―― 3位に入賞した昨年のJFKO全日本大会以降、躍進著しい塚本選手ですが、今年の全日本大会ではさらなる飛躍が期待されます。
「昨年のJFKO大会から全日本、今年5月のWFKO世界大会と、大きな大会で上位に入れるようになったので、自分自身が成長している実感はあります。ただ、優勝にはまだ手が届いていません。今回の全日本ではベスト4や準優勝ではなく、しっかり優勝したいです」
―― 昨年の全日本大会では、5位入賞をはたしています。
「自分は中量級なんですけど、初日から大きな選手と当たり、2日目はすべて自分より体重が10㎏以上重い相手でした。それでも片桐大也選手など、強豪に勝てたのは大きな自信になりました。技能賞をいただけたのも、自分の組手が評価された証だと思っています」
―― WFKO世界大会は、アントン・ジマレフ選手に敗れ準優勝でした。
「決勝までいけたのは収穫でしたが、やはり優勝できなかった悔しさが大きかったです。外国人選手に優勝を譲ってしまったのは日本代表として責任を感じましたし、応援してくれた方々に優勝という形で応えられなかったのは本当に悔しかったです。あの経験が、今回の全日本大会にかける強い動機づけになっています」
―― 全日本大会に向けて、どのような稽古や準備をしてきましたか。
「まず体重を増やし、フィジカルの強化に取り組みました。その上で、スピードを落とさないことですね。基礎的なトレーニング、腹筋や背筋といった土台を自分自身で見直し、しっかりと積み上げてきました。WFKO世界大会で足りないと感じた部分を、徹底して強化しました」
―― 実父である塚本徳臣師範は、全日本大会を5度制しています。親子制覇もかかることになりますね。
「幼い頃から父のスタイルを真似してきましたし、理想の空手家像でもあります。まずはその背中に近づきたいですし、その上でスピードや間合いの工夫といった自分自身の個性を加えて、自分の空手を築いていきたいです。それができれば、自ずと目標は近づいてくると思っています」
―― 世田谷・杉並支部の稽古環境についてはいかがでしょうか。
「日本代表選手や全日本のトップ選手が多く、互いに切磋琢磨できる環境は大きな強みです。さらに師範が厳しく指導してくださるので、気を緩めることなく稽古に励めています」
―― 全日本大会は、この数年の成果が発揮される舞台になりそうですね。
「自分の空手人生は、まだ始まったばかりです。全日本大会で優勝をつかんでこそ、初めて本当のスタートラインに立てると思っています。応援してくださる皆さんへの恩返しのため、そして自分自身の夢を叶えるために、必ず優勝します」
つかもと・けいじろう
(世田谷・杉並支部)
2006年2月17日生まれ、19歳
東京都出身。179㎝、82㎏
⃝第1回WFKO世界大会 兼 第8回全世界ウエイト制大会中量級準優勝
⃝第56回全日本大会5位
第57回全日本空手道選手権大会
【開催日】2025年10月18(土)、19(日) 両日 9時開場、10時試合開始
【会場】東京体育館(JR総武線千駄ケ谷駅、大江戸線国立競技場駅)