絶対に自分が他流派を止めるという気持ちで全選手に臨んでほしいーー塚越孝行


塚本徳臣、鈴木国博という歴代世界チャンピオンがいる中で、 彼らを目標にして日本一となり、そして世界一となった。 偉大なライバルたちと切磋琢磨することで圧倒的な強さを 手に入れることができた元王者は、新世代の台頭に注目していた。

――世界大会の翌年の全日本大会は、すべて初優勝となっています。新世代の台頭が顕著ですが、第回大会で塚越支部長も初優勝となりました。どんな思い出がありますか?
「この時は、絶対に優勝しなければいけないと思っていました」

――優勝が最低目標だったと。
「はい。この大会で優勝しないと、全世界ウエイト制の日本代表に入ることができなかったため、必死でした。すでに、その年の全日本ウエイト制大会重量級で塚本(徳臣)先輩と小泉(英明)先輩が優勝と準優勝したことで日本代表に入り、(鈴木)国博先輩も出場が決まっていたため、枠がひとつしかありませんでした。第8回世界大会の表彰式の時に、準優勝された逢坂(祐一郎)先輩に『これからの重量級をよろしくね』と声をかけていただいていたので、駆け出しの自分ではありますが、やらなければいけないと思っていました」

――期待をかけられていたんですね。
「大会時は、とくに他流派の強豪選手と対戦する前になると先輩方から、『がんばれよ』と激励の言葉をかけていただき、気持ちが入りました。優勝を目指すことはもちろんですが、他流派と対戦する時は、絶対に自分で止めるという意識で闘いました」

――今大会は、他流派の強豪選手がたくさん参加していますので、当時の状況と似ているのかもしれません。
「他流派の選手と切磋琢磨することでレベルアップにつながりますので感謝をしていますが、新極真会主催の全日本大会ですし、やはり新極真会の男子選手に王座を死守、女子選手は奪還をしてほしいです」

――全日本大会で優勝した時は、俺の時代が来たという感じでしたか?
「それはなかったですね。塚本先輩、鈴木先輩もいましたし、強い先輩方がたくさんいましたので」

――世界大会、世界ウエイト制で優勝した後も、意識は同じでしたか?
「そうですね。新極真会の日本代表として、世界の舞台では一緒に闘いましたが、両先輩に教わっている立場でもありましたので、頼れる先輩が、いつも近くにいてくれている感じでした」

――第9回世界大会は、塚本先輩、鈴木先輩が負けて、あとは自分だけという立場でした。あの瞬間は、エースを自覚したのでは?
「エースというか、『自分が絶対に勝つ』という気持ちでした。準決勝前、両先輩に激励され、あとは日本の命運を自分に託されたわけですから覚悟を決めるしかないですよね。それをエースと呼ぶのかはわかりませんが、少なくとも自分は両先輩がいつもいてくれたことで、立場としては、気持ちが楽だったかもしれません。島本雄二チャンピオンは、先輩方が引退する中で牽引し、勝たなければいけなかったので、とても大変だったと思います」

――塚越支部長が考える、エースの条件はありますか?
「本来は一人ひとりが自分の役割を意識して責任感を持ってやっていくべきだと思っています。リーダーシップについても、それぞれ個性が違いますので、『俺についてこい』という積極的なタイプもいれば、背中を見せて全体を引き上げる人もいます。自分のようにキャプテンの補佐をするような立場で力を発揮する選手もいることでしょう」

――なるほど。
「覚えているのは、第8回世界大会の時だったと思いますが、日本人選手が次々と負けて雰囲気が悪くなっている時に、逢坂先輩が『俺に任せろ』と言い残して試合場へ上がり、海外の選手に一本勝ちして戻ってこられたことがありました。あれで日本の士気が上がったことが記憶に残っています。自分にとって理想のエス像は何かと問われれば、塚本先輩、国博先輩はもちろんですが、逢坂先輩のような方かもしれません」

――いざという時に力を発揮することもエースの条件かもしれませんね。今大会で、そういう立場になりそうな選手はいますか?
「それは、大会が始まってみないと何とも言えませんが、島本雄二という絶対的なエースがいないわけですから、大きな転換期であることは間違いないですよね。他流派の選手は、王座を狙いにくるでしょうから、迎え撃つ新極真会の選手は、彼ら以上に強い気持ちが必要になります。インターネットが普及して情報が広がる中で、技術的な差は昔よりも少なくなっているように感じます。何が差になるかと言えば、心技体の心の部分ではないでしょうか。誰よりも強い気持ちで試合に臨んだ選手が、最後は勝ち抜くと自分は思います」

――一番強い気持ちで大会に臨む選手が、誰なのか気になるところですね。歴代の世界王者に今大会の注目選手を何名か挙げてもらっていますが、誰になりますか?
「他流派だと後藤優太選手ですね」

――ほとんどの方が、後藤選手を挙げています。どういう点が気になりますか?
「新極真会の立場から見ると、一番危険な選手だと思います。島本雄二選手と当たった時は大学に入ったばかりで、高校まで違う競技を中心にやっていたと聞きました。島本選手とあそこまで闘えたことに驚きました。そこからの成長率を考えると、とんでもない選手になっている可能性もありますので、伸びしろが気になるところです。背が高くて瞬発力があって、島本選手に対しても気後れしなかった点も含めて、一番の強敵になりそうです」

――新極真会の選手は、誰が活躍できそうですか。
「実績から見ても加藤大喜選手、江口雄智選手、入来建武選手でしょうか。あとは島本一二三選手もそうですし、第回世界大会に出場した日本代表選手にも期待しています」

――先に挙げた3名は、それぞれどんな評価をされていますか?
「加藤選手は世界大会3位に入ったことで自信になっているでしょう。全日本大会でも準優勝しているため、今回こそはという思いが強いはずです。優勝に一番近い距離にいるのではないでしょうか。江口選手は以前も話しましたが、実績と実力を着実につけてきて、頼もしい選手に成長しました。優勝する力を十分に持っています。入来選手は、ここ最近は最後の爆発力が少なくなってきていますので、かつてのラッシュが戻ってきているかが勝ち上がるためのポイントになるのではないでしょうか。一度は全日本大会で優勝もしていますので期待値は高いです」

――加藤選手、江口選手、入来選手の3名に加えるとすれば。
「一二三選手でしょうね。年齢やキャリアから考えても、精神的な支柱になる存在なので、組織全体として考えた時に、一二三選手が王座死守の鍵を握っているのかもしれません」

――一二三選手のブロックには後藤選手がいますので、たしかにキーマンになってもおかしくないです。
「一二三選手も含めて、絶対に他流派を自分が止めるという気持ちで全選手に臨んでほしいです。それができれば、男女の王座死守・奪還が見えてくると思います」

東日本大震災復興支援チャリティー/骨髄バンクチャリティ-
第52回オ-プント-ナメント全日本空手道選手権大会

開催日 : 2020年11月21日(土)・22日(日)

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