリエワにプレッシャーをかけて3-0で勝ち切った。

準決勝第2試合

久保田を破って勝ち上がった菊川と、優勝候補のインガが拳を合わせた。接近しての突き連打をする菊川に対して、インガは突きと蹴りのコンビネーションで対抗する。本戦は1-0でインガ。延長でもほぼ互角の闘いとなったが、ややプレッシャーをかけたインガが3-0で勝利。初の決勝進出を決めた。

【女子3位決定戦】

菊川とワリエワの3位決定戦は、ワリエワのヒザ蹴りをガードしながら菊川が突きを当てにいく展開となる。本戦はドロー。延長でも差がつかずに再延長へ突入。最後まで気力を振り絞って闘った両者。最後は気持ちの差か、ワリエワが3-1で3位に入賞した。

【女子決勝戦】

前回の世界大会に続き、ファイナリストとなったのは南原朱里。悲願の世界一へ向けて、あと一つと迫った。対するは、ヨーロッパ女王のインガ・ミクスタイテ。日本の王座奪還、新女王誕生を巡り、二人が最後の舞台へ上がった。
試合が始まると、一気に間合いを詰めて突きを連打する南原。インガは前蹴りで距離を開けようとするが、南原はそれを許さない。止まらない突き。前へ出て、南原は突きを繰り出す。インガも突きで対応するが、南原の圧力が強いのかジリジリと下がってしまう。勝負は判定となり、南原に旗が5本上がる。4年前の屈辱を晴らし、南原が世界一に輝いた。

男子
優 勝 島本雄二(広島支部)
準優勝 マシエ・マズール(ポーランド支部)
第3位 加藤大喜(愛知山本道場)
第4位 ヴァレリー・ディミトロフ(ブルガリア支部)
第5位 落合光星(和歌山支部)
第6位 エヴェンタス・グザウスカス(リトアニア支部)
第7位 江口雄智(福岡支部)
第8位 イリヤ・ヤコブレフ(カザフスタン支部)
敢闘賞 江口雄智(福岡支部)
技能賞 ナザール・ナシロフ(ロシア支部)

女子
優 勝 南原朱里(福岡支部)
準優勝 インガ・ミクスタイテ(リトアニア支部)
第3位 イリーナ・ワリエワ(ロシア支部)
第4位 菊川結衣(芦原会館)
敢闘賞 菊川結衣(芦原会館)
技能賞 イリーナ・ワリエワ(ロシア支部)

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