新極真のみならず、フルコン界の 中心が決まる大会だと思いますーー鈴木国博


今年7月に白血病が再発し、現在は療養中の 鈴木支部長だが、入院先で電話取材にご協力 いただいた。空手や全日本大会、新極真への 熱い思いは、どれもエネルギーに満ちていた。

――今年7月、急性リンパ性白血病の再発により再入院され、この取材(月初旬)のおよそ2週間後には移植手術も控えています。現在の体調はいかがですか。
「今のところ熱もなく、すごく元気です。今日も病室のベッドの隣で稽古をしました。反射的な腕立て伏せと反射的なスクワット、四股踏みのスクワット、突きの稽古と蹴りの稽古です」

――そこまでハードに行なって大丈夫ですか。
「自重なので大丈夫ですよ。息が切
れたらやめますし」

――移植手術は具体的にどんなものですか。
「昨年と同じ手術なんですけど、移植手術と言っても静脈に臍帯血(さいたいけつ)を入れるだけです。回復まで3ヵ月が目安と言われているので、今回は来年1月のなかばくらいまで入院する予定です」

――そんな中、月・日には第回全日本大会が開催されます。
「コロナ禍のこの大変な状況下で大会を開催するということは、緑代表をはじめ、組織の力をものすごく感じますよね。しかも、テレビもつくじゃないですか。あらためて新極真会の組織力はすごいなと思います」

――今年は多くの大会が延期や中止になっていますから、選手の立場からすれば全日本大会が開催されるのは幸せなことですよね。
「最高ですよ。みんな体を削りながら命をかけてやっている中で、自分がかけてきたものの発表の場があるわけですから。開催していただいたことへの感謝だけは忘れてほしくないなと思います」

――男子は世界大会で連覇をはたした島本雄二選手が不在です。今大会は新エースを決める舞台となりそうですね。
「次の世界大会までの流れを決めてしまう、一番大事な大会ですよね。逆に言えば、ここを落とすときついです。追われる立場のほうが楽ですよ。私の経験上、追いかけるほうがつらかったですから」

――逆ではないんですね。チャンピオンになった後のほうが背負うものが増える分、精神的にきついのかと思っていました。
「優勝すれば、やっていることに迷いがなくなりますから。自分がやってきたことが正しいと確信を持てるんです」

――なるほど。
「そういう意味でも、今大会で優勝した選手が中心になると思います。ここを勝てば、4年間エースを張ってやる、俺が中心にならなければという意識になりますよね」

――今大会は他流派からもオールスター級の強豪が揃いました。例年以上に王座死守というテーマが重いものになりそうです。

「トーナメントなので、強い者が勝つ。こればかりは仕方がないことですが、組織の一員として、新極真会の選手には是が非でも王座を守ってもらいたいなと思います。島本雄二という絶対的なエースがいない中で、平等に優勝のチャンスがある大会だと思います」

――男子注目選手を教えてください。
「まずは、世界大会で3位に入賞した加藤大喜選手。加藤選手は組手センスが抜群ですよね。普通の選手であれば、相手が効いたと思ったら一瞬止まってしまうものですが、加藤選手はそこからたたみかけられます。勝負どころの嗅覚を持っている選手ですね。突きだけ、蹴りだけにならず、まんべんなく両手両足をコントロールできれば、優勝候補間違いなしだと思います。
その他では、ゼッケン1の江口雄智選手。左の突きが強いですよね。最近の伸び率で言えばナンバーワンだと思いますし、もっと化けると思います。昨年のJFKOで準優勝、世界大会7位と勢いもありますね。
そして、入来建武選手がどう巻き返すかにも注目したいです。入来選手は新極真会の日本人選手の中では、持っているスペックが一番高いと思います。スペックというのは体の大きさ、骨格の大きさですね。あの骨格をフルで活かすことができれば、相手にとって脅威です。以前のようにフェイントをかけたり、もう少し体の使い方に遊びができればさらによくなると思います。
もうひとりは、他流派の後藤優太選手。190と長身な上に、技のテンポが細かいですよね。大きくて器用な印象です。突き、ヒザ、ノーモーションの下段蹴り。それで効かされて下がってしまうと上段廻し蹴りが飛んでくるので、非常にやっかいです。彼ら4人に、島本一二三選手や清水翔希選手、若手がどう絡んでくるかではないでしょうか」

――鈴木支部長が初めて全日本大会を制したのは、第7回世界大会の1年後に行なわれた第回大会でした。当時歳でしたが、どんな心境で臨んでいたのでしょうか。
「すべてをかけていましたし、勝つにはこの年齢しかないという感じでした。その頃から、休む勇気が出てきたんです。自分の回復能力を見極めて、休みを入れながらルーティンをつくって稽古していく。それを確立できたのが全日本で初優勝できた2000年くらいですね」

――そのルーティンは、体力的にピクを迎えるとされる代の頃にはなかったと。
「いろいろ考えるようになったのは、30歳くらいになって回復能力が落ちてきたからだと思います。代は何も考えず、勢いだけでしたから。いかに回復させてベストパフォーマンスをつくっていくか。そこが重要ですね。私は歴代世界チャンピオンの中で一番才能がないと思っているので、その分本当に考えました。他の選手の分析はすごくしましたね」

――全日本大会は初優勝から3連覇を達成し、第8回世界大会を制しました。エースの自覚はいつ頃、芽生えましたか。
「エースというより“わがままの自覚”ですよね。絶対負けないとか、俺が一番強いんだとか、空手に関してはそういった思いがありました。一度優勝しても、次に負けてしまったら『あの優勝はマグレだった』と言われてしまうかもしれないですから、初優勝の後はそれまで以上に勝ちにこだわって、どう勝っていくかばかり考えていました」

――世界大会後初の全日本となる今回の第回大会でも、優勝した選手は新極真会をけん引していく存在になるでしょうね。
「今回のトーナメント表を初めて見た時、これを勝った選手は新極真会のみならず、フルコンタクト空手界全体の中心人物になるなと思いました。このサバイバルを勝ち抜いた人間が、本当に強い人間です。勝った人間が、この4年間を動かしていくのは間違いありません。それくらい重みがある大会だと思います」

――勝敗を分けるポイントは?
「一、二回戦を圧倒的に勝つことですね。技有りを取るか、それに近い状態ということです。スタートダッシュをうまく切れる選手は、やっぱり強いですよ。まずはそこに注目したいです」

東日本大震災復興支援チャリティー/骨髄バンクチャリティ-
第52回オ-プント-ナメント全日本空手道選手権大会

開催日 : 2020年11月21日(土)・22日(日)

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