この度昇段のお許しをいただいた前田師範、野上師範代、支えていただいた大阪北支部の先輩、後輩、仲間達、家族に心から感謝致します。
空手を始めたのは、自分自身の不足を補うためです。
当時37歳後半。
何をやっても中途半端。
臆病でなんの結果も残せていない事実。
自分を変えたくて、他支部で稽古に励んでいた同級生から紹介され入門しました。
厳しい世界は承知の上でしたが、稽古は想像を絶する厳しさでした。
しかし、道場では厳しさと同じだけ大きな暖かさに触れ、”強さは優しさ”を実感しながら充実した時間を過ごしました。
たくさんの方々に育てていただき、注入されたエキスで武装し臨んだ審査会。
20分間に及ぶ10人組手。
その前にある回転移動稽古、裏の型、補強を全力で行い、既に息は上がり筋肉が痙攣を始めましたが、この日のために準備してきたのです。
心も体も人生最強の瞬間です。
「よし、頑張るぞ」と意気込むも、いざ組手が始まると、これまた想像を絶するキツさでした。
悲観的発想が全身を襲い、むき出しの恐怖に包まれました。
「今日まで何やってきたんやろ、まだ早かったやん･･･あかん、実力足らん･･･つらい・・・」ネガティブな言葉しか出てきません。
そうしている間にもレバーを効かされ、鳩尾を突かれ、鎖骨を攻められ、攻撃どころか後退の一途。
情け無い組手になりました。
それでも従来の発想とは違い、途中で諦める選択肢はありませんでした。
本当にギリギリですが、最後まで立っていられたのは、熱い声援と勇気を送り続けてくださった先生や先輩、家族、仲間達の存在があったからです。
そして、こんな自分にも、黒帯の権利を与えていただきました。
初段でようやく初心者卒業、今からが空手修行の始まりと聞きました。
ようやくその立場に立ちました。
始まりの意味が持つ重さを感じています。
課題をひとつひとつ確実にこなしていくしかないと思っています。
伝統ある新極真会大阪北支部の黒帯として誇りを持ち、後輩の手本となれるようこれからも精進致します。
ありがとうございました。押忍
大阪北支部
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