―― 第1回WFKO世界大会決勝戦は顔面殴打による注意2もあり、網川来夢選手に敗れ準優勝でした。
「本当に悔しい負けでした。大舞台でああいう反則をしてしまって、対戦した網川選手に申し訳ないです。WFKOは私の空手人生で一番、自信があった大会でした。だからこそ大会後は気持ちがすごく落ちて、稽古も1、2週間くらい休ませていただきました。そんな時に入来(武久)師範から、『一旦落ち込んでまた踏ん張ればいい。落ち込んだ時のしゃがみが深ければ深いほど、次に高くジャンプができるから』と言っていただき、全日本大会に向けて気持ちを切り替えることができました」
―― 入来師範の言葉の力ですね。
「はい。師範からは『建武も世界大会だけずっと勝てなくて、それでも踏ん張って最終的に無差別世界チャンピオンになったから』と声をかけていただきました。稽古中に『きついな』と思っている時も、師範はいつも前向きな言葉をかけてくださるので、本当に感謝しています」
―― WFKO世界大会を経て、技術的に見直した部分はありますか。
「突きのレパートリーを増やしました。ラストのラッシュの時、胸への突きに頼りすぎると顔面殴打をしてしまう可能性があるので、それ以外の突きでもラッシュができるように取り組んできました」
―― 昨年の全日本大会は初めてファイナルへ進出しました。つかんだものもあったのではないですか。
「そうですね。優勝はできなかったですけど鈴木未紘選手との決勝戦は最終延長まで闘って、優勝できる可能性があると感じられた大会でした」
―― 絶対女王の鈴木選手とは、過去に3戦してまだ勝ちがありません。
「鈴木選手とは関東合同稽古で週に1回組手をしているんですけど、去年の全日本より強くなっているなと感じています。でも、もういい加減勝ちたいです。対戦しないことには勝てないので、何としても闘うところまで勝ち上がらなければいけないと思っています」
―― 目代選手と同じAブロックの対抗には、4強の一角である藤原桃萌選手が陣取っています。
「藤原選手とは、第13回世界大会の3位決定戦で闘っています。あの時は何とか勝つことができましたけど、そこからどんどんレベルアップしている印象を受けるので、今回対戦すればもっと厳しい闘いになると思います。でも、前回よりも差をつけて勝てるようにしたいですね」
―― 第9回JFKO、第56回全日本大会、第1回WFKOと準優勝が続いていますので、優勝に対する思いは本当に強いと思います。
「もちろんです。自分のことだけではなく、長く支えてくださっている方々に結果でお返しできていないので、優勝して恩返しがしたいですね」
もくだい・ゆうな
(東京城南川崎支部)
2002年11月7日生まれ、22歳
神奈川県出身。167㎝、63㎏
⃝第13回全世界大会3位
⃝第1回WFKO世界大会 兼
第8回全世界ウエイト制大会 軽重量級準優勝
⃝第56回全日本大会準優勝
⃝第1回JFKO国際大会軽重量級3位
⃝第8・9回JFKO全日本大会 軽重量級準優勝
⃝第1回アジアフルコンタクト大会 軽重量級優勝
第57回全日本空手道選手権大会
【開催日】2025年10月18(土)、19(日) 両日 9時開場、10時試合開始
【会場】東京体育館(JR総武線千駄ケ谷駅、大江戸線国立競技場駅)