3月10日~12日、第13回世界大会日本代表候補(兼第8回JFKO全日本大会)強化合宿が富士緑の休暇村で開催された。第8回JFKO全日本大会での全階級制覇と世界大会での組手、型のダブル制覇という大目標へ向け、すでに日本代表の切符を勝ち取っている入来建武、鳥原隆司、渡辺優作、鈴木未紘や、型の主将を務める渡辺大士を含む日本トップクラスの男女約100名が、疲れを感じさせることなく過酷な稽古で汗を流した。ここでは合宿最終日の模様をお届けする。
2日目と同様に、選手たちは午前6時からの早朝稽古開始時間を待たずに体育館に集合し、まずはランニングで汗を流した。続いて入念にストレッチを行なった後は、塚本徳臣コーチ先導のもと前日の島本雄二コーチ、山本健策コーチが組手稽古中に行なった技術指導をベースとしたコンビネーションを反復。選手たちは体の正中面を意識しつつ、時間を惜しむように稽古に没頭した。
わずかばかりの休憩を挟み、9時すぎには組手と型の選手がそれぞれの稽古場所に集合し、各々がウォーミングアップを繰り返した。組手の選手は集中して基本稽古をこなすと、早朝稽古と同様に島本コーチの技術を意識しながらの組手に移行。内股蹴り、左右の下突き、内股蹴りのコンビネーションだけではなく、内股蹴りの部分を上段ヒザ蹴りなどに変更しながら繰り返し動きを確認した。
組手の最中には、塚本コーチがテンポに関するアドバイスの他、JFKO全日本大会に備えて頭に入れておくべき技術や考え方を指導。組手の指導を行なった新保智コーチ、谷川光強化委員らも、選手時代に意識していた攻められた直後の対処法を選手たちに落とし込んだ。
型稽古は世界大会の指定型である撃塞小、征遠鎮、十八手、観空を号令、無号令で行なった。予定では準決勝戦、決勝戦の五十四まで通しで稽古する予定だったが、藤原康晴監督、外舘慎一コーチのきめ細やかな指導もあり、あっという間にタイムアップ。10時45分には組手の選手と合流し、ともに3分のサーキットトレーニングを3本繰り返した。
サーキットのメニューはハイジャンプ、プッシュアップ、ジャンピング・スクワット、Vシット、その場飛びで一回転、ジャンピング・プッシュアップ、バービー、背筋、ダッシュの各項目20秒を1セットとする、ノンストップの3セット。選手の体力を最後まで搾り取るような過酷なメニューで強化合宿を締めくくった。
解散式では三好一男副代表、奥村幸一監督がJFKO全日本大会での全階級制覇、世界大会での組手&型男女ダブル優勝の思いを託すと、主将を務める入来建武、渡邊大士も力強い言葉で各大会での王座戴冠を宣言した。
また今回の合宿では、監督・コーチ陣が選ぶ“新極真会魂”を発揮した選手ベスト5を発表。男子は鳥原隆司、渡辺優作、澤井天心、多田成慶、古本翔基が、女子は加藤小也香、漢由依奈、手島海咲、細谷誉、小嶋夏鈴が選出された。選手を代表してマイクを持った鳥原は、合宿の開催に尽力した関係者に感謝の言葉を述べた上で、世界大会での男女ダブル制覇を宣言した。