昨年の第57回全日本大会では、準決勝でアンジェイ・キンザースキーに痛恨の敗戦。悲願の優勝、弟・和志との兄弟決勝を阻止されるとともに、伝統の王座の海外流出を許した。リベンジをはたし、その先の夢へと歩みを進めるべく、人生をかけて一夜の決戦に挑む。
── 第2回KCCが目前に迫ってきました。優作選手にとっては2度目の出場となる大舞台です。
「前回大会で光栄なことに日本代表に選んでいただき、本当に貴重な経験をすることができました。自分自身、華やかな舞台に立つことにあこがれがありましたし、周囲からもたくさんの反響がありました。あらためて、すごくワクワクする大会でしたね。その中で優勝できなかったのは、自分の心がチャンピオンになれる状態になかったからだと思います。今回こそ優勝するために、心技体ともに見直して稽古を積んでいます」
── 今大会は、昨年の第57回全日本大会の準決勝で敗北を喫した、アンジェイ・キンザースキー選手へのリベンジがかかる舞台でもあります。
「伝統ある全日本王座を海外に流出させてしまい、和志との兄弟決勝が目前の中での負けでもあったので、本当に悔しかったです。歴史を塗り替えるような出来事で、王座流出は完全に自分の責任だと思っています。他の誰にも委ねるつもりはないので、今回必ずけじめをつけます」
── 前回王者の岡田侑己選手を筆頭に、他の出場選手も強豪揃いです。
「岡田選手は前回闘って、誰よりも試合を楽しんでいるように感じました。それがあの押し寄せるような勢いにつながったと思います。自分も責任を持ちながら、KCCの舞台に立てることを楽しんで、最高の結果を残せるように闘います」
── 先ほど「心の状態」とおっしゃいましたが、その答えは出ましたか。
「昨年のWFKO世界大会で和志が優勝して、その和志を見ていて一番感じたのが心の変化でした。毎日やり残さないこと、周囲への感謝を忘れないこと。和志はそういう部分が変わっていて、『ここが変わったから優勝できたのか』と兄として感じました。自分は今、道場での指導、日々の稽古と空手中心の生活をさせてもらっていますし、道場には自分を慕ってくれる子どもたちもいます。そういった環境に感謝を忘れてはいけないと痛感しました。口で言うのは簡単なので、結果を出して恩返しすることを一番に考えています」
── 充実した精神状態ですね。
「はい。体のコンディションに関しても、KCCに集中するためにJFKOを見送ったので、いい準備ができていると思います。自分ももう28歳で選手として若くないので、ここからは本当に負けられません」
── KCCを『ワールドシリーズ』の幕開けとして、そこから第14回世界大会へと激闘が続きます。
「KCCからの1年数ヵ月は、人生をかける期間だと思っているので、すべての大会で優勝だけを狙います。まずはKCCでしっかりけじめをつけて、その先の(第58 回)全日本大会も優勝できるように、自分と向き合っていきたいと思います」
わたなべ・ゆうさく(世田谷・杉並支部)
1998年6月2日生まれ、28歳
神奈川県出身。170cm、98kg
⃝第1回空手Champion of Champions 3位
⃝第7回全世界ウエイト制大会重量級3位
⃝第57回全日本大会3位
⃝第8回JFKO全日本大会重量級優勝
⃝第13回全世界大会8位