第3回U-22強化合宿


第3回U-22強化合宿3月9日~11日、第3回U-22強化合宿が富士緑の休暇村で開催された。2年に一度、22歳以下の精鋭が集うこの合宿のテーマは、「伝統継承」と「王座死守」。過去2回と比較するとメンバー数は大幅に増加し、男子39名、女子21名の合計60名が参加。男子は入来建武が主将を、緑武士が副主将を務め、女子は荒木千咲が主将を、南原朱里が副主将を務めた。
緑健児代表、選手強化委員長の三好一男副代表、同副委員長の奥村幸一師範をはじめ、選手強化委員には新保智支部長、塚本徳臣師範、石原延支部長が、オブザーバーとして木元正資師範、外舘慎一師範が顔を揃えた。コーチには、昨年7月の第6回全世界ウエイト制空手道選手権大会で男女グランドスラムを達成した島本雄二、将口恵美を迎え、即戦力強化に特化した過酷な3日間が幕を開けた。

【初日】

「組織やまわりの方々にお世話になっているから、みんながいるということを忘れないでください。去年5月のJFKOは日本代表選手がほとんど出場していなかったとはいえ、全階級で優勝を逃す屈辱を味わいました。支えてくれる人たちのためにも、今回は絶対に取り返すという気持ちでがんばってください。ここにいる監督、コーチはどこに出しても恥ずかしくないすばらしい人たちです。その人たちに教えてもらえることを誇りに思ってください。2泊3日、気合いを入れてがんばりましょう」
14時から体育館で行なわれた結団式では三好副代表があいさつを行ない、今年5月に開催される第1回国際フルコンタクト空手道選手権大会(JFKO国際大会)へ向け、強化選手へ発破をかけた。また今合宿は、日本代表経験者であってもオール・ジャパンのワッペンを外すことが義務づけられた(役員・コーチは含まず。ユース選手は同ワッペンを着用)。その理由について奥村師範は「去年のカザフスタンでは7階級制覇というすばらしい成績を収めましたが、第12回世界大会へ向け、勝って兜の緒を締めよというメッセージを伝えるためにあえてワッペンを取りました」と説明。そして「今年5月の第1回JFKO国際大会で必ず全階級制覇して、10月の全日本大会で第12回世界大会の代表権を獲って、来年3月には日の丸をつけて戻って来られるように。3日間死ぬ気でがんばってください」と檄を飛ばした。

三好副代表の号令のもと、基本稽古からスタート。続けて早速、組手稽古に入った。今合宿はチャンピオンセミナーなどの技術指導はなく、ほとんどが組手という実戦的なもの。男子は重量級と軽重量級、中量級と軽量級がそれぞれグループとなり、女子は総当たりで組手を行なっていく。途中、休憩を挟みながらひたすら組手を繰り返した。

夕食後のナイトミーティングでは、奥村師範からあらためて今合宿の意義が語られ、「第1回JFKO国際大会での全階級制覇へ向けて」というテーマで話し合いがもたれた。奥村師範に続き、石原支部長、新保支部長、将口コーチ、島本コーチ、塚本師範、木元師範の順に、初日の感想や改善点を交えながら、JFKO国際大会へ向けて選手に奮起を促した。

【二日目】

早朝稽古は午前6時からの予定だったが、15分前にはすでに選手強化委員やコーチ、全選手が体育館に集合し、「新極真会ファイト!」というかけ声とともにランニングで体を温めはじめていた。稽古に入ると数名ずつのチームに分かれ、リレー形式で競争が行なわれた。壁から壁を往復するダッシュや、クモ歩き、サイドステップなどでスピードを競い、最下位のチームにはその都度、拳立て伏せ10回が課せられた。
この日の午前稽古から緑代表が合流。初日は曇り空、未明は雪が降ったが、緑代表が合流した午前10時前には空が晴れ渡り、雄大な富士山が顔を覗かせる。初日同様、基本稽古の後はすぐさま組手に入った。新保支部長の先導で、突き強化をテーマに突きだけの組手からスタート。続いて技フリーの組手を行なっていく。稽古の合間には緑代表が「みなさんは勝ち上がる力を持っています。5月の大会は諸流派選手に勝って、外国人選手にも勝って、みなさん同士が当たれるところまでいってください。当たったらライバルなので、試合だと思って勝つつもりで組手をしてください」とメッセージを送った。その後は男女ともに4階級ずつに分かれて組手、2人一組での腹打ちと続き、午前稽古が終了した。

午後稽古は今合宿最長の3時間ということもあり、一番の山場と言えた。選手の疲労も蓄積されていく中、稽古前には緑代表から「気持ちが変わると動きも変わってきます。試合で苦しいのは自分だけではなく、相手も同じです。自分に負けなければ相手にも負けません。気持ちで負けないように」と檄が飛ぶと、選手からは力強く「押忍!」という返事が響いた。
午前稽古同様、突きのみの組手からスタートし、続いて2グループが交代で2分5セットの組手を繰り返し行なっていく。組手が終了すると、腹筋200回、腹打ちと続き、過酷な午後稽古を乗り越えた。
 夜にはアンチ・ドーピング委員会の委員長を務める内藤隆富師範、同副委員長の古川章師範が駆けつけ、講習会が開かれた。選手は大会に向けてドーピングに関する正しい知識を学び、質疑応答も行なわれた。夕食では大山倍達総裁が愛した鶏の水炊きが振る舞われ、あらためて結束を高めた。

【最終日】
早朝稽古では前日同様、午前6時を待たずに選手強化委員やコーチ、全選手が体育館に集合し、ランニングで汗を流した。その後は二日目に続き、ダッシュなどさまざまなメニューでチーム別競争が行なわれた。
「終わりよければすべてよしという言葉があります。この合宿の中で一番元気がある稽古をしてください」という緑代表の言葉で、今合宿を締めくくる午前稽古がスタート。基本稽古では上段廻し蹴り100本を蹴り、その後は総当たりや階級別など、男女さまざまなグループに分かれての組手を繰り返していく。疲労がピークに達する中、組手が終わると続けざまに補強が始まる。1分間で腹筋の回数を競った後は、背筋100回、拳立て伏せ100回、腹打ち、ジャンピングスクワット100回を2セット。各選手は鬼の形相で残る力を振り絞り、過酷な3日間の合宿を完走した。

 この日は、東日本大震災が起こった3月11日。くしくも7年前の震災当日は、第10回世界大会日本代表強化合宿が同じ富士緑の休暇村で行なわれおり、この日の解散式では緑代表や奥村師範から当時の話が語られ、被災者へ1分間の黙とうが捧げられた。

 緑代表のあいさつでは「この合宿はみなさんがんばったと思います。ただ、これからが勝負です。この気持ちを忘れず、全階級制覇という気持ちを忘れず、道場に帰っても自分に負けないように稽古してください」と激励の言葉を贈った。男女両コーチのあいさつでは、「5月は必ず新極真会で表彰台を独占できるように、全員が優勝する覚悟を持って臨んでほしいと思います」と島本。将口は「普段できないような数の組手をやって、自分が思った以上の力が出たと思います。残り2ヵ月でもっと強くなれると思うのでがんばってください」と強化選手へメッセージを送った。
 最後に、男子主将の入来が「王座奪還のテーマのもと、この合宿は最高の稽古ができました。5月は必ず王座を奪還して、新極真会の強さを証明したいと思います」と力を込め、女子主将の荒木は「このような合宿は、みなさんの支えがあってできていることをあらためて実感しました。大会まで一日一日がんばって、必ず優勝します」と決意表明を行なった。