この度は、昇段の機会を頂き誠に有り難うございました。
私は三十歳の時に、クローン病と言う特定疾患に罹患している事が発覚し、その三年後には小腸の一部を切除する手術を行いました。
クローン病が完治しない事を知った時は意気消沈しましたが、それでも幼少期より抱いた「強くなりたい」と言う気持ちは断ち難く、何かしら格闘技に関われないかと思い続けていました。
そんな折、偶然見つけた塚本道場の看板に、私は強く惹かれました。
華麗な技術で世界大会を制した塚本徳臣師範に直接教えを乞う事ができる場が、自宅からそれ程遠くない所に在る事を知って、私の心は大きく動きました。
その後、紆余曲折を経て漸く塚本道場への入門が叶い、空手の道に足を踏み入れましたが、初年は苦難が続いてなかなか白帯から脱却できずにいました。
それでも腐らず、諦めずに空手を続けられたのは、ひとえに塚本師範や諸先輩方の厳しくも気持ちのこもった御指導のお陰だと認識しております。
入門から十年目と言う節目に昇段のお許しを頂けた事に感慨を覚えると同時に、昇段して黒帯を締める事は決して到達点ではなく、空手修業の中の通過点のひとつに過ぎないと言う事を強く肝に銘じております。
今後は黒帯を締める空手家のひとりとして恥じない行動を心掛け、更なる修練に務める所存です。
改めて、昇段の機会を与えてくださった塚本師範を始め、道場生及び関係者の皆様にこの場を借りて感謝致します。押忍
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