第52回全日本空手道選手権大会・最終日


11月21日~22日の2日間にわたり、第52回全日本空手道選手権大会がベルサール六本木で開催された。新型コロナウイルス感染症対策のため無観客で行なわれた今大会には、男子65名、女子37名がエントリー。第12回世界大会チャンピオンの島本雄二、南原朱里が不在の中、他流派からはオールスター級の強豪が揃った。男子三回戦~決勝戦、女子準々決勝戦~決勝戦が行なわれた大会決勝日(22日)の模様をお届けする。

【男子三回戦】

16試合中、じつに15試合が新極真会VS他流派の顔合わせとなった。三上和久と大石昌輝の一戦は体重判定でも決着がつかず、最終延長までもつれる大激戦となったが、大石の顔面殴打による注意1も響いたか、三上が判定5-0で勝利。また重松翔と対戦した渡辺和志は本戦ラスト30秒から突きとヒザでラッシュをかけ、判定4-0で快勝を収めた。亀井元気と激突した鳥原隆司は本戦開始わずか9秒、見事な左上段廻し蹴りで一本勝ち。多田成慶は森田奈男樹に本戦ラスト30秒からラッシュをかけて判定5-0で完勝。その他、江口雄智、渡辺優作、福地勇人、田中裕也、野邑一心、入来建武、島本一二三、後藤優太、土橋立弥、越智純貴、工藤昂朗、加藤大喜が四回戦へ進出。新極真会11名、他流派5名が残った。

【男子四回戦】

江口雄智と三上和久の軽重量級対決は、ラスト30秒から突き、ヒザ蹴り、前蹴りでラッシュをかけた江口が優勢となり、本戦4-0で快勝。

渡辺優作と福地勇人の一戦は両者一歩も譲らぬ互角の打ち合いが展開され、再延長まで判定はすべて0-0と決着がつかず。体重判定にもつれた勝負は渡辺95.3kg、福地77.9kgと10kg以上の差がついたため、福地が勝利を収めた。

渡辺和志と田中裕也の試合は延長戦に突入し、接近戦で下段廻し蹴りを打ち合う。田中の左下段廻し蹴りで渡辺が崩れて技有り。直後にもう一度技有りとなり、田中が合わせ一本勝ち。

入来建武は野邑一心と対戦。距離を取る野邑に本戦からプレッシャーをかけ、下突きと下段廻し蹴りが徐々に野邑をとらえはじめる。入来の左下段廻し蹴りで野邑の体勢が崩れ、技有り。入来が順当に勝利を収めた。

島本一二三と後藤優太の注目の一戦は、強烈な突きと下段蹴り、ヒザ蹴りで島本を押し込んだ後藤が本戦5-0で勝利。Cブロックシード頭の島本がここで姿を消した。

三回戦で一本勝ちを収めて勢いに乗る鳥原隆司だったが、土橋立弥と接近戦で打ち合いとなった最中、土橋の上段ヒザ蹴りをもらい、まさかの本戦一本負け。

三回戦で強豪の森田奈男樹に勝利を収めて勢いに乗る20歳の多田成慶は、元同門の先輩・越智純貴に挑んだ。延長戦に突入した勝負は、接近戦で突き、下段蹴り、ヒザ蹴りで攻め立てた多田が優位に立ち、判定5-0で先輩超えをはたした。

加藤大喜は工藤昂朗に対し、右下段カカト蹴りや突き、下段廻し蹴りを軸に、時おり飛び後ろ廻し蹴りや後ろ蹴りも織り交ぜ、攻勢に回る。加藤のプレッシャーからか工藤は抱え込みの反則2回を取られて減点1となり、加藤が完勝を収めて準々決勝へ進んだ。

【男子準々決勝戦】

江口雄智と福地勇人の一戦は、両者一歩も譲らず再延長戦まで判定はすべて0-0。体重判定でも差がつかずに迎えた最終延長では、突きと下段蹴りの手数で優位に立った江口が判定4-1で勝利して激闘に終止符を打った。

田中裕也と対戦した入来建武は、間合いを詰めて下突き、下段蹴り、下段ヒザ蹴りを中心に攻撃を組み立てる。ラスト30秒になるとギアを上げ、突き、ヒザ蹴り、下段蹴りで怒涛のラッシュ。本戦5-0でベスト4進出を決めた。

後藤優太と土橋立弥の他流派対決は、土橋が後藤の懐に入って突きや下段蹴り、下段ヒザ蹴りを上手く使うが、後藤は突きとヒザで冷静に対処し、本戦で勝利。他流派の男子選手では唯一、準決勝へ駒を進めた。

加藤大喜は怒涛の攻めを見せる多田成慶に手を焼き、本戦は多田に1本の旗が上がる。だが、延長戦ではラスト30秒から回り込んでの突き、内股蹴り、ヒザ蹴りで優勢となり、判定3-0で多田を振り切った。

【男子準決勝戦】

準々決勝で最終延長まで闘った江口雄智と、本戦で決着をつけた入来建武。臨戦過程では入来に分があった準決勝戦は、本戦の序盤から入来が突きから左下段廻し蹴りのコンビネーションで江口を攻め立てる。その後も左下段廻し蹴りを連打する入来に、江口は思わず下がってしまう場面も見られた。本戦5-0で入来に軍配が上がり、入来は第49回大会以来、3年ぶりに全日本のファイナルの舞台へ立つこととなった。

もうひとつの準決勝は、ここまで強い内容で勝ち上がってきた他流派最強の刺客・後藤優太を、ゼッケンラストナンバーを背負った加藤大喜が迎え撃った。本戦は互角の打ち合いとなり、判定は0-0。延長戦は後藤が強烈な下段蹴りを何度もヒットさせ、突きからヒザでラッシュをかける。加藤は何とかこれに食らいつき、判定は後藤の1-0。再延長に突入すると、後藤はスタミナが切れてきたのか攻撃が止まりはじめる。加藤が残る気力を振り絞った突き、下段蹴りで攻撃をたたみかけ、判定5-0で勝利。他流派の進撃をストップし、入来との新極真会決勝戦を実現させた。

【男子3位決定戦】

後藤優太は、本戦序盤から激闘のダメージが色濃く残る江口雄智の右脚に下段廻し蹴りを集中させ、一本勝ち。全日本大会で初めて入賞をはたした。

【男子決勝戦】

ともに大会前から優勝候補と目されていた、入来建武と加藤大喜がファイナルで対峙した。距離を取る加藤に対し、入来はじわじわと間合いを潰して左右の下段廻し蹴りを連打する。加藤も外廻し蹴りなど多彩な技で対応したが、入来の優勢は変わらず。本戦残り30秒に入ると、入来が猛然とラッシュ。突き、下段蹴り、前蹴り、ヒザ蹴りで波状攻撃を仕掛け、粘る加藤をつかまえて本戦5-0で勝利。第48回大会以来、通算2度目となる全日本制覇をはたし、新時代のエースに名乗りを挙げた。

【女子準々決勝戦】

女子軽量級対決となった菊川結衣と手島海咲の一戦は、過去4度の対戦と同じように左右に回り込んで手数を出す手島と、一発の威力がある菊川という構図となる。ラスト30秒から菊川の左右の下段蹴りが決まり、本戦3-0で菊川に軍配。

藤原桃萌は下突きとカギ突きの連打で水谷恋を徐々に押し込んだが、旗は2本止まりで勝負は延長へ。やや手数が失速した藤原に対し、水谷は本戦と変わらぬペースで突きと下段蹴りを繰り出し続け、判定5-0で水谷がベスト4入りを決めた。

新極真会最後の砦となった加藤小也香は、浅古麗美と激突。ヒット&アウェーで優位に試合を進めると、本戦終盤には回り込みから突きと下段蹴りで攻撃をまとめ、本戦5-0で浅古を完封した。

ディフェンディングチャンピオンの久保田千尋は、初日から快進撃を続ける15歳・渡辺小春に苦戦を強いられる。ゼロ距離で互いに突きを打ち合ったが、再延長戦でも決着がつかず勝負の行方は体重判定に委ねられた。渡辺76.2kg、久保田66.2kgと8kg以上の差が認められ、久保田が2連覇への望みをつないだ。

【女子準決勝戦】

他流派同士の顔合わせとなった菊川結衣と水谷恋の準決勝は、本戦で菊川に旗が上がるも2本止まりで延長戦へ。本戦同様に激しい突きの打ち合いとなったが、菊川の打ち下ろしに水谷がやや後退する。ラスト30秒からは下段蹴りを織り交ぜて手数で上回った菊川が、判定5-0で水谷を振り切った。2年前の第1回JFKO国際大会決勝戦で敗れたリベンジを達成するとともに、第48回大会以来の決勝進出を決めた。

もうひとつの準決勝は、第45回、第46回、第50回大会に続き4度目の対戦となった加藤小也香と久保田千尋が激突。通算成績は2勝1敗と加藤がリードしているが、直近の第50回大会では久保田に敗れているだけに、リベンジを誓っていた。本戦はステップを使って久保田に的を絞らせず、逆にヒザを連打して手数でやや優位に立ったように見えたが、判定は加藤の1-0で勝負は延長戦へ突入する。ここでもステップを使って攻撃を繰り出す加藤だったが、久保田の下突き、カギ突き、下段蹴りが徐々に加藤をとらえはじめ、判定は3-0で久保田。新極真勢が姿を消し、大会史上初めて他流派同士の決勝戦が実現することとなった。

【女子3位決定戦】

加藤小也香は遠距離から間合いを一気に詰めての左ヒザ蹴りを何度も水谷恋にヒットさせ、それを起点に突きや下段蹴り、ヒザ蹴りにつないで本戦5-0で完勝。2度目の優勝こそ逃したものの、3位入賞で意地を見せた。

【女子決勝戦】

第12回世界大会で菊川結衣に敗れている久保田千尋にとっては、リベンジマッチとなった。菊川は胸への打ち下ろしと下段蹴り、久保田は下突きと下段蹴りを軸に開始直後から激しい打ち合いとなる。回り込む菊川を左右の下段廻し蹴りで止め、下突きと下段蹴り、ヒザ蹴りで優勢となった久保田が、本戦5-0で勝利。第50回大会に続いて2連覇を達成した。

男子

優 勝:入来建武(新極真会東京城南川崎支部)
準優勝:加藤大喜(新極真会愛知山本道場)
第3位:後藤優太(空手道MAC)
第4位:江口雄智(新極真会福岡支部)
第5位:田中裕也(山田道場)
第6位:多田成慶(新極真会福岡支部)
第7位:土橋立弥(白蓮会館)
第8位:福地勇人(白蓮会館)
敢闘賞:多田成慶(新極真会福岡支部)
技能賞:田中裕也(山田道場)

女子

優 勝:久保田千尋(久保田道場)
準優勝:菊川結衣(芦原会館)
第3位:加藤小也香(新極真会愛知山本道場)
第4位:水谷恋(久保田道場)
敢闘賞:渡辺小春(武奨館吉村道場)
技能賞:手島海咲(新極真会神奈川東横浜支部)

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