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キンザースキーが空手母国の王座奪取。WFKO覇者・渡辺和志を破る ピリオドは新章のはじまり

2025.12.18
新極真会ニュース

終止符は突然打たれた。最後に立っていたのは、カザフスタンからやってきたアンジェイ・キンザースキーだった。
少年のあどけなさを残す20歳は、42秒という試合タイムで歴史に残る大事件を起こしてみせた。
1969年から守り継がれてきた王座の初流出。
空手母国をついに陥落させた王者は、表情を崩すこともなく、超然とそこに立っていた。

2023年に全九州大会やKWU世界大会を制し、同年の第13回世界大会に18歳で初出場。
2024年の第1回KCCでも外国人エースと呼ばれたエヴェンタス・グザウスカスと接戦を展開した。
つまり、危険な相手であることはわかっていた。
だが、その成長速度は予想を超えていた。
世界デビューからの2年という歳月は、新星を怪物に変えていた。

四回戦で髙橋耕介、準々決勝で金岡陽大、準決勝で渡辺優作と、
日本が誇る実力者たちをすべて本戦で撃破。
勝つたびにキンザースキーは勢いを増していくように見えた。

それでも、希望はあった。
四隅のシードに陣取った軽重量級世界王者の渡辺和志がファイナルに進出していたからだ。
WFKOで欧州王者ヨナス・ロジンとの激闘を制した渡辺は、
限界を超えることで確かな自信を獲得していた。

今大会も四回戦で落合奏太を下すと、準々決勝では多田大祐に体重判定で勝利。
準決勝では岡田侑己から技有りを奪って勝ち上がった。
躍進中の世田谷・杉並支部の中でもトップランナー的な存在である今の渡辺には、
王座死守を託せる期待感があった。

自らを奮い立たせるように気合いを入れ、黒船と向き合う渡辺。
そこには23㎝の身長差があった。
攻撃するためには接近しなければならない。
だが、キンザースキーは長いリーチを活かした間合いと独特の構え、
キレ味のある蹴りによる威嚇で、まず相手から距離の自由を奪う。

見えない壁を越えて近づくと、今度はヒザ蹴りという短距離砲が待っている。
カウンターの突きも強力だ。
そうしてキンザースキーは、すべての間合いを支配した。

「見えない角度だった」と渡辺が振り返った上段ヒザ蹴りは、
中段からの連続技として自然に放たれ、
その直後、キンザースキーは倒れていく渡辺に追い打ちの突きをフォローしていた。

決勝での一本勝ちについて
自分でも驚いている
と語ると、無邪気な笑みをこぼしたキンザースキー。
驚くべきことに、この史上初の外国人王者は、
今大会の1週間前にはカザフスタンで、
1週間後にはジョージアで、
それぞれ全国規模のトーナメントを制したという。

急成長した怪物は、もはやアンストッパブル状態だ。

キンザースキーは空手界の主役になるのか。
逆襲の炎が日本を復活させるのか。
ひとつの時代の終止符が、新章のはじまりを告げた。


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