この度は、昇段審査の機会を与えていただきありがとうございました。
今回私は、自分が黒帯へのチャレンジをするとは思っていませんでした。
なぜなら、すでに四十代半ばで肩や腰がガタガタに悲鳴をあげていて半分、諦めていましたが、しかしあの日がくるまでは・・・
私が入門したきっかけは、当時二十代後半の頃、肥満体だった自分に、同じ道場で幼なじみの豊嶋君に誘われたことでした。しかし入門して四年間ぐらいは、夢中で稽古に励み帯も順調に上がっていきましたが、その後、仕事や家庭の都合で、約五年間くらい空手から離れてしまいました。
でも、やはり道場での緊張感をもう一度味わってみたいと、四十代を目前で再入門となりました。
そして気合を入れ稽古に励んでいたのもつかの間、あの東日本大震災の発生でした。
そうして、復興作業に従事していた私は、休みなしの過酷な作業の合間に稽古をするという状況でした。
しかし、そんな私を黒帯への道へ奮い起してくれたのは、全国の多大なる声援と支援があったからでした。
それは、今まで何をやっても中途半端で、口先ばかりの自分が何かひとつでもやり通して、頑張っている姿を見せ、誇れるものを得たいと思い、目標を立てて空手に臨もうと、心に決めてさらに稽古に励みました。
そして審査では、ある程度、自主練習も含めスケジュールを決めて取り組んできたつもりでしたが・・・
不安と緊張で体がガチガチで、型の難しさ基礎体力の重要さを身をもって体験する機会となりました。
しかし気合いを入れ十人組手に挑みましたが、そこでも緊張で息が上がってしまい思うように手、足が動かず四人目あたりからは記憶が途切れていました。
しかし挫けそうになった自分に会場の皆さんの声援が、私を前に出させ、勇気を与えてくれました。
十人目が終わったあと、金田支部長と阿部先生と握手を交わした時には涙がボロボロでていました。
それは自分の力の無さ、そして組手をして下さった先輩の皆様への感謝への涙だと感じました。
これから自分自身の実力をつけることは、もちろん人間としても成長し日々精進していきたいと思います。
最後に、金田支部長をはじめ阿部先生、山田先生、十人組手をして下さった皆様、練習に付き合ってくれた石巻道場生の皆さん、そして大きな声援を下さった会場の皆様に大変感謝しそしてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。押忍
宮城支部
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