――初の日本代表となり、世界大会で闘うことになりました。まずは心境から聞かせてください。
「世界大会に出たいという夢があったので、こうして日本代表として出場できることはすごくうれしいです。でも、まさか16歳で実現するなんて思っていなかったので、正直驚いています」
――周りの反響は、かなりあったのではないですか。
「友達に『すごいね』と言われるし、会場で声をかけてもらえるようになったんでうれしいです。それと同時に、もっともっと稽古して、がんばろうと思いました」
――自覚が出てきたんですね。
「はい。ただ出るだけではダメですし、少しでも日本に貢献できるようにがんばろうと思います」
――今回の日本代表強化合宿で、いい刺激を受けたようですね。
「尊敬する先輩方と一緒に稽古ができて多くのことを学べましたし、緑代表をはじめ、総監督、監督、コーチのみなさまにご指導をしていただき感謝の気持ちでいっぱいです。合宿では自分に足りないところが見えましたし、本番までに課題をクリアして万全の準備で試合に臨みたいと思います」
――課題を発見したわけですね。
「(加藤)小也香先輩、将口(恵美)先輩をはじめ、組手がうまいトップ選手が揃っていましたので、勉強になりました。緑代表、(渡辺)大士先生からも指摘されていることですが、試合になると突きに頼ってしまうことが多いので、もっと蹴り、とくに上段への蹴りを使えるようにしたいです。あと(兼光=山田)のぞみコーチから、海外の選手は圧力が強いので、攻撃を受ける時に真っ直ぐに立たないようにアドバイスをもらいました」
――南原選手よりも背の高い海外選手は多いと思いますので、緻密な戦略と準備が大切なんですね。さすがは世界の頂点に立った兼光コーチです。
「稽古についていくので必死でしたが、世界の強豪に勝つイメージをもっと持てるように準備をしていきたいと思います」
――第2回JFKO全日本大会では中量級で初優勝しましたが、第1回大会との大きな違いはなんだったと思いますか?
「気持ちです。大士先生と一緒に世界大会出場を目指していたんですが、先生がケガで出られなくなって……。先生の分まで闘おうと思い、絶対に優勝するつもりで大会に臨みました。昨年は決勝戦に出られたことで少し安心してしまったこともありましたし、その後のアジアオープンでも準々決勝でロアンナ・ベルクフ選手に気持ちの面で負けてしまいました。だから絶対に優勝すると思い、最後まであきらめずに闘ったのがよかったのかもしれません」
――加藤千沙選手も、兄と姉の3人で世界大会出場を目指していたと思います。
「強かったです。世界大会に出たい選手は多かったと思います。その人たちの分まで日本代表の自覚を持って、あきらめないで闘います」