日本では例年より早く梅雨が明け、本格的な夏を迎えました。連日暑い日々が続いていて、稽古ではいつも汗びっしょりとなります。世界中の皆さんはどのような今を迎えられているでしょうか。
新極真会では第7回全世界ウエイト制大会への準備が本格化しています。6月17日に主催国であるポーランドからレミギュシユ・カラピンスキー師範とボクダン・ルボス師範をお迎えして、新極真会役員と共にトーナメント編成会議を行ないました。2020年1月にベルギーで開催されたEFKOヨーロッパ大会、2月のグアムセミナーを最後にして途絶えていた海外支部長方との交流が約2年半ぶりに再開しました。これまで、リモート会議では何度かお目にかかっていた皆さんとの直接の対話は感動的でした。特に、本大会の主催者として、コロナ禍による2度の延期やウクライナ情勢の悪化など様々な困難を乗り越えて東京に辿り着いた師範方の姿を目にした瞬間、言葉にならない喜びが全身を駆け巡りました。多くの苦難を乗り越えて、本大会の実現に向けて絶対に諦めない心で立ち向かってくれていることに心から尊敬と感謝を申し上げます。
さて、そうした想いを抱きながら、トーナメント編成に移りました。こちらは2019年の第12回全世界大会以来3年ぶりの世界決戦です。コロナ禍に負けず稽古を積み上げてきた世界中の選手の想いが詰まった名札を白紙のトーナメント表に定めていくという、とても厳かな作業、いや儀式のような時間となりました。これまでの戦績を踏まえた公正なシードランクの設定、各地区に配分された出場枠と各地区の優先順の考慮、さらには選手不在地区からの繰り戻しと割り当て、リザーブ選手の繰り上げなど。実に綿密な作業によってトーナメントが編成されていきました。その後も全体を俯瞰したバランス検証を重ねて仕上がっていきます。この厳かな時間は、一日一日、一瞬一瞬の稽古を愚直に積み重ねてきた選手の頑張りに対する尊敬の表現です。高らかに発表を迎えた世界一への道筋、コロナ禍や国際社会の激変などと闘いながら歩むその道は、これまでの大会とは違った景色となるでしょう。選手ひとりひとりの想い、支えてくれた家族や仲間の願い、大会に出たくても出られない同志たちの祈り。辛苦を乗り越えて開催に挑む主催者の誇り。選手の皆さんには、そうしたすべてを背負って、最高の戦いを見せてほしいと思います。もう少しで皆さんに会える。選手の皆さんは、その日まで世界中の誰よりも稽古して、世界一を目指してください。
日本では、7月23日、24日に「ドリームフェスティバル2022全国大会」を開催します。本大会は幼年から壮年までの全世代、初心者から熟練者までの全階層、組手と型、それも個人と団体という全種目。全方位に向けて開かれた戦いの舞台は、のべ3,000名を超える選手がエントリーするメガイベントとなりました。日本発世界にこのような大会を開くことで、そこで戦う選手の頑張りをオンラインで届けることで、世界中の空手家に勇気と元気を感じて欲しいと思います。本大会は2024年に国際大会となる予定ですので、その時に世界中からのご参加をお待ちしています。
国際社会の情勢は日々混沌としています。コロナ禍やウクライナ情勢の長期化、その国際紛争はウクライナだけではなく、アフガニスタンなどでも混乱が続いています。同国のアバシン・シンワリ支部長からもその苦闘が伝えられています。世界に一日も早く平和な日が戻ってくることを祈っています。また、SNSを通じて拝見する各国各地の選手の稽古風景。言葉にできない苦悩を耐え忍び、黙々と稽古する姿から心の声が届いてきます。何があっても、私たちは仲間です。どんなときでも、お互いに思いやる。そんな強くて優しい人間となり、それぞれの人生の勝利者となっていきましょう。押忍
新極真会
代表 緑健児