7月19日~20日の2日間にわたり、京王アリーナTOKYO(武蔵野の森総合スポーツプラザ)で、カラテドリームフェスティバル2025全国大会が開催された。今大会は全国大会史上最多となる組手・型のべ3,273名がエントリーし、222部門に分かれて覇を競う。また、小学生、中学生、高校生の全日本選手権組手は全国で開催されてきた選抜戦で権利をつかんだ選手のみが出場できる選抜制が導入され、それにともない組手中級、組手初級、型初級からなる「新極真カラテ全国錬成トーナメント」が新設された。大会最終日となった7月20日は1G~4Gの4グループにて、全日本選手権の幼年、小学生、中学生、高校生、学生男子、U25女子の各部門で熱戦が繰り広げられた。
4Gでは幼年から小学4年生までの試合が行なわれた。小学3年生女子重量級の決勝では、小原みつきが吉谷杏樹から上段横蹴りで技有りを奪い、本戦5-0で優勝。幼年から負けなしの4連覇を達成した。
小学4年生女子重量級決勝は、森本千愛が延長4-1で杉浦初依に勝利。接戦を勝ち切る強さを見せて3連覇を成し遂げた。
ドリーム、青少年大会ともに活躍を見せている玉浦海輝は、小学3年生男子中量級の決勝で吉田守禮と激突。技有りを獲得したこともあり、本戦5-0の快勝で2連覇をはたし、通算優勝回数を3に伸ばした。
その他、小学4年生男子重量級を制した井蒼介、小学2年生女子重量級で優勝を飾った河野恋珂、小学1年生男子軽量級優勝の佐々木暖、小学1年生女子重量級の頂点に立った内田晴が2連覇をはたした。
小学5年生から中学1年生までの各階級は5Gにて試合が行なわれた。
小学5年生男子中量級には、6連覇を狙う工藤丈誠が出場。初戦から接近戦に持ち込んでの突きの連打、鋭いヒザ蹴り、下段蹴りなどが光る。決勝では本戦5-0で鬼頭宗佑を破り、文句なしの連覇記録を打ち立てた。
小学5年生男子軽量級で優勝をはたしたのは山本楓真。決勝では森本瑞稀と対峙し、左右の突きと上段への蹴りを軸に安定した攻防を展開。上段廻し蹴りが有効に決まるシーンも見られ、延長4-1でドリーム5連覇をはたした。
小学6年生男子重量級に挑んだ緑晴は決勝で前川憲吾と対峙。激しい打ち合いが展開される中、終盤に緑が突きとヒザで一気に前に出ると、本戦4-0で勝利。3連覇を飾るとともに、通算優勝回数を4に伸ばした。
小学5年生男子重量級の決勝では、金澤迅と本村武蔵が火花を散らした。左右の強烈な突きを軸に圧力をかけ続けた金澤が、本村を制して3連覇を達成した。
山下颯太朗と小江凜太郎による熱戦が繰り広げられた小学6年生男子中量級。実力伯仲の試合を制した山下が2連覇を達成し、3度目のドリーム優勝を飾った。
木塚康之祐との決勝戦に臨んだ浅沼天が意地を見せ、小学6年生男子軽量級の優勝をゲット。本戦5-0で2連覇をはたし、真夏の祭典の王座戴冠は3度目となった。
昨年の初優勝から飛躍し、連覇を飾る選手も多く生まれた。中学1年生女子重量級の鈴木心優梨、小学5年生女子軽量級の福井紅彩、中学1年生男子軽重量級の多野龍心が栄誉ある連覇者となった。
メガスケールで行なわれる熱戦の最中、お笑いコンビの囲碁将棋(文田大介さん、根建太一さん)が会場を訪れ、緑健児代表と記念撮影を行なった。選手たちに向けて手を振るなど、頂点を目指して闘う少年少女たちにエールを送った。
5Gのお昼に実施された一斉休憩では、5月31日-6月1日の第1回WFKO世界大会に挑んだ日本代表16名がステージに登壇。同大会で優勝をはたした渡辺和志、澤井天心、網川来夢、漢鈴那が代表してインタビューを受け、大会を振り返りつつ思いを語った。
その後は阪本晋治支部長、野上利幸支部長、多田修一郎支部長が登壇すると、スクリーンにてPVの上映が始まった。2025大阪関西万博で9月29日(月)に大演武会の実施を予定していることが発表され、演武の実施が実現した経緯や取り組みへの思いなどが語られた。
続く6Gでは高校生、学生男子、U25女子の各階級で熱戦が繰り広げられた。
大きな注目を集めたのは、先日の第2回JFKO国際大会(5月31日~6月1日)で一般部全国デビューにして軽中量級の準優勝を飾った村田哲成だ。今回はドリーム7連覇の偉業達成に向け高校生男子軽重量級へ出陣すると、初戦は三日月蹴りと下突きをボディに集中させ、しっかりと効かせる組手で幸先の良いスタートを切る。トーナメントを駆け上がり、迎えた決勝では前回大会準Vの金乙道輝に上段前蹴り2回で合わせ一本を獲得。圧巻の内容で連覇記録を更新した。
中学3年生女子重量級に挑んだ鈴木成実は、決勝でライバル・緑絢音と激突。果敢に距離を詰めてくる緑を攻めあぐね、本戦は0-0で引き分けに。延長でも得意の上段横蹴りを封じられ苦しい展開となるも、接近戦で繰り出した突きや下段蹴りが有効にヒット。緑に注意2が課せられたこともあり鈴木が優勢となり、我慢比べを制して延長5-0でドリーム3連覇、通算9度目の優勝を飾った。
3連覇を目指して中学3年生男子軽重量級に挑んだ山根晴は、決勝で秋葉竜之介と対峙。本戦は1-0と甲乙つけがたい展開となったが、延長で技有りを奪取した山根が判定5-0でドリームV3を成し遂げた。
第2回JFKO国際大会の軽量級で優勝をはたし、大きなインパクトを残した大坪星太は、ドリーム初優勝を誓い今大会に出場。高校生男子軽中量級の決勝では廣瀬悠真を相手に上段廻し蹴りで技有りを獲得し、本戦5-0で優勝。過去、4度の準優勝と遠かった真夏の祭典の頂点に立つことに成功した。
15歳にして第2回JFKO国際大会軽量級ファイナリストとなった河村奈々は、高校生女子軽量級の決勝で長瀬花恩と対峙。初戦から3戦を闘ってきたダメージを感じさせない組手で勝利を飾り、見事にドリーム2連覇を成し遂げた。
高校生女子重量級の決勝では、勝谷梨生と岩口紗藍が激突した。長身を活かしたヒザ蹴りで攻め込んだ勝谷が、本戦序盤に技有りを獲得。本戦5-0でドリーム2連覇、5度目の優勝をはたした。
初の連覇を達成した選手もいれば、通算での優勝回数を伸ばした選手もいる。中学3年生男子重量級の古谷侑大、中学3年生男子軽量級の星椋太、中学2年生男子重量級の可知来生、高校生男子軽量級の長坂子龍は初の2連覇を達成した。
北嶋儀道は高校生男子重量級の決勝で藤森玄毅を本戦5-0で下し、通算優勝回数を4回に更新。岡本東真は中学2年生男子中量級で米田壮志を破り、4度目の優勝をはたした。
なお、中学2年生女子軽量級を制した川中杏莉良、中学3年生男子中量級で優勝を飾った渡颯羅は2度目の王座戴冠となった。
学生男子軽量級では、岩崎匠真(岩崎空手)の攻撃が中山星音(桜塾)のノドにヒットしてしまい、中山が試合続行不可能に。岩崎の反則失格により、中山が優勝を飾った。
学生男子中量級は山木隼斗と古矢聖人が決勝で激突し、熱戦を制した山木が本戦5-0で優勝をはたした。
学生男子重量級の決勝では、佐藤篤樹と中島健心が火花を散らした。中島が本戦5-0で勝利し、通算7度目となるドリーム制覇を成し遂げた。
U25女子19歳以上25歳未満軽量級では、島田千穂と梅澤彩音が決勝で対峙した。梅澤が本戦5-0で勝利を引き寄せ、通算4度目のドリーム優勝を手中に収めた。
U25女子19歳以上25歳未満重量級決勝では、渡辺愛梨と戸川夕渚が激突。戸川が本戦3-0で勝利した。
選抜戦導入後初のドリームフェスティバルとなった今大会。次なるステージに突入した真夏の祭典は、今後も多くのドラマを生んでいくことだろう。