――第11回世界大会は「武道」というテーマが掲げられました。
「日本の優勝は絶対に譲れないですね。武道は『日本の魂』だと思っていますし、世界王座を守り続けてきたことが日本の誇りですから。伝統を継承するために全力を尽くしたいと思います」
――落合選手にとっての武道の魅力とは何ですか。
「ひとつは礼儀・礼節です。闘う相手に対しても敬意をはらい、試合が終われば相手をねぎらうというのもその表われですよね。それから、体重無差別というのも武道の醍醐味だと思います」
――「小よく大を制す」が無差別の魅力とよく言われますが、体重判定のあるルールで、125㎏の落合選手が軽い選手に確実に勝ち続けることも難しいと思います。
「体重判定ではかなり苦しんできましたからね……。今回もほとんどの選手が自分より軽いと思うので、それを想定した稽古を積んでいます。フットワークを使う相手を追い込んだり、回り込む相手をしっかりつかまえたりできるように。いかにスタミナを失わず、自分のペースに持っていけるかというのがカギだと思っています」
――JFKO全日本の決勝ではスタミナを失い、山本和也選手に敗れてしまいました。
「あの試合は気持ちが入りすぎて、出だしからトップギアでいきすぎました。スタミナ配分の大切さをあらためて感じましたね」
――決勝までは突きで技有り、一本を連発するなど好調でしたね。
「調子が良すぎて冷静さを欠いてしまいました。あとはスタミナに不安があるせいで、打ち合いの時に力をセーブしてしまう面もあると思うので、もっと気持ちを強くしていきたいと思います」
――山本戦では上段蹴りをまともに受けても倒れませんでした。
「普段から上段を警戒しているというのもありますけど、今までガッツリ効かされたことはないですね。一度だけ、高校生の時に河瀬優太朗選手に胴廻し回転蹴りで技有りを取られたんですけど、なんとか倒れずに耐えられました。ボディも脚も、自分の中ではつねに『効かん!』という気持ちで闘っています。ただ、海外勢はパワーがあるので注意しないといけないですね。トーナメントではダメージが蓄積されることもあるので」
――パワーに関しては落合選手も世界最高峰だと思います。
「パワーで負けたくないという思いはあります。ですから、はっきり差をつけて、できれば一本を取る試合をしたいですね」
――推薦で選ばれた4年前とは、かなり意識が違いますか。
「はい。全日本で優勝(2013年)したことが大きかったですね。第5回ワールドカップは和歌山支部から5人選ばれて、自分だけが入賞できませんでした。その悔しさから、次は絶対獲るという気持ちに変わって、全日本でも勝つことができました。今回も優勝だけを考えて舞台に上がりたいと思います。『挑戦』ではなく『獲りにいく』という意識で闘います」
落合光星「”挑戦”ではなく”獲りにいく”」
2015.10.20
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