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青森支部 工藤雄太 初段昇段レポート(2019年6月9日)

2019.07.15
昇段レポート

空手を始めたのは強くなるためです。
帯を追い求めてやってきた訳ではありませんが、空手で自分がこれまで積み上げてきたものが、こうして昇段に値すると評価して頂けたのならば、とても光栄に思います。
とは言え、この瞬間から劇的な力や技を手に入れる訳ではないので、今後も淡々粛々と稽古を重ねていくのみです。

先日、ある山を登ったのですがそこでの気付きが自分の現在地を考えさせ、往復10時間の行程が、在り方を見つめ直す時間となりました。
登り始めてすぐに自分の先を歩く者の姿が目に入り、それを追い越そうと自然と歩みが早くなりました。
その者を追い越し、少し行くとまた先を歩く者が見え、それも追い越すと更に前を歩く者が現れました。

これまで選手として高みを目指し、厳しい稽古に打ち込んで数々の大会に出場しましたが、何一つ自分の思い描くような結果を残す事はできませんでした。
努力したつもりになっていただけなのか。
正しい努力はできていたのか。
情熱は足りていたのか。
山や森はただただ静かで、何も答えてはくれませんが、拒む事もしません。

息を切らして歩いていると、背後の気配に気付き、負けじと歩くのですが、後から来た者に追い越され、どんどんと引き離されてしまいました。
木や森を見ず、人に捉われて山を登り、競う事ばかりを考えて空手をしていた事に気付きました。

他人と比べては、あの人の様になれたら、こういう風にできたらと劣等感や嫉妬心で高さばかりを求め続けてきた空手ですが、これからは深さを志して稽古に励んでいきたいです。
頂は捉えても見過ぎず、方向性に重きを置いて振り返った時にここまで来たかと思えるような生き方で在りたいと考えています。

鳴海師範をはじめ道場のみなさん、奥村師範、千葉南支部のみなさん、八尋師範、オーストラリア支部のみなんさん、これまでの多くの人の導きや支えがあって今に至る事を忘れず、自分らしい空手を続けていきたいです。

※青森支部情報はこちらよりご確認下さい。


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