ここ1年で飛躍的な成長を見せてきた渡辺和志。だが、昨年10月の全日本大会決勝ではアンジェイ・キンザースキーに敗れ、日本王座の海外流出を許した。雪辱をはたすべく、ふたたび頂点を見据えて臨むKCC。「覚悟」を携えた彼の心は、もう揺らぐことはない。
── 初出場となる第2回KCCに向けて、調整はいかがですか。
「コンディションはすごくいいです。稽古ではスタミナを強化しつつ、突きを強く、速い回転で打てるように意識しています。KCCでは大きな海外選手とも当たりますが『的が大きい』とプラスにとらえています。5月のJFKOは、KCCに全力を注ぐために見送りました。そのぶん何としても優勝します」
── 今年4月から世田谷・杉並支部上野道場の責任者に就任しました。
「道場生の皆さんは、自分の指導に対して真剣に取り組んでくれています。感謝と同時に、『教えが間違っていないと証明しなくては』という思いが強くなりました。今まで以上に責任感を持って指導に臨んでいます。子どもたちは『先生が一番強い』と言ってくれるので、素直にうれしいですし力になります。応援してくれる人たちのためにも、がんばらなければと強く思います」
── KCCには、第57回全日本大会の決勝で敗れたアンジェイ・キンザースキー選手も参戦します。
「悔しいですが、今振り返ってもキンザースキー選手は心技体が充実していて、勝つべくして勝ったと思います。次に同じ結果になっては絶対にいけないので、リベンジできるように稽古を積んできました。今大会には兄の優作も出場しているので、兄弟対決も実現すればうれしいです」
── あらためて、キンザースキー選手との闘いから感じたことは?
「一番は心の未熟さです。大会を通じての話ですが、WFKOのチャンピオンとして見られている重圧や、負けることへの不安がありました。大会後、塚本(徳臣)師範に正直な心境を伝えたところ、『それは稽古をしていないからではなくて、覚悟が決まっていないからだ』とお言葉をいただきました。師範も同じ経験をされていて、『一度優勝したからこそのプレッシャーがある』と話してくださいました。自分自身の至らなさを痛感した大会でした」
── 心の面で気づきがあったと。
「昨年は飛躍のタイミングであったと同時に、最後に大きな課題が残った1年でもありました。ただ、今回で勝ち切ることができれば、全日本の負けは無駄にはなりません。日本の男子は絶対的エースが確立していないと思うので、ここで『渡辺和志は任せられる存在だ』と結果で示したいです。KCCではブレない覚悟を持って、自分の真価を見せます」
── KCCで見せたい闘いは?
「自分は体格や才能に恵まれたわけではなく、積み重ねが今につながったと思っています。だからこそ、少年部にも勇気を与えられるような、メッセージ性のある試合がしたいです。初めて立つKCCの舞台は、伝えたいことを伝えるチャンスです。最後まで闘い抜いて優勝します」
わたなべ・かずし(世田谷・杉並支部)
2001年8月31日生まれ、24歳
神奈川県出身。170cm、85kg
⃝第1回WFKO世界大会 兼
第8回全世界ウエイト制大会軽重量級優勝
⃝第57回全日本大会準優勝
⃝第7回JFKO全日本大会軽重量級準優勝
⃝第17回全アジア大会男子85kg以上級準優勝
⃝第1回アジアフルコンタクト大会重量級ベスト8