前回大会は準優勝。長いブランク明けながら、世界ウエイト制大会でも重 量級で準 V に輝いた。決して折れない鋼のメンタルと、怒とうのラッシュは いまだ健在。4 度目の世界大会で、つかみかけた世界一の称号を手に入れる。
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——世界大会が目前に迫ってきました。
マズール トップの状態で大会の日を迎えられるように準備しましたし、実際に満足のいく準備ができました。
——コロナパンデミックとウクライナ危機という部分を考慮すると、このタイミングで世界大会が開催されることに、どのような意義があると考えていますか。
マズール こういう時だからこそ、世界中の人々が出会い刺激を受けるようなイベントを開催することは非常に重要だと思います。
——ポーランドは隣国ウクライナからの難民を受け入れています。世界平和に対する思いもお聞かせください。
マズール世界平和は私たちの生活のすべてにおいて不可欠な要素です。私たちは過去の数世紀と比べ、より平和な時代に生きていることに感謝すべきであり、それを維持するために多くの努力をすべきでしょう。
——世界ウエイト制大会は準優勝という結果に終わりました。あらためて昨年の大会も振り返ってもらえますか。
マズール 私にとっては、いい大会でした。レベルの高い選手たちと対戦した上で決勝戦に進出することができ、とてもうれしかったです。負けはしましたが、トータルでは自分のパフォーマンスに満足しています。
——決勝戦で対戦したエヴェンタス・グザウスカス選手の印象、また優勝するためには何が足りなかったと思いますか。
マズール グザウスカス選手はここ数年、先頭集団を走り続けている選手ですので、彼に若干のアドバンテージがあったように思います。ただ試合はかなり接戦で、もっと長く闘うことができたかもしれません。彼とはいずれもう一度、闘う機会もあるかと思います。
——準決勝で対戦した入来建武選手との試合についても、感想をお聞かせください。
マズール 入来選手は試合開始直後からラッシュをしかけてきましたが、後半にかけてはところどころで自信を失っているように感じました。ですので、本戦は引き分けの可能性もあったように思います。私が思うに審判の判定が少し早すぎたようにも思いますが、前回の世界大会でも多くの試合でこのような判定の傾向がありました。それを思えば順当な結果だったのかもしれません。
——しばらく試合からは遠ざかっていましたが、試合の中で影響はありましたか。
マズール 問題はありませんでした。先ほども言いましたように、数年間、競技に集中してこなかったことが多少、結果に影響したのかもしれません。しかし、世界ウエイト制大会では闘いを楽しむことができました。
——2019年の世界大会では「この大会が選手としてのキャリアの転機になる」とコメントされていました。今大会もまた選手としてのキャリアの集大成になる可能性もありますか。
マズール そうですね。その可能性が高いと思います。
——前回の世界大会は準優勝でした。今大会にかける思いと、優勝するためには何が必要になるでしょうか。
マズール 身体的、精神的、技術的、そのすべてを十分に準備しておく必要があるでしょう。私はコートを降りた時に何も後悔しないことを望んでいます。それができれば、おのずと自分の結果にも満足できるでしょう。
——世界大会に向けて、どの分野にフォーカスを当てつつ日々の稽古に取り組んできましたか。身体的、精神的、技術的な部分で、具体的なポイントがあれば教えてください。
マズール どの分野ということではなく、世界大会に向けて総合的に向上させるということに焦点を当てました。
——週の稽古日数、1日あたりの稽古時間はどれくらいでしょうか。また日課としているトレーニングなどはありますか。 マズール 1日に2回稽古をすることもあるので、通常は週に8回トレーニングを行なっています。1回のトレーニングに費やす時間は、最大で2時間です。
——マズール選手の中で「他の選手に、ここだけは負けない」と思うものはありますか。
マズール スポーツの世界では敗北はつきものです。ですので、私はそこにはあまり意識を向けていません。したがって、審判の判定についてあまり考えすぎず、全身全霊で闘い、決してあきらめないことが重要です。
——過去の大会では男子のチャンピオンは、すべて日本人選手でした。日本人が王座を独占してきた要因は何だと思いますか。
マズール それは難しい質問です。おそらく要因は一つではなく、さまざまな要素が組み合わさっていると思います。たとえば優れたテクニック、健全な精神、競技人口の多さ、イベントの主催国であること、など。年によっても要因は異なると思います。
——東京での開催となりますが、異なる環境と時差にどのように対処しますか。
マズール 特別な戦略はありません。私の場合、時差も問題はないです。
——トーナメント表を見て、どのような感想を持ちましたか。またどの選手がライバルになりそうですか。
マズール 優れた選手がたくさんいますが、私のブロックで言うと、前田勝汰選手と入来建武選手が最も厳しい相手になりそうです。ただ、他の選手がサプライズ的にライバルになる可能性も大いにあると思います。
——では、あらためて世界大会に向けての意気込みをお願いします。
マズール 充実した追い込みの数週間を過ごすことができました。競技が始まるのを楽しみにするだけです。