あきらめない事が黒帯につながった
幼い頃に父から、マス大山という牛をも素手で倒してしまう、凄い人が居るという話を聞かされて以来、ずっと空手に興味を持っていました。
それから数年が過ぎて、中学3年生の時に空手の演武を見に行ったのがきっかけで、興味が憧れに変わりました。
そして高校進学と同時に、演武を演じた三瓶道場白河支部に入門しました。
入門当初、黒帯になるためには早い者で3年、遅い者でも10年かかると聞いた覚えがありましたが、私が白河道場に入門してから16年の歳月が流れていました。
以前の私は、稽古をして少しずつ積み重ねていくという事ができずに、一気に練習してパッタリ来なくなるようなタイプで、非常に浮き沈みが激しかったように思います。
横道に逸れて、道場にもジムにも全く寄りつかなくなっていたある日、同級生とたまたま外で出会って、聞けば、体育館を利用して個人的にウエイトトレーニングを続けているとの事で、その会話から、彼も道場とジムに入門する事になりました。
それをきっかけに、自分も道場とジムに顔を出すようになったのですが、サボりと体調の悪化で体力はガタ落ちで、入門した時以上に苦しく、また少しずつ足が遠のいていきました。
完全に目標を見失って長い時を過ごしていましたが、その間にたくさんの人から刺激を受けて、自分の中で空手に対する意欲が少しずつ戻っていきました。
そして一つの転職を機に、ここから体力を戻せなかったら後がないという気持ちで、一年間練習を続けていた頃に体を痛めてしまい、日常生活にも支障が出るようになりました。
時を同じくして昇段審査のお話があったのですが、怪我や東日本大震災が重なり、とても返事をする事ができませんでした。
当初は、ここで練習を止めたら以前と同じだし、やってきた事が全て無駄になってしまうんじゃないかという焦りもありましたが、最初に診察してくれた松崎先輩に、ゆっくりできる事をやるようにと言われ、教わったストレッチをやったり、治療院や温泉に通ったりと、体を治す事に専念するようにしました。
治療のために外に出る以外は、家に引きこもり気味だった自分を、先生と岩本さんが食事に連れて行ってくれたり、知人や友人が治療や温泉に行くために車を出してくれたりと、心身ともに助けられました。
おかげさまで、段々と痛みが和らいできて、歩く練習から再開して、少しずつ稽古にも参加する事ができるようになりました。
はじめに昇段審査のお話を頂いてから1年半の時が経過していました。
決して体調は万全ではありませんでしたが、今度は継続して稽古を続けてきたので、前向きに審査に臨めました。
審査中は苦しさで気持ちが揺れる場面も多々ありましたが、やってきた練習を思い出したり、きっかけをくれたり、支えてくれた人のために頑張ろうと思って、なんとかやり凌ぐ事ができました。
組手は全体的に攻める事ができずに、後手後手に回ってしまい不甲斐ない内容でしたが、この悔しさを忘れずにこれからも練習を続けていこうと思います。
最後になりましたが、ご指導してくださった三瓶先生、滝嶋先生、先輩方、そして、審査当日に組手の相手をして下さったみなさん、応援に来てくれた道場生、空手を習わせてくれた両親、支えてくれた全ての人に感謝しています。
ありがとうございました。押忍
福島支部
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