春です。学校は新学期になり夢と希望に満ち溢れた子供たちが溌剌と街を闊歩してゆく姿を見かけます。世界の皆さんはどんな春を迎えられたでしょうか。私たちは空手家。道着に袖を通し、汗を噴かせ、気を吐く稽古を重ねていきながら常に求道精神をもった空手家で有り続けましょう。
さて、いよいよ世界ウエイト制大会の開催が間近に迫って参りました。選手の皆さんは最後の厳しい仕上げの稽古に邁進されていること思います。自分自身を厳しく追い込む段階ではどうしても怪我をするリスクが生じますが、怪我には十分に気をつけて、最高のコンディションで決戦の日を迎えてください。
先日、デンマークで開催された全ヨーロッパ大会(ヤン・ビュロウ実行委員長)に出席して参りました。この大会は、主催のデンマーク支部が発足50周年を迎える節目と重なり、大変思い出深いものとなりました。この大会には、先に述べた世界大会欧州代表の強豪選手も多数参戦しており、かなりハイレベルな戦いを見せていただきました。また、一般各階級に先んじて開催されたジュニア・ユースのトーナメントも拝見しましたが、体躯に恵まれた大型強豪新人が多数見受けられました。日本では世界に先行してユース全盛期を迎えていますが、欧州でもそうしたユース勢が一般階級に食い込み、活躍する日が近いことを予感しました。こうした欧州地区の新世代の躍進を踏まえて、世界各国の支部長道場長の皆さんにはより一層の選手育成を期待申し上げます。
この欧州大会を終え、世界大会のトーナメントがほぼ確定致します。カザフスタンの地で選手の皆さんがどんな戦いの歴史を刻んでくれるのか、いまから大会が楽しみでなりません。
その大会を支えるカザフスタン支部の皆さんは準備が大詰めで、大変多忙な日々を送られていることと拝察します。どうか世界各国の支部長道場長の皆さんは主催国へのサポートを宜しくお願い致します。世界大会を開催する困難を、少しでもみんなで分け合って行きましょう。カザフスタン支部の皆さんにはご苦労をおかけしますが、最後の準備を宜しくお願い致します。
私たち新極真会は世界最強最大のフルコンタクト空手団体として、強固な結束を根底に据えて、世界に確たる存在感を示して行かなければなりません。空手界の大同団結という時代の潮流をしっかりと見極めて船を進めて行かなければなりません。こうした潮流には、局地的な摩擦が生じることがあるかも知れませんが、大局観を持ってその流れに臨みたいと思います。しかしながら、同じ船に乗る同志、すなわち新極真会の支部長の心が最も大切です。民主合議の新極真会では、しっかりと意見や考えを戦わせ、ときにone for all、ときにall for oneの精神を上手くスイッチするバランス感覚を研ぎ澄ませて舵をきりたいと考えています。
国際スポーツ界における私たちフルコンタクト空手の未来に向かって、私たちはこの船をより大きなものにしていきながら、フルコンタクト空手の存在や団結、何より素晴らしさを世界中に発信していきたいと思います。同時にわが新極真会が、この潮流のリーダーシップを発揮するという心意気、そして大同団結を推進するための奉仕の気持ちを忘れずに日々を過ごして参りましょう。
押忍
新極真会 代表
緑健児