この度は昇段審査の受審、また弐段のお許しを頂き、誠にありがとうございました。
大学在学中に長崎支部で初段の審査を受審しましたので、３０年ぶり５２歳での受審となりました。
私は平成６年に社会人生活をスタートしましたが、以後は２～３年に１回の頻度で全国異動がありました。
このため、支部移籍を繰り返し、一般の道場生でありながら、長崎支部、北海道支部外舘道場、世田谷・杉並支部、愛知中央支部、茨城県央支部、光が丘道場及び西神奈川支部の各師範・師範代をはじめ、多くの先輩や有名選手である黒帯から空手を教わる機会に恵まれました。
また、これまで稽古させて頂いた全国３９か所の道場において多くの道場生と知り合い、空手だけではなく、社会で生きていく上で必要な多くの事を学びました。
先輩方がおっしゃっているとおり、私も仕事と空手の両立は難しいと感じております。
以前は週に６～７回も道場に行ける環境にありましたが、職位がステップアップすると、逆に道場に行くチャンスが減っていきました。
このため、３人の息子達が大学を卒業するための経済的な支援を終え、定年退職に伴う転職に成功するまでの間は、昇段審査を受審する機会はないものと思っておりました。
転機が訪れたのは、毎週土曜日に指導をされている大隅裕先輩との出会いでした。
ある日の稽古の後、先輩から弐段の受審を勧められました。
出来れば受審したいと即答したところ、私の口からではなく先輩の方から谷川師範に進言して頂けることとなりました。
１週間後、師範から許しを頂いたと聞き、審査に向けての練成を開始しました。
まず、審査項目に腕立て伏せ１００回があると聞き、その場でやってみました。
映画「トップガンマーヴェリック」の中では、女性パイロットを含む全員が２００回をこなしていましたが、私は６０回程度しか出来なかったので、審査まで継続して練成することとしました。
次に審査項目の基本・移動・型ですが、役に立ったのは、これまで所属した各支部において、師範・師範代・先輩形から指導を受けた事項をメモ的に書き留めたノートでした。
稽古日誌と呼べるほど立派なものではありませんが、基本稽古の最初に行う三戦立ち・正拳中段突きだけでも複数の指導事項があり、意識して直すこととしました。
また、道場で師範から姿勢などの矯正を受けた際には、その正しい状態を体で覚え、次回以降も再現できるよう反復演練しました。
最後に審査項目の連続組手ですが、ビジネスマンクラスだけではなく、選手クラスの稽古にも参加してスタミナ・技・打たれ強さを養うこととしました。
審査の数週間前には、師範から新しい技を教わり、「五十の手習い」ではありますが、審査当日にその技を出せるよう稽古しました。
そして審査当日、審査が始まる前に道場の鏡に向かって指定型を一通りやってみましたが、緊張で肩に力が入っている自分の姿が映し出されました。
審査が開始され、準備運動、基本の審査、移動の審査と進行し、ふと古知屋潤師範代の方を見ると肩の力を抜くようゼスチャーがありました。
型の審査では、準備していなかった型を１人で実施することとなり、またしても頭が真っ白になりました。
最後の連続組手では、鼻で呼吸することを心掛けましたが、途中で呼吸を止めてしまっていることに気が付きました。
また、師範代の「ちゃんと捌かないと！」という声が聞こえたので、おそらく下段への攻撃を脛受けすることなくただ前へ前へと突っ込んでいただけの組手になっていたのではないかと思います。
審査を終えての感想ですが、「もっと空手を学びたい」と素直に感じました。
基本・移動・型を正確に行うことはもちろん、大会出場を目標に相手からの攻撃を捌くことや技の強弱にスタミナ配分、そして師範から新しく教わった技の深化・・・等、昇段審査という長年の目標を達成したとたん、次に覚えたいことが次から次へと頭に浮かんできました。
また、自分自身の練度向上だけではなく、大会の副審などの機会があれば、微力ながら運営への貢献もしたいと思いました。
最後になりますが、移籍して間もない私に審査受審の機会を与えて下さいました谷川師範、初対面の日から親切に接して頂いた西神奈川支部の先輩方と道場生の皆様に感謝申し上げます。押忍
※西神奈川支部情報はこちらよりご確認下さい。