私たちはいよいよ目前に迫りましたワールドカップの開催に向けて世界中の支部道場が一丸となって邁進しています。主催国となるリトアニア支部や本部ではその準備が大詰めにさしかかり多忙を極めています。心からその努力に敬意と感謝の意を表します。こうした大変な準備も各支部道場の協力によって順調に進んでいるとの報告が上がっています。引き続き、全員で協力して素晴らしい大会にしていきましょう。本大会に出場する選手の皆さん、稽古の仕上がりはいかがでしょうか。恐らく、誰もが厳しい稽古を積んできたことと思います。大会当日まであと少しですから、最高のコンディションで決戦に挑めるように最後の最後まで精進を続けて下さい。
ワールドカップでは、大会以外にも理事会や総会といった国際会議や世界空手セミナーが併催されます。いつも申し上げますが、新極真会は私たちが、私たちの手で作り上げる組織です。そして、その根底にあるのが一修行者としての日々の稽古の積み重ねです。会議では皆さんの意見を出し合い、セミナーでは思い切り汗を流しましょう。
私たちが目指すオリンピック種目化への取り組みも順調に進んでいます。日本では3月18日に「全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO=Japan Fullcontact Karate Organization)」が発足し、日本国内219流派と世界92カ国が加盟する複数の国際団体が一つにまとまりました。当会もその立ち上げ段階から信頼する同志とともに積極的に参画をして参りました。フルコンタクト空手競技の確立と社会認知の向上、これらの推進の延長上にフルコンタクト空手のオリンピックが見えてくると信じています。現段階では、現状のフルコンタクト空手競技がオリンピック種目に採用されることは極めて困難です。また、2020年五輪の追加種目候補とされる空手には、フルコンタクト空手の直接的な関与がないのも事実です。こうした事実を正しく直視することは忘れない。でも、私たちの理想も決してあきらめない。徹底的な可能性の追求を行って初めて、調整や妥協といった必要性が視野に入ってきます。私たちの至上命題は、流派団体を越えた「フルコンタクト空手」の確立に尽きます。統一した競技団体の設立、そのモデルを日本が主体的に担い、この「ジャパンモデル」を世界に向けて発信していきたいと考えます。同時に「空手のオリンピック種目化」に向けた様々な活動には全方位で協力を惜しまないことも付記します。
最後になりましたが、ワールドカップを一致団結してこの大会を成功させ、4月26日に19回目の命日を迎えられる大山総裁の墓前に、私たちの変わらぬ友情と総裁への感謝を報告したいと思います。
新極真会 代表
緑健児