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入来建武「今度は自分たちが結果を出す出番です」

2015.10.30
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――入来選手は、師範が父親で、二人の兄(拓夢、勇斗)と妹(智羅咲)がいる有名な空手一家ですが、家族の存在は大きいですか。
「師範がいないと稽古に気持ちが入らない時もあるんで、とても大きな存在です。あまり頼りすぎてはいけないんですけど、自分を強くしてくれたのは師範ですし、家にいる時でも一緒に技術研究の指導をしてくれます」

――日本代表が決まった時、師範はどんな様子でしたか。
「直接は言われていないんですけど、喜んでくれていたようです」

――兄妹はどんな反応でしたか。
「みんな喜んでくれていたと思いますし、自分が優勝すると信じているはずです」

――家族が一丸になって、入来選手を支えてくれているんですね。
「師範は、『優勝できる』と本気で言ってくれていますし、自分もそう思っています。兄妹みんなが稽古に付き合ってくれているんで、本当に感謝しています」

――初めて世界チャンピオンを意識したのは、小学生の時からだったようですね。
「作文に『空手の世界チャンピオンになりたい』と書きましたが、どうしたらなれるだろうとか深いことまでは考えていませんでした」

――その後はどうですか?
「本格的に意識するようになったのは高校生の時で、大会で結果を残すようになってからです」

――夢が目標に変わっていったんですね。最年少世界チャンピオンを意識しているようですが、塚本徳臣コーチが21歳で頂点に立った第6回世界大会(1996年)の時、入来選手はまだ1歳でした。
「その頃の記憶はないんですが、第10回世界大会を観戦した時は16歳だったんで、次の世界大会は20歳になった自分たちの世代が中心になると思っていました。そして優勝すれば、最年少記録だなと意識をするようになりました」

――第10回世界大会は、どこで観戦していたんですか。
「会場の1階席で観戦していました。塚本先輩と村山(努)先輩の決勝戦は、どんな試合が展開されるのかドキドキしながら見ていました。塚本先輩の凄さに対して村山先輩の気持ちも伝わってきたんで、体が震えてくるような試合だったことを覚えています」

――自分が、その舞台に立っている姿は想像できましたか。
「そこまではできなかったですが、次は自分たちの世代がやらなきゃいけないなと思っていました」

――前回の世界大会は、ヴァレリー・ディミトロフ選手をはじめ、ドナタス・イムブラス選手、ローマン・ネステレンコ選手の3強と呼ばれる外国人がいました。
「ドナタス選手はあんなに体が大きいのに素早く動けるので、パワーのある突きは絶対にもらいたくないなと思って見ていました」

――当時16歳ですから、あのパワーは脅威に感じたかもしれませんね。ドナタス選手は引退を表明しましたが、今大会にもパワーのある外国人選手はたくさんいます。
「時代の移り変わりを感じます。ヴァレリー選手は出場していますが、今度は自分たちが結果を出す番です。自分も外国人選手と何戦か経験を積んでここまできましたので、負ける気はしません」

――遠かった優勝という目標が、今は目前まで迫っていますか。
「目前かどうかはわかりませんけど、確実に狙える距離にいます」

――その自信は、どういう理由で得たものですか?
「全日本大会で準優勝したこともそうですし、日本人が一番強いと思っているんで、その中で優勝争いしたことが自信につながっています。外国人はパワーのある選手は多いですが、日本人は技術の高い選手がたくさんいます。自分の上には島本雄二先輩がいますが、優勝争いをすると思っています」

――つまり決勝戦で入来選手は、島本選手と闘うことになると思っているのでしょうか。
「理想は、日本人の決勝対決です。本音だと、同じ東京城南川崎支部の茂木良樹選手と決勝で闘いたいですね。そして、最後に勝ちます」

――優勝のイメージはありますか。
「できるようになってきました。そのために毎日、第10回世界大会の映像を見ています」

――どの試合映像ですか。
「大会の映像を第1試合から流しっぱなしにする時もありますし、忙しい時は準決勝戦から見るようにしています」

――試合を見ると、気持ちが高ぶってくるものですか。
「なりますね。雄二先輩がヴァレリー選手に勝った試合や準決勝戦を見ると気持ちが上がります」

――研究もしているわけですね。
「それも兼ねて見ます。あとは大会の雰囲気を勉強したり、大舞台に上がることを意識してモチベーションを高めています」

――大会の映像を見ることは、入来師範からの助言ですか。
「いえ、自分で考えました。師範がいる時は、一緒に見てアドバイスをもらえることもありますし、とても勉強になります」

――これまで外国人と闘ってきて圧力が強い選手はいましたか。
「外国人とは5回しか闘っていませんが、イリヤ・ヤコブレフ選手に一番圧力を感じました」

――入来選手のブロックも強豪選手が揃っていますが、近いシードにマリウス・イラス選手がいます。
「対策は十分に立てていますが、勝ち上がって日本人と対戦したいですね。勝ち進めば後輩の岡﨑(陽孝)選手と当たりますし、同じブロックには山本和也先輩もいます。準決勝ではヴァレリー選手と当たる可能性もありますが、誰かが止めてくれると信じています」

――6月の日本代表強化合宿は、かなり気合いが入っていました。
「稽古の雰囲気がよかったですし、一丸になって乗り越えたことでいい刺激になりました。雄二先輩の稽古に取り組む姿勢とか、(前田)優輝先輩が限界まで追い込んでいる姿を見て勉強になりました」

――理想の組手はありますか。
「自分は突きと下段、ヒザ蹴りが武器なので、それで一本を取るのが理想です。昔から塚越(孝行)先輩の力強さと、逢坂(祐一郎)先輩の柔軟さを併せ持つ、剛と柔をミックスした組手を目指しています。今回の世界大会で理想に一歩でも近づけるようにしたいです」


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 世界大会の約1ヵ月前、東京城南川崎支部に足を踏み入れると、いつもと同じ光景がそこにあった。
 父・入来武久支部長の檄が飛び、長男の拓夢、二男の勇斗、妹の智羅咲とともに、三男の建武が汗を流しながらミットを激しく叩いていた。世界大会で日の丸を背負う盟友の茂木良樹が、並んでミットを叩く。ときおり笑顔を見せながら、全力で突きや蹴りを出す。
「1分半経過~」
「最後、出し切れ!」
 突きの回転が速くなり、地鳴りのような気合いの声が道場に響く。
「それまで。判定をとります。判定、赤……赤の判定勝ち。正面に礼!お互いに礼!」
 試合さながらにミットを叩くのもいつもの光景ながら、相変わらずの迫力でラッシュをかける建武もいつも通りだ。長男の拓夢は、三男の建武が全力を出し切っている横で頼もしそうな視線を向けながら、「建武は、いつも自分の体力の限界まで出し切ります。大会前はもちろんですが、試合がない時でも課題を決めて出し切っています。これは、なかなかできるものではありません」と呟いた。
 大会が近づいてくれば追い込む回数が増えるのは当然だが、日常から全力を出し切ることは明確な目標がないと持続するのは難しい。
 これについて入来師範は、「目的を明確に伝えずに、ただ稽古量だけを多くすると集中できなくなる選手がいます。建武はそのタイプなので、きちんと目的を伝えます。例えばジャンピングスクワットを100回やる時は、『軽量級の選手と闘ったら、1回でも止まったら試合で負けるぞ』と伝えます。そうすると、すごい集中力を発揮するんです」と分析する。

 続いて二男の勇斗は、私生活においての弟の大物ぶりを証言した。
「大会の直前になっても、いつも通りにご飯をたくさん食べて、夜は布団に入れば、すぐに寝ています。普通だったら寝られなかったり、食欲がなくなってもおかしくない状況ですが、建武には関係ないようです」
 昨年の全日本大会は、予想よりも体重が重かったために初めて緊張したようだが、「直前で意識したらダメですね。それがよく分かりました」と建武は反省の言葉を口にした。まるで他人事のように冷静に分析するのは、自分に自信がないとできないことだ。稽古をしっかりとやっているからこそ、自信につながっている。

 稽古に裏打ちされた強さ。その点は、妹の智羅咲が語る。
「兄のすごいところは、言ったことを必ずやり遂げる姿勢です。自主練習で走り込みをする時は、体調が悪い時でも雨が降っている時でも必ずやり遂げます。母の話では、空手以外のことでも一度決めたら最後までやり遂げる強い意志があるそうです」

 入来家では、毎週火曜日と木曜日に全員が集まって合同稽古をする。拓夢は、バランス感覚が備わった安定した組手と対戦相手の分析力に長けていて、参謀役「頭脳」として建武を支える。勇斗は、運動神経抜群でなんでも器用にできる能力を持つ。多彩な蹴りと素早い動きは、稽古相手に適任だろう。智羅咲は、的確なサポートで兄をアシストする。そして父・入来師範は、総監督として全員を指揮する。それぞれの役割があり、世界大会本番では建武を世界チャンピオンにすべく、ファミリー全員が一丸となるだろう。
 建武は武道について持論があり、「強さと優しさの両面を持つこと。父のような存在を目指しています」と答えた。頂点に立てば、史上最年少の世界チャンピオンとなるが、建武の強さは、入来家の絆の結集といっても過言ではない。
 時代は変わる。そのリーダーになる資質を彼は備えている。


外国人に負けていない自信がいい方向に出る 入来武久支部長
「世界大会は、フルコンタクト空手最高峰の世界一を決める舞台です。自分が現役の時代はそこで活躍するのが夢でしたが、それを果たすことができなかったので、子どもに託したいという気持ちがありました。とくに建武は体が大きく試合度胸もあるので、大舞台に向いていると思っていました。20歳で日本代表になるのは早いかもしれませんが、これまで世界王者になった選手たちを何人も近くで見てきていますので、その登り方をアドバイスするつもりです。第46回全日本大会は準優勝で終わりましたが、逆にプレッシャーを受けずに力を発揮できる立場にいると思いますので、よかったかもしれません。これまで5人の外国人選手と闘っていますが、一度も負けていない自信がいい方向に出ると信じています。稽古の仕上がりもいいので、表彰台の一番高いところに立てるように支部・家族一丸となって全力でサポートします」


信頼関係が築けているのも、建武を強くしている理由の一つ 拓夢(たくむ。長男=26歳)
「建武が日本代表に選ばれた時は、とても嬉しい気持ちもありましたが、そうなると思っていました。小さい頃から強かったですし、日々の稽古でどれだけ努力をしているか近くで見ているからです。とくに稽古で最後まで力を出し切る姿勢は、なかなかマネができるものではありません。大会前だけではなく日常からテーマを持って臨んでいるようで、自分の体力の限界まで、毎回、追い込んでいます。一方でもうひとつの特徴は、矛盾しているように感じるかもしれませんが、手を抜くポイントもあることです。すべてを全力で取り組みすぎたらパフォーマンスが悪くなると考えているのか、稽古中にギアをシフトダウンする場面があります。師範は信頼をしているのか、そんな時でも怒らないで見守っています。最後は出し切ることを知っているからなんでしょう。信頼関係が築けているのも、建武を強くしている理由の一つなのかもしれません」


建武の強さの秘密は、いつも自信を持てること 勇斗(ゆうと。二男=24歳)
「自分はレスリングに専念していたことがあるので、空手については7年間の空白期間があります。空白期間はすぐに泣いていた建武のイメージしかなかったのですが、空手に戻ってくるとすでに強い建武になっていました。ライバル心はありましたが、いい意味でやってくれた、さすがだなと認めるようになりました。建武の強さの秘密は、自信を持っていることだと思います。いいイメージを持って、そのまま発揮することは難しいものですが、実現する才能があります。試合があってもしっかりと眠れるし、食欲も旺盛です。プレッシャーを感じないところも、さすがですね。その裏には、稽古をしっかりとやってきたという自信があるからだと思います。世界大会は、いつもの建武そのままで闘い、全力を出し切ってほしいです」


兄のすごいところは、言ったことをやり遂げる姿勢 智羅咲(ちらさ。長女=16歳)
「兄(建武)はずっと世界大会へ出ることを目標にしてきたので、日本代表になることができて嬉しいです。兄のすごいところは、言ったことをやり遂げる姿勢です。自主練習で走り込みをする時は、体調が悪い日や雨が降る時もありますが、やり遂げる姿を何度も見てきました。母の話では、空手以外のことでも、一度やると決めたら最後までやり抜くそうです。大会の動画を見る時は、自分と相手が闘っている姿を頭の中で想像しているといいます。私は中学の時に部活を中心に活動していたため型のみの試合しかしませんでしたが、兄の背中を見て、組手の大会へ出ることに決めました。世界大会の1週間前に行なわれる群馬県大会(10月25日)に出場する予定なので、いい追い風にできるようにがんばります」


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