この度は、昇段審査の機会をいただきありがとうございました。
根っからの無精者、面倒くさがりで何を始めてもいつも中途半端。空手に出会う前の自分は、酒食に耽り、休みの日といえば日がな一日益体もないことに時間を費やしているだらしのない人間でした。
当時の自分を知る友人に「空手を始めた」なんて話をしたら、一体なんの冗談だと嘲笑の的になったものです。
「少しだけ体験してみようかな」と、なんとなく軽い気持ちで始めた空手。当初はもちろん「どうせ長続きはしないだろう」と自虐的に考えていました。
しかし、稽古に臨むと活力が湧き、壮年になっても何かを学び上達できる新鮮な喜びや感動といった、武道という非日常の世界に没頭していくうちに、空手は自分にとって欠かすことのできない心の糧になっていきました。
何事も上達するのは楽しいものです。
今回の昇段審査という挑戦から学んだのは「続けること」の大切さでした。何かを達成するために必要なのは、この「続けることの楽しさに気づく」ということです。
たった10回の腕立て伏せやスクワット、3分だけのストレッチ。
最初はどんな小さなことでもいい。一見馬鹿らしく見えても、周りから褒められなくてもいい。
とにかく何がなんでも辞めずに続けること。
熾火に息を吹きかけて、火が決して絶えないように。毎日のほんの僅かな努力の成果が目に見えなくても、一歩ずつ確実に進めばやがて大きな自信と成功に必ず繋がるはず。
怠け者の自分にそう言い聞かせ、気が付いてみれば10年の歳月が経っていました。
そんな自分が今まで倦まず弛まず稽古を続け、今回の審査で初段位を賜ることができたのは、篤実で真摯な小井師範、明るく熱心な谷口師範代、そして道場の多士済々の仲間たちすべての支えがあったからこそであり、言葉に尽くせぬほどの感謝の念に堪えません。
これからも驕らず慢心せず「小さな毎日」を積み重ね、新しい目標に向かって心技を磨いてまいります。押忍
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