希望に満ちた2017年も慌ただしさのなかで一ヶ月が過ぎました。皆さん、年の始めには今年の目標を掲げたことと思いますが、日常の慌ただしさのなかで、ついついこの目標を見失いがちになります。常に自分自身を律していき、目標を見失わず、この一年を実り大きいものにしていきたいものです。初心忘るべからず、という心の持ち方を今一度再確認しましょう。
さて、第6回全世界ウエイト制大会の準備が本格化して参りました。先月末には世界各地区の選抜選手がほぼ出揃い、来月には主催国担当者を日本にお招きしてトーナメント編成や運営の会議を行う予定です。この世界規模の大会を運営するには並々ならぬ準備の苦労があり、加盟各国がきちんと足並みを揃えて主催者に協力する誠意を持たなければ成功しません。これから更に本格化する大会準備においては、支部長道場長の皆さんのご協力を今一度お願い申しあげます。本大会の開催を世界持ち回りとしているのは、武道空手の世界的振興を意図するだけでなく、大会開催の実務を通じてその準備の苦難を分かち合い、支え合う。そして、この経験の共有によって強固な組織形成をしていくことが狙いでもあります。私たち全員で素晴らしい大会を創っていきましょう。
本大会に出場する選手の皆さんは、これから一層稽古に熱が帯びていくことでしょう。極限まで自分自身を追い込んで、その限界を破壊して更なる高みに自分をおいていく。限界を超えようと努力をする選手の姿、その行動により周囲の仲間に努力の自覚を促し、良い影響を与えることでしょう。また、何よりいかなる苦行も喜びをもってやり切って欲しい。この明るい人間性こそが、華やかさであり、試合場で観衆を魅了する華麗さを生み出すことでしょう。こうした選手こそが必ずや世界一の座を駆け上がり、頂点を極める真の武道家となり得るでしょう。そして、この真の武道家こそが国際社会が求めるリーダーとなり、これからの世界を動かす原動力となるはずです。今大会に出場する選手の皆さんは、常に志を高くもって栄光の舞台に上がって下さい。
私たちフルコンタクト空手界を取り巻く環境も刻々と変化しています。大山総裁が逝去されて約四半世紀が過ぎようとするなか、極真各派が各々の正義を追求して出来上がってきた枠組みも少しずつ形を変えているように見受けます。こうした変化の時代だからこそ、私たちは私たち自身が成すべきことを見失わない。真っ直ぐ、真っ直ぐ。初心を忘れず、信じた道をブレることなく突き進まなければならない。そうした真っ直ぐさに人は自ずとついてきてくると信じています。
フルコンタクト空手の素晴らしさを世界に広げ、確たる存在感をもって未来に突き進んでいくことが私たち新極真会に課せられた使命です。限界をつくらず、行動による説得力をもつ。そして何より華がある。そんなリーダーシップを支部長道場長全員が発揮して、新極真会を最強最大の武道団体にしていきましょう。そして、私たち新極真会がフルコンタクト空手界を盛り上げるリーダーとなれるよう精進を重ねていきましょう。
押忍
新極真会代表
緑健児