第49回全日本大会・決勝日結果


第49回全日本大会・決勝日結果

【入賞者】

男子
優 勝 島本雄二(広島支部)
準優勝 入来建武(東京城南川崎支部)
第3位 前田勝汰(和歌山支部)
第4位 加藤大喜(愛知山本道場)
第5位 マシエ・マズール(ポーランド支部)
第6位 山本和也(東京東支部)
第7位 江口雄智(福岡支部)
第8位 湯川智仁(群馬支部)
敢闘賞 島本一二三(広島支部)
技能賞 山本和也(東京東支部)
試割賞 島本一二三(広島支部) 19枚

女子
優 勝 南原朱里(福岡支部)
準優勝 久保田千尋(久保田道場)
第3位 荒木千咲(福岡支部)
第4位 将口美希(愛知山本道場)
敢闘賞 藤原桃萌(福岡支部)
技能賞 手島海咲(神奈川東横浜支部)

10月14日~15日の2日間にわたり、第49回全日本空手道選手権大会が聖地・東京体育館で開催された。無差別級の日本一を争う今大会には、男子104名、女子39名がエントリー。今年7月の第6回全世界ウエイト制大会を制した6名の日本人チャンピオンを始め、海外や他流派からも強豪が集結した。大会決勝日となった15日の模様をお届けする。

【男子三回戦】

 男子は三回戦からスタートした。優勝候補の入来建武、島本雄二、前田勝汰、加藤大喜は揃って勝利を収めたが、第6回全世界ウエイト制軽量級チャンピオンの岡﨑陽孝は緑武士の突き連打に守勢となる場面が見られ、本戦0-4で敗北。初日に山田一仁を破る大金星を挙げた後迫龍輝は山崎隆司の上段ヒザ蹴りで技有りを奪われ、ここで姿を消した。三回戦屈指の注目カードだった白蓮会館・福地勇人と島本一二三の一戦は、島本が打ち合いを制し、判定3-0で四回戦進出。その他、第6回全世界ウエイト制日本代表の河瀬俊作、𠮷澤穂高、三上和久、飯野駿、岡田侑己、緑強志が三回戦で涙をのんだ。

【男子四回戦】

 試割りの後は四回戦の8試合が行なわれた。島本雄二は開始直後から突きで前進して緑武士を圧倒する。島本優勢で試合が進んだ1分過ぎ、島本が上段ヒザ蹴りをクリーンヒットさせて一本勝ち。ベスト8一番乗りをはたした。
 山本和也と前田優輝の好カードは、スピード感あふれる蹴り合いとなった。だが、接近戦となった際に前田が体をつけての攻撃ふたつで減点1を取られ、山本が勝利を収めた。
 マシエ・マズールと山崎隆司の一戦は、両手を上げたマズールが接近戦ではヒジおろし打ち、中間距離では左右のカギ突きや中段廻し蹴りで山崎を攻め立てる。内廻し蹴りで技有りを奪ったマズールが完勝。
 加藤大喜は1992年生まれの同級生・亀山真に対し、距離を取りながら前蹴り、ヒザ、内股でヒット&アウェー戦法をとる。終盤は回り込んで突きと下段でラッシュをかけ、ベスト8入りを決めた。
 前田勝汰と越智純貴の一戦は、開始直後から激しい突きの打ち合いとなった。左右の突きを脇腹に連打した前田が次第に優勢となり、越智をコート際まで追い詰める。その後も突きを乱れ打った前田が本戦5-0で完勝を収めた。
 二回戦、三回戦ともに一本勝ちを収めて勝ち上がった落合光星は、足を使って攻撃を仕掛ける江口雄智をジリジリと追い詰めていく。だが、突きが江口の顔面に入ってしまい、序盤の顔面殴打と合わせて痛恨の減点1。江口が準々決勝行きを決めた。
 三回戦で緑強志から上段廻し蹴りで一本勝ちを収めた湯川智仁は、左右に動きながら突きや下段ヒザ蹴り、中段ヒザ蹴りで清水翔希を攻め立てる。清水は突きとヒザで圧力をかけていくが、手数で上回った湯川が本戦5-0で勝利。
 入来建武は島本一二三との四回戦に臨んだ。入来の突きや下段蹴りに攻撃に島本が応戦し、本戦では決着がつかず。延長戦終盤、入来が左右の突きから下段廻し蹴りでラッシュをかけ、判定5-0で島本を振り切った。

【男子準々決勝】

 準々決勝第1試合は、2014年の第1回JFKO全日本大会重量級決勝戦以来、3年半ぶりに島本雄二と山本和也が激突。山本の外廻し蹴りが島本の頭部をかすめる場面もあったが、終盤に突き、ヒザ蹴り、前蹴りと手数で上回った島本が準決勝行きを決めた。
加藤大喜は体格で上回るマシエ・マズールに対し、ヒット&アウェーで突きと内股蹴りをヒットさせて翻弄する。その後も回り込みからの突きやヒザで攻勢に出た加藤が、本戦3-0で勝利を収めた。
 前田勝汰は四回戦までと同じように突きの連打で圧力をかけ、試合の主導権を握った。江口の押しふたつによる減点1も重なり、前田が本戦5-0で完勝。昨年に続きベスト4入りをはたした。
 入来建武と湯川智仁の試合は突きと下段蹴りの打ち合いとなった。終盤に入来のエンジンが点火し、突きと右の下段廻し蹴りでラッシュをかける。そのまま本戦5-0で新鋭を退けた。この結果により、男子は四隅のシード選手全員がベスト4に進む順当な結果となった。

【男子準決勝】

 前回大会の準々決勝で対戦し、試割り判定までもつれる接戦を演じた島本雄二と加藤大喜が、今大会の準決勝でふたたび顔を合わせた。序盤から互いに突きや上中下段の多彩な蹴りを繰り出し、一進一退の攻防を繰り広げる。決定打とまではいかなかったものの、本戦終盤にやや攻勢となる場面が見られた島本が判定3-0で勝利を収め、第46回全日本大会、第11回全世界大会、第48回全日本大会に続き、4年連続で無差別級の決勝進出をはたした。
 2015年の第11回全世界大会以来の対戦となった入来建武と前田勝汰の準決勝は、リベンジを期す前田が開始直後からいきなり突きでラッシュをかけ、手数では入来を圧倒する。入来は突きと下段廻し蹴りで応戦するが、守勢となる場面も見られた。前田はさらにギアを上げて突きで前に出るが、入来を下がらせるまでには至らず、旗は前田に1本止まり。延長に入ると前田に本戦ほどの勢いがなくなり、逆に入来がラッシュをかける。前田も応戦し激しい打ち合いとなったが、入来が判定5-0で勝利。大会連覇へ王手をかけた。

【3位決定戦】
 3位決定戦は、マシエ・マズールとの試合で足を負傷した加藤大喜の棄権により、前田勝汰の不戦勝となった。

【男子決勝】

 通算7度目の対戦であり、第46回全日本大会、第11回全世界大会、第48回全日本大会、第6回全世界ウエイト制重量級と、4大会連続で決勝を闘ってきた入来建武と島本雄二が、5度目となる頂点をかけた試合に臨んだ。入来は先手を奪われて敗れた7月の全世界ウエイト制の反省を活かし、序盤からハイペースで攻撃を仕掛けていく。対する島本も突き、下段蹴り、前蹴りを繰り出し、互角の攻防を繰り広げる。終盤には入来がラッシュで勝負をかけたが、島本は突きと下段廻し蹴りで応戦し、互いに旗は上がらず。
 本戦で力を使いはたしたか、延長に入ると入来の勢いが急速に失われていく。島本が放った右上段廻し蹴りで入来が後ろに下がると、島本は左下段からふたたび右の上段廻し蹴りを放ち、入来から技有りを奪う。その後は下段蹴りから内廻し蹴りでふたたび技有りを奪った島本が、合わせ一本勝ち。この対戦で初めての一本決着となった。島本は第44回、第46回に続き、3度目の全日本大会制覇をはたした。

【女子準々決勝】

 回り込んで突きと下段蹴りを連打する手島海咲に対し、南原は下突きとヒザで圧力をかけていく。終盤の打ち合いで優勢となった南原が、本戦5-0で勝利を収めた。
 初日の2戦ともに再延長まで闘った将口美希。藤原桃萌との準々決勝は、またしても再延長までもつれる接戦となった。突きと下段蹴りを激しく打ち合った再延長の判定は、藤原の2-0。続く体重判定で勝利を収めた将口が、初のベスト4入りをはたした。
 菊川結衣と久保田千尋による他流派同士の準々決勝は、本戦では決着がつかず延長戦へ突入。突きの連打を放つ菊川に対し、久保田は突きと下段廻し蹴り、内股蹴りでジリジリと圧力をかけ、判定4-0で準決勝行きを決めた。
 荒木千咲と加藤小也香の一戦は、ステップで距離を保ちながら多彩な蹴りを繰り出す加藤に対し、距離を詰めた荒木が一気呵成に突きと下段蹴りを放っていく。本戦3-0で荒木が勝利を収め、初の全日本タイトル獲得へ一歩前進した。

【女子準決勝】

 準決勝第1試合は、準々決勝で拳を負傷した将口美希にドクターストップがかかり、南原朱里の不戦勝となった。
 もうひとつの準決勝である荒木千咲と久保田千尋の試合は、本戦から接近戦での壮絶な打ち合いとなった。両者一歩も譲らぬまま、勝負は最終延長へ突入する。ともに突きやヒザ、下段蹴りを気力で打ち合うが、わずかに手数で上回った久保田が4-1で勝利。初の決勝進出を決めた。

【3位決定戦】
 3位決定戦は、準決勝も棄権した将口の不戦敗となり、荒木が3位、将口が4位となった。

【女子決勝】

 どちらが勝っても初優勝となる南原朱里と久保田千尋の決勝戦。体格で上回る久保田に対し、南原は足を止めて至近距離で打ち合った。本戦は突きや下段ヒザ蹴りを中心に攻撃を組み立てた南原が手数でやや優勢となり、2本の旗が上がる。0-0の引き分けに終わった延長を挟み、勝負は再延長へ突入する。中盤までは互角の攻防を繰り広げるが、終盤に入ると回り込んで突きと下段廻し蹴り、内股蹴りでラッシュをかけた南原が手数で久保田を上回り、判定3-0で勝利。7月の全世界ウエイト制中量級を制した南原が、初めて無差別の頂点に立った。また、今回の優勝でJFKO全日本大会、全世界ウエイト制、全日本大会と主要4大会のうちの3大会を制したこととなり、残る全世界大会でのグランドスラム達成へ王手をかけた。

第49回全日本空手道選手権大会はスポーツ振興基金助成事業です