心の変化
この度は昇段審査を受けさせていただきありがとうございました。
自分が空手を始めたのは4歳の頃でした。
始めたきっかけは父に進められたからです。
最初の頃は空手が楽しく、徐々に力がついていくことに喜びを感じていました。
しかし、なかなか技術や体力が上がらなくなり、面白かったはずの空手もだんだんと辛くなってきてしまい小学校五年生の頃にやめてしまいました。
それからは、空手と両立してきた野球の方を一筋に高校卒業までやってきました。
そして高校卒業の年、ちょうど第10回全世界空手道選手権大会が行われました。
その時、自分は小さい頃からお世話になっていた塚本師範の最後の大会だと聞き、応援にいきました。
そしてそこで目にしたのは大勢の観客の中、一対一で戦う選手の方々でした。
自分は一気にその空気に飲み込まれるような感じでした。
そして準決勝、塚本師範対ローマン・ネステレンコ選手、結果は塚本師範の胴回し回転蹴りの一本勝ち。
その瞬間、そこにいた大勢の観客が立ち上がり拍手をしていました。
そこには日本人関係なく他の国の方々も立ち上がり拍手をしていました。
自分はこんなにも大勢の人の心を震わせることができるのかと思いました。
自分には絶対に不可能だと思いました。
しかし、もし出来る可能性が少しでもあるのなら全力でその可能性を試してみたいと思いました。
大勢の人の心を動かす力を身につけたい、そう思ったらいてもたってもいられなくなりました。
そして自分は空手をもう一度始めることを決意しました。
空手から離れて6年でした。
そして前々からもう一度空手を始めないかと誘って下さっていた塚本師範のところに行き、塚本道場の一員として空手を始めさせていただきました。
それから2年が経ち、塚本師範から昇段審査を受けないかと誘っていただきました。
自分の中ではたいした結果も残せてないのに自分なんかが受けていいのかと悩んでいました。
しかし塚本師範は心を変える為といいました。
確かに自分はこれまでの試合で技術、体力ではなく相手の気合や勢いにのまれて負けることが多々ありました。塚本師範はそれを見抜き心を変えるきっかけを与えてくれたのです。
そして自分は昇段審査を受ける決意をしました。
そして審査当日、10人組手は黒帯の先輩や後輩、同い年の方々が相手をしてくださいました。
それは想像以上に辛く、1人目から3人目くらいまでは出来るだけダメージを残さないようにと考えていました。
しかし4人目が始まり、たまたま相手の突きが自分の顔面に当たりました。
その瞬間、自分は覚悟を決めました。
この組手が終わったあと自分がどうなっていようと関係ない、今全力で戦わなければ後で後悔する。
その時の心は今までに感じたことのない状態でした。なにかを捨て、得たような感覚、その感覚は今でも忘れられません。そのおかげで自分は十人と全力戦うことができました。
そして10人組手が終わりました。
そのとき自分は相手をして下さった方々や応援して下さった方々の愛を強く感じ涙がこぼれました。
この先もその愛に感謝し今度は自分が黒帯としてたくさんの人々に愛を届けられる人間になり、そして自分の愛を感じてくれた人たちがまた別の人たちに愛を配れるようになる。
そんな連鎖をつくれるような存在になるためこれからも心身ともに成長させていきたいと思います。
この度は十人組手の相手をして下さった皆さん、応援してくれた皆さん、そして心を変えるチャンスを下さった塚本師範、本当にありがとうございました。
まだまだ心身ともに不完全な自分ですが、これからもよろしくお願いします。
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