―― 全日本大会に向けて、どのような準備をしてきましたか。
「5月のJFKO国際大会では準決勝で岡田侑己選手に敗れてしまい、本当に悔しい思いをしました。優勝を狙っていた大会だっただけに、負けた後はすぐに課題を見直しました。とくに最後のラッシュで押し切られる場面が多かったので、サンドバッグやビッグミットでの連打を増やし、迫力ある攻撃を出せるように意識してきました」
――「迫力ある攻撃」とはどのようなものでしょうか。
「ここ一番での『爆発力』です。自分は持久力には自信があるので、延長に入って消耗戦になれば、勝機はあるんです。ただ、全日本大会で上位に入るような選手は皆、ここ一番というポイントを見切って、勝負をかけてきますからね。その時に、爆発力のある攻撃をできるかどうかがカギになると思います。(渡辺)優作先輩のように、ここで勝負をかけるというポイントで会場の雰囲気を一変させるような、爆発力のある闘い。そこが自分に足りない部分であることは理解しているので、攻撃の見せ方や間合いのつくり方を工夫しながら稽古してきました」
―― 精神面で意識していることはありますか。
「昨年の全日本大会では、『勝てる』と自分に言い聞かせることで入賞できました。不安になりやすい性格ですが、ルーティンをつくり、試合前に気持ちを整えることを心掛けています。精神的に弱気になると体も動かなくなるので、勇気を持って前に出ることをつねに意識しています」
―― 無差別級の大会ならではの難しさはありますか。
「軽量級の選手との対戦は、やりにくさを感じることもあります。突きの高さやスピードが違うので、体格的に有利でも油断できません。もちろん重い階級の選手と闘う時は迫力やパワーに押されることもあるので、それぞれに合わせた準備が必要だと思います」
―― 外国人選手と対戦する可能性もあります。対策は立てていますか。
「外国人選手との対戦は、サミュエル・ハラス選手と2回闘ったことがあるだけなんです。だから同じブロックのアンジェイ・キンザースキー選手のように、身長が10㎝も高い相手は未知の存在です。事前に映像を研究し、相手の強みと弱みを把握することで不安を少なくしています。自分の得意な接近戦に持ち込めれば、勝機はあると思っています」
―― あらためて、全日本大会にかける思いを聞かせてください。
「全日本大会に初めて出場した時から少しずつ通用するようになってきて、今年は3回目です。昨年を上回る成績を目指します。一試合ごとに成長した姿を見せたいですね。爆発力と勇気を持って、全力で挑みます」
たかはし・こうすけ
(世田谷・杉並支部)
2005年4月28日生まれ、20歳
群馬県出身。183㎝、88㎏
⃝第2回JFKO国際大会重量級3位
⃝第56回全日本大会8位
第57回全日本空手道選手権大会
【開催日】2025年10月18(土)、19(日) 両日 9時開場、10時試合開始
【会場】東京体育館(JR総武線千駄ケ谷駅、大江戸線国立競技場駅)