MENUCLOSE
OSU-NET お問い合わせ
ニュース
新極真会ニュース
ホーム > ニュース > ニュース > 新極真会ニュース > 記念すべき20周年の節目 ユース出身の世界王者19名が富士の麓に凱旋:ユース・ジャパン強化合宿2025

記念すべき20周年の節目 ユース出身の世界王者19名が富士の麓に凱旋:ユース・ジャパン強化合宿2025

2025.11.16
新極真会ニュース

11月14日~16日、ユース・ジャパン強化合宿2025が山梨県・富士緑の休暇村で開催された。記念すべきユース創設20周年に実施された本合宿には、450名近い選手が参加。過去最多の参加者が富士の麓に集結した。ユースからは過去22名の世界チャンピオンが誕生しており、今回はそのうち19名がコーチや選手として合宿に凱旋。輝く未来に向けて指導や稽古を行なった。

全日本大会2大会連続ベスト8の塚本慶次郎と、史上最年少のグランドスラム達成者であり、全日本大会3連覇中の鈴木未紘が組手主将を務め、ともに第57回全日本大会で優勝を飾った角野将太と星芽里は、型主将として選手たちをリードした。

【初日】
合宿所への移動中に起きた事故渋滞の影響で、予定より遅れて合宿がスタート。結団式の冒頭で緑健児代表が挨拶を行ない、「今回、20周年ということでユース出身の世界チャンピオンが集まってみんなに指導してくれます。合宿ではつらい時もありますが、つらくてきつい稽古の中でこそ強くなっていきます。元気よく、力強くがんばっていきましょう」と選手たちにエールを送った。

続いて三好一男副代表が登壇し、「強く優しく、マナーも素晴らしいのが新極真会の選手です。これから23日一生懸命稽古して、食事も好き嫌いせずにしっかり食べて、健康で強くなって帰るのが家族への一番のお土産になると思います。この合宿で自分を磨いて、将来は世界チャンピオン、全日本チャンピオンになってほしいと願っていますのでがんばってください」と合宿に臨むユースたちを鼓舞した。

合宿で指導を務める選手強化委員、コーチ、オブザーバーが紹介されたのち、主将4人が壇上へ。代表して塚本にユース・ジャパンのワッペン、角野にTシャツが授与された。

その後はユース特別賞が発表され、第57回全日本大会で入賞、第1WFKO世界大会および第2JFKO国際大会で優勝をはたした面々に記念の盾を贈呈。鈴木、塚本、漢鈴那、山中咲和、澤井ナノ、大坪星太、伊藤煌彩、角野、星が一枚の写真に収まった(北嶋治将は仕事の都合で2日目から合宿参加のため登壇せず)。

選手強化副委員長の奥村幸一師範は稽古に先立ち、「今まで、ユース出身の世界チャンピオンが22名生まれました。今回は19名の世界チャンピオンが忙しい中で合宿に来てくれました。心して3日間指導を受けてください。3日間、自分が次の日本代表になるという気概を持ってこのユース合宿に臨んで下さい」と選手たちに気合いを注入した。

稽古が幕を開けた。「空手の命は組手にあり。組手の命は基本にあり」と緑代表が檄を飛ばすと空気が一段と引き締まり、基本稽古がスタート。エネルギーに満ちた声が休暇村体育館に響いた。

基本稽古の後は魂を込め、上段廻し蹴り200本を蹴り上げた。緑代表は「ここできついからと中段を蹴っているようでは、世界は獲れません。苦しい時こそ気迫を出して、楽しんで取り組んだほうが上達します」と発破をかけ、各々が全力で200本を完遂した。

合宿開始が遅れた関係で初日の稽古はここまでとなった。年代、男女ごと各グループに分かれてメンバーの確認、コーチから稽古に向けての心得などが語られ、初日の稽古が終了した。

夕食の後は休暇村体育館で、世界チャンピオン交流会が行なわれた。ユース・ジャパンや新極真会の歴史を振り返る映像が上映されたのち、奥村師範がユース第1期主将である島本一二三コーチを紹介。島本コーチが本合宿に参加したユース出身のチャンピオン17名(島本雄二、将口恵美、緑朱里、入来建武、鈴木未紘、山本小也香、𠮷澤穂高、宇都宮美咲、冨村日花、石原凜々、澤井天心、渡辺和志、漢鈴那、網川来夢、岡田侑己、緑強志、田中利奈敬称略)を紹介し、全員が登壇。ひとりずつユースや後輩への思いを語った。なお、同じくコーチを務める前田勝汰と飯野駿は仕事の兼ね合いで2日目からの参加のため、ここでは登壇しなかった。

その後は世界チャンピオンとの交流の時間が設けられ、各々があこがれの選手と記念撮影を行なったり、サインを求めたりするなど微笑ましい時間を過ごし、合宿初日が終了した。

2日目】
合宿2日目は、組手U-19U-15選抜選手のみが参加する早朝稽古から幕を開けた。ランニングで体を温め、2人組でしっかりとストレッチを行なったのち、チーム対抗でダッシュ、両足ジャンプ、くま歩き、タランチュラなどのメニューを実施。各種目で最下位のチームには拳立て10回が課せられた。

朝食後にはグラウンドでグループ別のタイムレースが行なわれ、グループごとに1位、2位が決定した。なお、1回目は2周、2回目は1周でタイムを争った。

その後はグループごとの短距離走に移行し、1位になった選手は前に出て記念撮影を行なった。代表して高校3年生・一般男子1位の古庄正樹が今後の稽古への意気込みを語り、選手たちを鼓舞した。

午後稽古も年代別の各グループに分かれて行なわれた。なお、推薦を受けた選手は自分よりひとつ上の学年の稽古へ飛び級での参加が許可された。

武道場で実施されたU-19、高校一般男女の稽古では、澤井コーチがセミナーを行ない、密着状態からのスペースのつくり方と、そこから攻撃に転じるテクニックなどを指導した。

組手を挟んだのちに入来コーチのセミナーへ移行。入来コーチは下段蹴りの蹴り分けについて伝授。足の甲やスネなど、具体的にどの部位で蹴るのかを意識し、使い分けられるようにすることの重要性を伝えた。

ふたたび組手を挟み、島本雄二支部長がセミナーを担当。島本支部長は、足運びや外受けを使ったディフェンスと攻撃へのつなぎを指導し、オフェンスに意識を全集中させるのではなく、守りから攻撃へ転じることの重要性を説いた。なお、各セミナーの最中には2人組での実戦形式で技術を落とし込んだ。そこから組手を終えたのちは、気合いを込めてユースサーキットを完遂した。

村営体育館では中学生の稽古が男女に分かれて実施された。男子の技術セミナーでは前田コーチが、自分より上の階級の選手からも先手を取れるよう、至近距離でのサイドステップから攻撃へのつなぎ方などを伝授した。

岡田コーチは、バックステップや回り込みからの蹴りへのつなぎを伝授。相手のスピードに合わせたステップの選択や、攻勢に出る際の攻撃のバリエーションなどを伝えた。

吉澤コーチは重心移動を利用したテクニックを伝授。打ち合いの最中で間合いをつくりつつ、パワーの発揮できるポジションを確保し、攻撃に転じる技術を教えた。

女子は山本コーチが、打ち合いの中での前足を使ったヒザ蹴りを伝授し、選手たちは熱心に技術を習得しようと励んだ。

石原コーチは前足での前蹴りのテクニックを伝え、実戦組手の最中もアドバイスを送るなど、しっかりと技術を伝えていった。

網川コーチは接近戦で活きる、ヒザ蹴りから前蹴りへのコンビネーションを伝授。世界大会を勝ち抜いたテクニックを惜しみなく後進に伝えた。

セミナーの途中で2人組での実践、複数ラウンドでの組手稽古も実施され、最後はユースサーキットを実施。元気いっぱいに2日目のラストを走り抜けた。

休暇村体育館では小学5年生、小学6年生の稽古が行なわれた。基本稽古を行なったのち、男女、学年、階級別にグループを分けて組手稽古を実施した。

技術セミナーでは、渡辺コーチが下段廻し蹴りに対する下突きでのカウンターと、そこからのフォローを伝授。さらにスネで蹴る下段廻し蹴りのコツもレクチャーした。

続いて石原延師範が陣頭指揮を取り、同階級の選手で31組をつくり、審判役を1人設けての組手稽古が行なわれた。審判役は技有りや反則の有無を含めて勝敗を判定し、客観性を養った。グループ内で役割を入れ替えつつ1分半×3セット行なったのち、休憩を挟んで3人組を組み直し、1分半×3セット実施した。

冨村コーチのセミナーでは、相手の腹に突き刺して効かせるヒザ蹴りを伝授。3つのポイントを伝え、応用としてヒザ蹴りの連打もレクチャーした。

ふたたび組手を経て、谷川光師範の指揮のもとサーキットトレーニングが行なわれた。初めてサーキットに臨む選手も多かったため、谷川師範が経験者を壇上に上げ、お手本を見せて説明しつつ行なった。

型の稽古はグラウンドからスタート。藤原康晴師範、外舘慎一師範、渡邊大士コーチの指導のもと、各々が型を研ぎ澄ませた。グラウンドでは全体で平安1を号令ありで実施。立ち方、姿勢など細部まで確認し、室内ホールへ移動した。

室内では小学生、中学生、高校生の3グループに分かれて稽古が行なわれた。小学生は平安14、最破、突きの型。中学生は平安45、突きの型、撃塞小。高校生は撃塞小、撃塞大、征遠鎮、十八、観空を行ない、最後はユースサーキットで締めくくった。

夕食前には、休暇村体育館に移動。仕事の兼ね合いで途中参加となった、前田コーチと飯野コーチからユースへの思いや後輩へのメッセージが語られたのち、緑代表が講話を行なった。緑代表は心構えの大切さや、2年後の第14回世界大会に向けた思い、新極真会の伝統などについて語りつつ、交通事故で左足を切断する重傷を負ってなお復帰し、全日本大会で演武を披露した木元正資師範への尊敬の念、継続の重要性などを伝えた。

夕食では藤原師範が「今は全日本、そして世界チャンピオンもユースの中から出ております。ぜひ今日Aランク、特Aランクで来ている子だけでなく、Bランクで来ている子も将来は自分がA、特Aになるんだという気持ちで稽古を続けてもらいたいと思います。明日また午前中に稽古がありますので、気を抜かずに精一杯がんばってください」と挨拶を行ない、合宿の打ち上げが行なわれた。

食事の最中には前田コーチ、山本コーチが司会となり、タイムレースの表彰が行なわれた。その後はユース第1期キャプテンの島本コーチよりユース第20期卒業生(2005年度生まれ)が紹介され、塚本慶次郎、山中咲和、伊藤煌彩、遠田竜司、山地悠斗、北嶋治将、山木隼斗、佐藤篤樹、髙橋耕介、鈴木未紘がそれぞれユースへの思いを語った。

夕食の最後に奥村師範は「みなさんには自分の原点をこのユース合宿でつくってほしいと思います。その原点になるエネルギーが緑代表や三好副代表、歴代世界チャンピオンの言葉や姿だと思います。みなさんが今後はオールジャパンのワッペンをつけて、今回先輩方がユース合宿に帰ってきたように、コーチとして指導しに帰ってきてほしいと思います」と自身の経験をふまえて選手たちに熱いメッセージを送り、合宿2日目が終了した。

【最終日】
合宿最終日は早朝稽古からスタート。2日目同様ランメニューを行なった。朝食を挟み、合宿の締めくくりとなる午前稽古を組手と型で2箇所に分かれて実施した。

組手では緑代表が「最後の力を振り絞ってがんばっていきましょう」と檄を飛ばし、気合いのこもった基本稽古が行なわれた。

続いては、上段回し蹴り100本を実施し、緑代表からの「70本くらいできつくなっても100本やりきることを自分に課してください。自分との闘いです。しっかり蹴り続けましょう」という激励を胸に完遂した。


そこから高校生・一般、中学生、小学生の3グループで男女階級別に分かれて組手を実施。各々が3日間培ってきた力を出し切り、お互いを高め合った。

型の稽古では、2日目に引き続き藤原師範、外舘師範、渡邊コーチが指導を担当。小学56年生、中学生、高校生・一般の3グループで型を磨いた。小学生が平安25と突きの型。中学生は撃塞大、撃塞小、最破、十八。高校生は観空と五十四歩を稽古した。これらは号令あり、なしでそれぞれ実施され、号令ありでは時折動作を止めつつ、立ち方や細かな動作までしっかりと確認した。

緑代表、三好副代表が稽古に訪れた際には、選手たちが型を披露。小学生が突きの型、中学生は十八、高校生は五十四歩と、磨き上げた演技をしっかりと見せた。型を発表したのちにユースサーキットを行ない、型の稽古も終了した。

その後は全員が休暇村体育館に集合。気合いを込めて正拳中段突き10本を行ない、締めは全力を出し切ってサーキットトレーニングを完遂。3日間の濃密な稽古を締めくくった。

解散式では緑代表が登壇し、「ユース20周年の合宿ということで、一生の思い出になったと思います。コーチ陣はみんなを強くしたいという思いで指導にあたってくれました。型の選手のみなさんも素晴らしい型を見せてくれました。2年後には第14回世界大会が開催されますが、一日一日、一瞬一瞬を大切にし、皆さんの代で海外に王座が流出することのないようにがんばっていきましょう。皆さんから私もパワーや勇気をもらいました」と選手たちにメッセージを送った。

三好副代表は「来た時のみなさんを見た時とは違って、やり切った清々しい表情を見ることができてうれしいです。空手家は強く優しく、思いやりがなければいけません。みなさんの左胸にある新極真会の4文字にかけてがんばってもらいたいです。我々も20年間合宿を行なってきましたが、これからの20年は皆さんが主役です。世界大会で絶対に王座を渡さないように。ユースの先輩方の後を追って、道場に帰ってもここで学んだことを来られなかった人に伝えてください。がんばってください」と激励の言葉をかけた。

その後は組手・型男女キャプテンが登壇し、それぞれが関係各位への感謝や思いを語った。

「今回はこのような素晴らしい合宿を開いて下さりありがとうございました。全日本大会では男子が唯一海外の選手に王座を獲られてしまいました。必ず日本代表選手団が王座を奪還し、そしてこのユース合宿を通じて学んだことを活かして今後も精進していきたいと思います」(塚本)

「合宿開催にあたりご尽力いただきましたすべてのみなさま、ありがとうございました。20周年という大切なタイミングで主将をさせていただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今後、すべての大会で新極真会が上位を独占して、恩返しできるようにこれからもがんばっていきます。3日間ありがとうございました」(鈴木)

20周年の節目にもう一度型の主将としてやらせていただき本当にありがとうございます。ユース合宿で学んだ貴重な経験を活かし、道場に帰ってからも自分たちで取り組みを続けていきたいと思います。3日間ありがとうございました」(角野)

「ユース合宿を開催してくださりありがとうございました。世界チャンピオンの皆さまと交流できる機会もいただき、伝統を私たちユース世代が引き継ぐことの大切さをあらためて感じました。23日ありがとうございました」(星)

続けて、20周年を記念して選手強化委員長である三好副代表に将口コーチ、石原コーチ、山中から花束が贈呈され、代表して将口コーチが「こうして長く歴史ある合宿となり、そこからたくさんの世界チャンピオンが誕生できたのは、緑代表をはじめ三好総監督、奥村監督、コーチのみなさまが情熱をもって指導してくださったおかげだと思っています。本当にいつもありがとうございます。伝統継承を合言葉に必ず結果で恩返しをしますので、これからもよろしくお願いします」と感謝を伝えた。

感謝と未来への希望に満ちた閉会式を終え、歴史的な節目を迎えたユース合宿が閉幕した。


新極真会について 新極真会で心極める
新極真会への入会者募集中 入会希望者の方へ