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新極真会の稽古と技術

空手一年生の教科書

新極真会の稽古

新極真会の道場で空手を始めて間もない方に向けて新極真カラテの基本・基礎を紹介します。
「千里の道も一歩から」です。このページを参考に稽古に励んでください。
新極真会では年齢性別経験などにより細かくクラスが分けられている道場もありますが(詳細は各道場にお問い合わせください)、選手クラスなどの特殊なクラスを除き、基本的に以下の流れで稽古をおこないます。

準備運動

稽古は準備運動から始まります。空手では普段の生活ではあまり使われない関節や筋肉を激しく広範囲に使用して稽古します。急な運動で体を痛めないように手首、足首、ヒザ、首、腰など体全体をほぐし稽古に入る状態を作ります。
また、この準備体操は体を柔軟にするだけではなく、空手の動きに適した体を養う働きもあり、ケガを予防する役割もあるので、気を抜かず集中しておこないましょう。

基本稽古

基本稽古は空手を習う上で、すべての基本になるものです。三戦立ちと騎馬立ちなどから、突き、受けや蹴りを行ない、左右対称の軸運動で、バランスを取れるよう、合理的な体の動かし方を覚えましょう。
指導員の号令に合わせて大きな声で気合いを出し、ひとつひとつ手を抜かずに取り組むことが大切です。自主稽古などで自分がどういう動きをしているのか、鏡で確認すると効果的に覚えることができます。

※基本稽古の際は以下のことを意識しながらやってみましょう。
正拳:中段突き、上段突き、アゴ打ち、下突き
握り拳を作り、その形を維持しましょう。しっかり握ることで、握力も養えます。

裏拳:正面打ち、左右打ち、脾臓打ち、廻し打ち
拳を放つ際に腕を鞭のようにしならせて、スナップを効かせましょう。

手刀:顔面打ち、鎖骨打ちおろし、鎖骨打ちこみ、内打ち、脾臓打ち
手の側面ではなく、掌底の肉の厚みのある部分で打ち込みます。親指を中に織り込んで、中の肉を締めるようにしましょう。

蹴り:前蹴上げ、内廻し、外廻し、ヒザ蹴り、金的蹴り、前蹴り、横蹴上げ、関節蹴り、横蹴り、後ろ蹴り、廻し蹴り
空手で使う足の部分は背足、中足、足刀、カカトです。各部分を意識して蹴り技を出しましょう。

移動稽古

基本稽古で習得した突きや蹴りを移動しながら繰り出すのが、移動稽古です。重心移動させて、突きや蹴りの連携やバランスを覚えましょう。主に前屈立ち、後屈立ち、騎馬立ち、組手立ちで行ないます。移動稽古を習う上でのポイントは移動した後、棒立ちにならないよう、頭の高さを一定に保つように前進しましょう。また、突きや蹴りを放つ時に一瞬だけ片足になります。片足だけで自分の体重を支えられように、片足スクワットなどで足腰を強化しましょう。

型とは?

基本稽古で習得した突きや蹴りを移動しながら繰り出すのが、移動稽古です。重心移動させて、突きや蹴りの連携やバランスを覚えましょう。主に前屈立ち、後屈立ち、騎馬立ち、組手立ちで行ないます。移動稽古を習う上でのポイントは移動した後、棒立ちにならないよう、頭の高さを一定に保つように前進しましょう。また、突きや蹴りを放つ時に一瞬だけ片足になります。片足だけで自分の体重を支えられように、片足スクワットなどで足腰を強化しましょう。

型を習うことの意義

大山倍達総裁は組手を重要視していましたが、つねづね『型も忘れてはいけない』とおっしゃっていました。型は決まった動きしかできません。その中で行なう力の強弱、技の緩急、呼吸の調整は組手と共通するところがあります。最初は覚えることで精いっぱいでしょうが、やり続けることで、全身にバネがついたり、バランス力がついたり、総合的に鍛えられます。前屈立ち、後屈立ち、騎馬立ちでバランス崩さず、スムーズに体を運用できるようにしましょう。

型の種類

新極真会では以下の型を指導しています。
太極そのⅠ、太極そのⅡ、太極そのⅢ、足技太極そのⅠ、足技太極そのⅡ、足技太極そのⅢ、平安そのⅠ、平安そのⅡ、平安そのⅢ、平安そのⅣ、平安そのⅤ、三戦、転掌、最破、十八、安三、突きの型、撃塞、征遠鎮、臥竜、観空、五十四歩
初心者のうちはシンプルな太極Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを学び、段級が上がるごとにより複雑な型を習得します。昇級昇段審査でも型は必須科目なのでしっかり覚えて練度を高めましょう。

型を稽古する上での注意点

まずは前屈立ち、後屈立ち、騎馬立ちといった一つ一つの立ち方やワキの絞め方、丹田の力の入れ方、気合いを入れることでの呼吸をしっかり正確に覚えることです。まずは動きを覚えなければなりませんが、それを覚えてからが大切です。力の強弱、技の緩急、呼吸の調整に留意しましょう。

型の試合にむけての注意点

2010年よりドリームカップで型が競技化されたことにより、型のレベルは飛躍的にアップしました。一方、試合ですから、よく見せようと『過剰な動作』をする人も目につきます。もともと型は勝敗を争うものではなく、稽古の一つの方法でした。それを競技化してしまうと、相手よりよく見せようと動きがオーバーになってしまう方が多く見受けられました。審判が見ている部分は気迫や力強さです。組手に活かせる気迫や力強さが重要です。ただきれいなだけにならないようにしましょう。

ミット・サンドバッグ

基本稽古と移動稽古で覚えた技を組手に使うために実際にものを突き蹴りして鍛錬するのがミットやサンドバッグの稽古です。ミットには様々な形があり、それらによって目的が異なります。当てる部位が狭いパンチミットやキックミットは正確な位置にしっかり技を当てる稽古に適しています。持ち手の全身を覆うようなビッグミットでは突き蹴りをフルに使ってのコンビネーションやラッシュが自由におこなえ、またスタミナを効果的に養うことができます。
ミットやサンドバッグは上記以外にも様々な使用方法があります。師範や指導員の指示に従って様々な稽古法を試してください。

組手

ここまでに教わった技術を対人の攻防の中で試す稽古が組手です。組手は技術、体力、精神力といった心技体すべてを問われる稽古です。極真空手には「空手の命は組手にあり、組手の命は基本にあり」 という大山総裁の言葉が伝わっており、すべての稽古は組手のためにあると言っても過言ではありません。一方、組手稽古の際には安全面に配慮し、拳、スネ、金的にサポーターを着用します。また少年部はヘッドガードを着用します。
組手稽古は基本的に新極真会の大会ルールに沿っておこなわれますが、指導の内容によっては一部の技に限定するなどの変則的な組手もあります。

体力稽古

空手に求められる体力とは

空手ではパワー、スピード、スタミナ、柔軟性など多岐にわたった体力が必要です。また空手は体全体を使うので、全身のあらゆる部分を鍛える必要があります。
首……衝撃に耐えられる筋力
腕……突きの力のアップ
胸……腕の振りを速くでき、突きの力を上げる
腹……打たれ強さを増す。抱え込む動作が速くなり、蹴る力を上げる
脚……蹴る力を上げる

体力をつけるには

空手の稽古には全身を鍛える、すべての要素が含まれています。手を抜かずに一生懸命行なうだけで、体力は自然とついてきます。また、腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワットの補強運動だけでも、体力強化につながります。スタート段階は、自分のできる回数をこなしていけばいいでしょう。少し負荷をかけて回数をこなせば、より効果的です。ダンベルやバーベルなど負荷をかける専門的な器具がなくても、パートナーがいれば、相撲や綱引き、手押し車、逆立ち歩行など、負荷をかけたトレーニングが可能です。

体力稽古の効果

体力が増すとしっかりとした技が出せるようになります。試合でたくさん打ち込んでも、技が効かなければ、逆に一発でやられてしまう可能性もあります。また稽古と食事と休息のバランスがうまくとれるようになってください。体力がつけば、取り組む意識も変わってきます。レベルアップするには、より負荷をかけたトレーニングをおこないましょう。

道場訓・掃除

空手に求められる体力とは

稽古の最後に道場訓の唱和と道場の掃除をおこないます。道場訓は大山倍達総裁が吉川英治先生の監修を受けて作られました。空手を学ぶ者の心掛けが込められています。意味をよく理解し、暗唱できるようにしましょう。
道場の掃除は稽古に参加した全員でおこないます。掃除は禅の世界では心を磨く行とされ、大事な稽古のひとつです。使用した道場や共に稽古した仲間に感謝して心を込めておこないましょう。
道場訓とその意味はこちらに掲載しています。
→新極真会・道場訓

昇級・昇段審査

昇級審査、昇段審査とは

稽古を重ねて、自分の実力がどれくらいついているのかを師範、先生に見てもらい昇級、昇段にふさわしいかを審査をします。学校で言えば実力テストです。

審査を受ける目的

級、段が上がることでステップアップしたことになり、次の目標を持つ新たなスタートになります。また帯が上がることで後輩たちに対して、空手の技だけではなく、礼儀、言葉遣いなどお手本となっていかなければなりません。何事も目標を持って稽古していくこと、チャレンジすることが大切です。さらに上を目指す向上心を持つことにもつながります。

審査の内容

審査は基本、移動、型、体力(拳立て伏せ、ジャンピングスクワットなど)、柔軟、組手の項目で行ないます。基本は白帯から有段者まで変わりません。移動稽古は帯によって難しさが変わります。型は白帯の太極Ⅰからはじまり、帯が上がるごとに平安、安三、突きの型、黒帯(初段)の審査では三戦、転掌や最破が入ってきます。組手は茶帯(2級)を受ける時に5人組手、初段を受ける時は10人組手を行ないます。その他、各支部、道場で内容を工夫して行なわれます。

昇段審査での10人組手の意義

創始者の大山倍達総裁は『空手の命は組手にあり』といつもおっしゃられていました。基本や型がうまくても、組手が弱くては真の強者(強い人)ではありません。それでは自分の家族や身の回りの人が、危険な場面に出くわした時に、守ってあげることも助けることもできません。ですから昇段審査では、厳しい10人組手を闘い抜いた者だけが、昇段を許されます。そこで技術はもちろんのこと、最後まで諦めない強い精神力があるかどうかも審査されます。

審査を受ける上での心構え

審査前は稽古をできるだけ休まないようにすることです。そして師範、先生の言うことをしっかり聞く。師範や先生は大切なことをたくさんお話しています。自主稽古なども積極的にしましょう。審査会前日はしっかり睡眠をとり、当日を迎えましょう。当日も朝食をしっかりとって、万全で早めに審査会場にいきましょう。審査会前では、ストレッチを十分にして、型などの最終チェックをして下さい。今までやってきたことに自信を持って、堂々と審査に臨みましょう。

審査での注意点

基本稽古
手技では三戦立ち、騎馬立ちでしっかり構えて、基本技に全力で気合いを入れて行ないましょう。その際、拳の握り、手刀、引き手に気をつけましょう。蹴り技も中足、足刀の返し、背足の伸ばしなどに注意して蹴ることです。帯の前、横をしっかり掴み、帯から手が離れないように注意します。そしてヒザの抱え込みもしっかりと行ないましょう。手技や足技とも手だけで突いたり、受けたり、足だけで蹴らないように、腰を入れて行ないましょう。
移動稽古
前屈立ち、後屈立ち、騎馬立ち、三戦立ちを正しい足幅で行ない、移動の際、体の上下動を少なくして、バランスを崩さないようにしましょう。
正しい立ち方、正確な移動、受け、突きを心がけましょう。気合い、残心を忘れないように。平安以上になってくると『力の強弱』、『技の緩急』、『呼吸の調節』が重要となります。三戦、転掌では息吹がしっかりできているか審査します。
組手
組手は最後の項目となりますが、その前に拳立て伏せ、ジャンピングスクワットなどの体力を見る項目があります。まだそれまでの審査項目の疲れが溜まった状態での組手となります。気持ちをしっかり持ち、組手立ちで顔面をガードしましょう。肩の力を抜き、丹田を意識して、組手する相手の攻撃に対応できるようにしましょう。そして間合いに合った技を正確に極めて行きましょう。受けもしっかりとしましょう。

師範の視点

普段、稽古をしていることを審査するわけですから、昇級、昇段する級、段の移動、型ができない、わからないでは不合格となります。師範、先生は、まず全力でやっているかどうかを見ます。基本で力を抜いている人はすぐわかってしまいます。支部、道場で受ける場合は普段の稽古で努力しているか、礼儀などの行ないはどうか、行事に参加しているかも考慮されます。

黒帯を目指す意義

入門者した時の挨拶で良く聞かれるのが、『空手を始めたのだから何年経っても黒帯を取るまではやめません』という力強い話です。それくらい入門者にとっての黒帯は神々しいものなのではないのでしょうか。黒帯を取ることは簡単なことではありません。しかし、師範、先生の指導の下、先輩、同輩、後輩と積み重ねることによって、着実に力がついてきます。黒帯を取ることにあきらめないで、努力した者は必ず取得することができます。何歳から始めても遅いということはありません。

大会出場

大会に出場する意義

稽古の集大成として試合で自分の力量を確かめてみましょう。もちろん勝負ですから勝ち負けがつきます。勝者は勝つ喜びを、敗者は負けた悔しさを知ることが大切です。

出場の注意点

まずはルールを覚えましょう。試合規約が事前に主催支部より配布されます。1分30秒だと思ったら実は1分で何もできずに負けてしまった、ということがないように自分の出場する試合時間などをしっかり把握しましょう。

試合での心構え

勝つという気持ちがをしっかり持ちましょう。道場の稽古では動きがいいのに、試合に出るとガチガチに緊張してしまって負けてしまう選手がいます。気持ちの部分で負けないようにしましょう。

出場の決定

大会に出ることを許可するのは支部長、先生といった指導者です。指導者は本人のやる気と将来性を見て、試合出場を決めたり、促したりしています。試合に出るには登録料や交通費など、お金もかかります。家族、指導者とよく相談して決めるようにしましょう。

新極真会の大会

新極真会では主に以下の大会を開催しています。
交流試合、県大会、ブロック大会、カラテドリームカップ、全日本空手道選手権大会、カラテワールドカップ、全世界空手道選手権大会

世界大会などの日本代表選手になるには

全日本選手権大会など日本代表選抜戦となっている大会で基準となる成績を修める、または近年の成績から推薦されるなどの選抜を経て日本代表選手は決定します。それを目指す過程でもっとも重要なことはなりたいと強く思うことです。日本代表を経験した人はすべて、空手を習い始めた頃から『世界大会に出たい』という気持ちを持っています。なりたいと強く思う気持ちが、稽古の量を自然と増やし、日本代表に近づくことができるのです。
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