例年より長く続いた梅雨が明け、ようやく本格的な夏の日差しと暑さがやってきました。世界各地では、どのような今をお過ごしでしょうか。皆さまが道場に立ち、稽古で汗をかき、気合を響かせていることと思います。心身ともに健やかな瞬間の積み重なりを祈念しております。
7月は、昨年に続いてモンゴル支部を訪問しました。2度目になります。今回は、主要メンバーが昇段審査に挑むという明確な目的があり、私もモンゴルの技術力と指導力を底上げする絶好の機会であるとの期待を抱いておりました。審査の結果は見事な好成績を収めました。その結果もさることながら、そこに至る過程に感動しました。基本や移動、型。私の滞在中、何度も何度も細かい修正に食らいつき、誰一人弱音を吐くことなく最後まで努力を続けた。このような挑戦の姿勢を生徒も直に見て、尊敬の気持ちをもったことでしょう。モンゴルには無限の競技力発展の可能性を感じています。2022年にはアジア大会を開催することが決定していますが、そうした大会を軸として支部が盛り上がり、一層の成長を遂げてほしいと祈念します。滞在中は、ゴンボゲレル国代表を中心に、役員や関係者の皆さまに心のこもったおもてなしをしていただき本当にありがとうございました。
さて、第12回世界大会の出場選手の申込も締め切られ、いよいよ空手世界一を決める戦いが始まります。世界各地区・各国の威信を背負って戦いに挑む選手の皆さんは、世界各地で一日一日、一瞬一瞬の厳しい稽古を積み上げていることでしょう。私の好きな言葉に「人事を尽くして天命を待つ」があります。稽古して、稽古して、稽古して。自分ができることはすべてやり尽くした。あとは試合に臨むだけ。勝負に挑む選手には、このような境地に辿り着いて欲しいものです。選手の皆さんの頑張りに期待しています。世界大会では、競技会以外にも各種の会議、そして空手セミナーも行われます。支部長や道場長の皆さんと寝食を共にして私たちの組織の夢や未来を語り尽くし、富士山の麓で澄み切った空気と鮮やかな紅葉に囲まれて夢中で稽古をする。空手家にとって至福のときを満喫していただけるように、大会までの残された期間、精一杯準備してまいります。皆さんにお目にかかれるのをとても楽しみにしています。
最後になりますが、日本では8月3日・4日の二日間にカラテドリームフェスティバル2019全国大会を開催します。国内大会としては史上最高の2,528名が参加する世界最大のフルコンタクト空手大会。幼年から壮年、初級から上級。型と組手、団体型も。147階級に分かれて、参加者が各々の空手ドリームを追いかける青春の舞台。試合場も12か所、審判員も120名を超えます。フルコンタクト空手を愛好する方々の層が厚くなり、仲間の輪の広がりを実感します。このドリームフェスティバルは、来年国際大会となりますので、ぜひ多くの方々の参加をお待ちしています。
大会は本当に人を育てるものです。裏方として大会を準備する方も試合に挑戦する方も。世界各地で様々な大会がたくさん開催されていることと思います。どうか、フルコンタクト空手を修行される皆さんには、身近な大会で結構ですので、ぜひ挑戦して、その挑戦によって自分自身を成長させて欲しいと願います。押忍
新極真会
代表 緑健児