いよいよ「第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会」が東京・有明アリーナにて開催されます。この歴史的な大会を目前に控え、日々のご尽力により世界各地で道場を支え、選手を育ててこられた皆さまに、心より深く敬意を表し、感謝申し上げます。
新型コロナウイルスの困難な時期にも道場の灯を絶やさず、武道としての誇りと責任を貫いてこられたこと、それが今大会の実現を支える真の力となりました。
本大会は、WFKOという国際競技連盟の旗のもとに、全世界の流派団体が結集し、ともに未来を創る第一歩です。そのなかで、新極真会は組織としての一体感と長年にわたる鍛錬の積み重ねによって、全体を静かに、しかし力強く支えてまいりました。私たちがフルコンタクト空手の大同団結を率先して奉仕してきたという自負は、“押して忍ぶ、という押忍の精神をもってその真価が表れます。
私たちの役目は、こうした誇りを内に秘めつつ、流派や地域を超えて空手界全体の未来を支えること。それこそが、新極真会が今、担うべき当代の責務であると考えています。
今大会では、各国・各地域の代表選手が、ナショナルプライドを胸に世界の頂点を目指して競い合います。その中にあって、私たち新極真会の選手たちは、国を代表しながら、同時にこの道で育まれた団体としての誇りと絆も背負って戦います。その重層化する誇りが、選手たちにさらなる強さと品格を与えてくれると信じています。
どうか世界中の新極真会の仲間たちが心をひとつにし、選手たちを支えてください。
そして、選手の皆さんは、全階級制覇を視野に入れ、最後の稽古を万全に仕上げ、力強くこの大舞台に臨んでください。
今大会で見せる皆さんの姿は、新極真会の理念と鍛錬の成果であり、同時に世界中の空手家に希望と刺激を与えるものとなります。本大会に併催する形で第2回国際選手権や第1回国際シニア選手権が開催されます。こちらに出場選手の皆さんも、世界選手権同様に自国の誇り、新極真会の誇りをもって戦いの舞台に挑んでください。
皆さんの挑戦が、空手界の未来を照らす光となることを、心から願っております。
ともに、押して忍び、誠を尽くし、新たな時代の礎を築いてまいりましょう。
最後になりますが、先日、ウルグアイのセバスチャン・スタルラッタ支部長急逝の報が届きました。スカルラッタ支部長はこれまで同国、いや南米を代表する強豪選手として名を馳せ、昨年11月には生涯現役を貫くように南米フルコンタクト空手道選手権大会に出場して重量級で三位の好成績を収めておりました。あまりにも若い、突然の訃報に言葉を失いました。今は、同国代表のエドゥアルド・ガルシア師範をはじめ、他の支部長や指導者、門弟の皆さま。何より、ご家族の皆さま心から哀悼の意を表し、スカルラッタ支部長が安らかにお休みになられることを心から祈念いたします。
大切な同志を失う悲しみはとても大きなものですが、私たちは日々の稽古や武道空手の普及活動に注力し、スカルラッタ支部長の分も精進してまいりましょう。
押忍
WKO会長 緑 健児