昇段とこれから
私は以前、黒帯に対してそれほど『すごい』という印象は、正直ありませんでした。また、黒帯を取りたいという気持ちも強くはありませんでした。なぜなら、たまに試合で色帯の選手が黒帯の選手に勝つのを見て、『帯なんて組手の強さには関係ない』と考えていたからです。
私は高校生になってから昇段審査を受けることを決めました。そして、黒帯を意識して稽古していきました。そうしているうちに色帯の自分と黒帯の先生や先輩たちとの差や違いが見えてきました。例えば、基本稽古や型のスムーズで速い動きや、丁寧でパワーのある組手などでした。それだけではなく、後輩たちへの指導の仕方や話し方も色帯の自分には真似もできないものでした。いつのまにか私の考え方は変わっていて、『黒帯はやっぱりすごい』と思うようになりました。その黒帯に自分も一歩でも近付こうと必死に稽古しました。
審査当日はいつもと道場の雰囲気が違っていてとても緊張しました。その緊張もあってか、基本稽古、移動稽古、型、補強、柔軟運動を終えた頃にはすでにヘトヘトでした。
絶対に負けない、と意気込んでいた最後の十人組手では先生や先輩たちにこてんぱんにやられてしまいました。突きが効いたときには何度も諦めてしまいそうになりました。それでも、応援してくれた人たちの「頑張れ！」のおかげで何とか十人組手をやり遂げることができました。終わったときには、達成感よりも、うまくいかなかった悔しさのほうが大きかったです。
審査の内容はまだまだで、反省点も多くありますが、合格したことを知ったときはとても嬉しかったです。
それと、やっと自分も一人の空手家になれたような気がしました。
私は新極真会の黒帯を大阪阪南道場でとれたことを誇りに思っています。そして、これで満足することなく、これからも気を引き締めて稽古に励みたいと思っています。
最後になりますが、今回、黒帯をとることができたのも、岸田先生、土田指導員、室谷指導員、大阪阪南道場生のみんな、お父さん、お母さんが支えてくれたことのおかげだと思っています。ありがとうございました。
押忍。
大阪阪南道場
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