平素は新極真会の発展にご尽力賜りまして誠にありがとうございます。3月7日には年次の新極真会昇段審査会を開催しました。今回の審査には塚本徳臣選手や塚越孝行選手、ヴァシリ・フディコフ選手などの国際上級レベルの選手や海外支部長が多く受審しました。
皆さまご承知のように新極真会は段位の質に重きを置く組織ですので、世界各地区及び各支部でも昇段が大変困難です。新極真会の昇段審査は、基本や移動、型などの第一次審査、そして連続10人組手の第二次審査という二段階制を採っています。単に組手が強ければいい、また型が上手ければいいというだけでは合格しません。空手家としての技量や強さは言うまでもなく、社会に貢献できる聡明さや知性、そして豊かさを兼ね備え、総合的にその段位に相応しい謙虚な武道人であるかどうかが合否の基準となります。合格された方は、その段位に相応しい実力を習得するべく一層の精進を期待します。また不合格となった方。この悔しさを活かすも殺すも自分次第です。何かが足りない。その何かを知り、正しい方向に修正する作業が必要です。空手道は生涯修業が求められますので、必ず自分自身の誇りをかけた次の挑戦を期待します。
海外からの受審者は全員合格。空手に対する強い思いと厳しい修業の成果を遺憾なく発揮してくれましたことに深い敬意と感謝を申し上げます。最後になりましたが、この審査には日本地区の委員に加えて、海外委員としてブライアン・フィトキン師範やフルコ・カルマン師範、そしてピーター・ヴォルク師範にご出席いただきました。お忙しい中、遠路お越しいただき厳しい審査をして頂いたことに心から感謝します。こうした地道な活動こそが「私たちの新極真会」、そこに集うものの関係を緊密化し、強く団結した組織に成長させることだと改めて確信致しました。
さて、先日、JOCの上級役員と会談し、私たちの空手がオリンピックに参加できる可能性を模索致しました。この会談は、非常に有意義で未来に見向けた具体的な一歩を見出すことが出来ました。空手界、特にフルコンタクト空手の団結は非常に困難に思えますが、困難への挑戦こそが空手家の使命です。夢は叶えるものですので引き続き可能性を追求していきますので皆さんのご理解とご協力をお願い致します。
最後になりましたが世界的に大地震の災害が頻発しました。被災地の一日も早い復興と被災者の救出と回復を心から祈念致します。また社会犯罪、とくに幼児虐待などのニュースを目にするたびに、虐待された子供たちの気持ちを考えればやりきれない思いと怒りがこみ上げてきます。私たち新極真会は武道精神の普及によって一日も早く、世界の平和が訪れることが出来るように全員で頑張ってまいりましょう。
押忍
新極真会代表 緑健児