戦績
| 第13回全世界空手道選手権大会 |
優勝 |
| 第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会 |
重量級優勝 |
| 第1回空手Champion of Champions |
優勝 |
| 第54・56・57回全日本空手道選手権大会 |
優勝 |
| 第53回全日本空手道選手権大会 |
準優勝 |
| 第9回全日本フルコンタクト空手道選手権大会 |
重量級優勝 |
| 第8回全日本フルコンタクト空手道選手権大会 |
軽重量級優勝 |
| 第7回全日本フルコンタクト空手道選手権大会 |
軽重量級3位 |
選手紹介
幼い頃から大会に積極的に新極真会のジュニアの最高峰大会であるドリームフェスティバルでは9回優勝を果たしている。高校進学後は一般部の試合に出場し、初出場の無差別級全日本大会では準優勝を果たし早くも頭角を表した。持ち前のハートの強さに加え、抜きん出たパワーと持つ。将来の世界チャンピオン候補のひとりである。
第54回全日本大会では、宿敵久保田千尋に決勝でリベンジを果たし、第13回世界大会の切符を勝ち取ったが、翌年の第8回JFKO大会にも出場、軽重量級で優勝し、チャンピオンへの準備は整った。
第13回全世界空手道選手権大会では最年少ながら対戦選手を圧倒。若干18歳にして無差別級のチャンピオンに輝き、第1回WFKO世界大会でも決勝ではライバルのブリジタ・グスタイタイテに勝利、グランドスラムを達成した。
―― 全日本大会では3連覇を達成し、連続優勝記録も伸ばしました。
「やっぱりホッとした気持ちが一番大きいですね。負けたら今まで積み上げたものがすべて崩れると思っていたので、今回も負けずに舞台を降りてこられてよかったなと思います。自分の中では『負け=死』くらいの気持ちがあるので」
―― まるでサムライのようですね……。仮に負けたとしても、これまで積み上げた輝かしい実績が消えるわけではないですが、鈴木選手の中では一度の負けも許されないと。
「そうですね。自分がダメというより、支えてくださっている方々を悲しませたくないんです。結果で恩返しをしていかないといけないので」
―― とはいえ人間ですから、日によっては気持ちの面などでムラが出てしまうことはないですか。
「だからこそ、自主練のひとり時間が大事だと思うんです。誰も見ていないので手を抜こうと思えばいくらでも抜けるんですけど、そこでいかに自分を追い込むか。追い込めば追い込んだぶんだけ、間違いなくいいことになって返ってくると経験上わかっているので」
―― 自主練で苦しくなった時の乗り越え方はありますか。
「私は苦しければ苦しいほど、喜びを感じるタイプなんです。週に一度の練馬支部への出稽古では、島本雄二先生と組手もさせていただくんですけど、効かされたりボコボコにされたりすることもあります。自分はまだまだ向上できるんだと思えるので、それがうれしいんですよね」
―― 強くなっていくことに喜びを感じると。今大会は「昨年の全日本大会の自分自身へのリベンジ」をテーマに置いていましたが、あらためてその真意を聞かせてください。
「去年、結果としては優勝できたんですけど、どこか心残りがありました。その心残りが何なのかを探し続けた結果、大会前はたしかに稽古をしていたんですけど、やり切るのではなくこなすだけになってしまった場面もあったと気づきました。それが大会での動きの悪さにつながっていたと思ったので、本当に最後の1セット、最後の1発まで出し切ったのか、最後の1歩まで走り切ったのかを徹底的に見つめ直せば、いい方向にいくんじゃないかなと思いました。今回は悪くはない動きができたので、毎日の積み重ねが間違っていなかったのかなと思います」
―― 全日本大会の初戦となった黒田蒼選手との二回戦は、延長戦までもつれました。
「アップの時はすごく調子がよかったんですけど、試合では硬くなってしまいました。今までは初戦で緩みすぎることが多かったので、それを克服できたと思ったら今度は硬くなりすぎてしまったので、緩みすぎず、硬くなりすぎずという状態を初戦でつくることが、今後の課題ですね」
―― 準々決勝では同い年の細谷誉選手と対戦しました。大会前から特別な思いを抱いていた相手ですよね。
「空手を始めた子どもの頃から、誉とは数えきれないくらい試合をしてきたので、感慨深い気持ちでした。もちろん試合中は勝つことだけを考えていましたけど、同年代が年々減っていく中で、残った仲間はやっぱり強いんだなと思いました。今回は数年ぶりの対戦で一般部では初めてだったんですけど、ここで終わるのではなく、いつか決勝の舞台で闘える日が来たらいいなと思います」
―― 細谷選手との試合は蹴りを連打する場面も見られましたが、硬さが取れてきたということでしょうか。
「そうですね。まずはリズムを取らないと硬さがほぐれないというのはわかったので、試合中はとにかくリズムを取ろうと意識していました」
―― 準決勝では第13回世界大会決勝戦以来、2年ぶりに網川来夢選手と激突しました。
「網川選手は前蹴りやヒザ蹴りが得意なので、その技を自分が先に出すという先手必勝がうまくはまったかなと思います」
―― 決勝戦は、昨年だけで3回闘っている藤原桃萌選手が相手でした。
「あの試合は冷静に闘えました。稽古で積み重ねてきたことが、やっと試合でもできるようになったと実感できた試合でした。今までは単発になっていた技が単発にならなかったり、足も動いていたので、積み重ねてきてよかったなと思います」
―― 準決勝、決勝がともに最終延長までもつれた昨年とは違い、今年はどちらも本戦決着になりました。
「自分でも本戦で決まるとは思っていなかったので、実際にやってみないとわからないところが空手のおもしろさなのかなと思います。試合の中で、いい部分、悪い部分がまた見つかったので、伸ばすところは伸ばして、修正するところは修正していけたらなと思っています」
―― パーソナルトレーニングジムに通い始めてから1年が経過しましたが、どんな部分で成果を実感していますか。
「まず道着を着た段階で、自分でもわかるくらい体つきがよくなってきたかなと思いますし、バランスもよくなったと思います。もちろん、まだまだな部分も多いですけどね」
―― ウエイトトレーニングだけではなく、平均台に乗ったりといったバランストレーニングもされていると以前話していました。
「そうですね。頭を使うトレーニングもしています。トレーナーさんがロープでいろいろな回し方をして、それを見て私も同じようにロープを回すというトレーニングです。体とともに頭も使おうみたいなことで、神経系を刺激するんだと思います」
―― 全日本大会からグランドスラムの2周目が始まったわけですが、1周目との違いはありますか。
「1周目で言うと、世界大会までは自分のためにという感じだったので、2周目はまわりの方々に恩返しをするためにがんばりたいと思います」
―― 3連覇とともに、8大会連続優勝を達成しました。記録についてはどうとらえていますか。
「記録は後からついてくるものだと思っているので、そこまで意識することなく、これからも『負けないこと』を徹底的にやっていきます」
―― 現在は空手にすべてを捧げる生活を送っていますが、つらくなることはないものですか。
「空手以外にできるものがないんですよね(笑)。頭がいいわけじゃないですし、運動神経もよくないので。不器用なので、球技とかは苦手なんです。それこそフィジカルトレーニングをしていても、『他のチャンピオンなら一瞬でできるよ』と言われることもよくあります」
―― それは意外ですね。ただ、その空手でまわりの人を幸せにしているわけですから、空手との出会いは運命だったのかもしれません。最後に、抱負を聞かせてください。
「JFKO、KCC、全日本。必ずすべて優勝します。一昨年はKCCから全日本までの過ごし方に課題が残ったので、今年は同じことを繰り返さないようにしようと思います」