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福岡支部5戦士世界大会初挑戦への決意

2015.10.30
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 大通りの交差点に面した福岡本部道場は、エネルギッシュなムードに満ちあふれていた。
 福岡地区の江口雄智、藤原将二郎。北九州地区の亀山真、越智純貴、南原朱里。世界大会を目前に控え、日本代表メンバー5人が集結していた。さらに、この日は緑健児師範が駆けつけ、小中高生の有志も参加。支部一丸となった稽古がスタートした。
 まずは腹筋・背筋で徹底的に体幹を鍛え上げる。続いて腕立て伏せ。緑師範が現役時代に行なっていた体のベースづくりだ。狙った筋肉にしっかり効くように、師範がフォームを細かくチェックする。
「強くしようと思ってやらないと、強くならないぞ。無駄な稽古にならないように集中しろ」
 4度目の世界大会出場を逃したベテランの森健太も、コーチとして協力していた。福岡支部には森や渡辺大士、山野翔平など、最高峰の舞台で闘ってきた選手が多い。彼らが小柄な体格で世界大会を制した緑師範にあこがれて稽古に取り組んだように、今は10~20代の原石たちが身近にいるトップ選手を目標に技を磨いている。

 日本代表の5人も平均年齢20歳という若さ。一番年上の亀山と藤原でも23歳で、南原は全出場選手の中で最年少となる16歳だ。
 藤原と越智はカラテワールドカップを経験しているが、無差別の世界大会は5人全員が初出場となる。経験の浅さは否めないが、そのかわり新世代であるがゆえの勢いがある。そして足りない部分は、師範や先輩たちの経験によって補えるという強みがある。
「先輩たちが世界大会に出ているところを見ているので大会の雰囲気はわかりますし、外国人選手との闘い方もいろいろと教えていただいています」(藤原)

 世界大会ならではの雰囲気、体験をもとにした外国人対策などを学べることは大きなアドバンテージだろう。一方で日の丸を背負うことの重大さも伝えられている。
「日本代表である以上、初日で負けるようなことがあってはいけないと思います。師範もおっしゃっていますが、日本代表に恥じない闘いをして、自分のブロックからは絶対に海外勢を出さないようにしないといけない」(江口)

 師範代として北九州地区で指導を続けてきた渡辺から託された思いもある。渡辺は最終選抜戦のJFKO全日本を前に腕を骨折。ラストチャンスと決めていた世界への道を絶たれた。一時は支部内が悲しみに包まれたが、魂のバトンを受け取った選手たちにとっては、それがモチベーションを高める要因の一つになった。
「北九州では渡辺先生と亀山選手、山野選手、自分の4人で、いつも朝練をしていました。みんなで世界大会に出ようとがんばってきたので今でも悔しい気持ちがありますが、渡辺先生の思いも背負って力いっぱい闘いたい」(越智)

 南原も渡辺の直接指導のもと、福岡支部初の女子代表となった。
「この年で世界大会に出られるとは思っていませんでしたが、渡辺先生のご恩に報いるためにも、最後まであきらめずに結果を出したいと思います」(南原)

 稽古量では他の支部に負けない、という自信は全員が持っている。それはハイレベルな仲間同士が、日々の競争相手でもあるからだ。
「年が近いので、みんなが意識し合っています。自分より動いている選手がいたら、それが悔しくて次の日はもっと動こうと思います。それに森先輩や渡辺先輩が世界と闘うために死に物狂いで稽古している姿を昔から見てきているので、それ以上にがんばらなければいけないという気持ちもあります。こういう環境で稽古ができるのは、ありがたいですね」(亀山)

 シャドーが終わり、ビッグミットで心拍数が上がると、次第に選手たちの表情も険しくなった。暑さと疲労で、突きや蹴りの威力が落ちそうになる。
「セイヤ!」
 腹の底から絞り出すような気合いを発し、再びミットに向かって前進していく。ハードな稽古だからこそ、その壁を乗り切ることによって得られるものが大きいことを彼らはわかっている。それでも時おり集中力が欠けそうになると、それを見透かしたかのように緑師範の檄が飛ぶ。
「苦しい時こそ出し切れ! それが本当の力になるんだぞ」
 厳しさだけでなく、希望が宿った世界王者の言葉。選手たちの目が輝き、また手数が増える。
 組手に続き、最後は全身に防具をつけた相手と打ち合う〝ガンダム〟がはじまる。ダメージを負わない相手が、2分ごとに交代するという超実戦的メニューは、外国人対策としても有効だろう。
 3時間を超える濃密な稽古が終わった。だが、普段の朝練には、この日以上の内容が詰め込まれているという。「人事を尽くして天命を待つ」という緑師範の信条は、脈々と受け継がれている。未知のステージで新生・福岡支部が何を見せてくれるのか楽しみだ。

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(写真番号1 CAP)
腕立て伏せではフォームが厳しくチェックされた。

(写真番号2 CAP)
腹筋・背筋によるベースづくりからスタートするのが福岡スタイル。

(写真番号3 CAP)
基本稽古も手を抜かない。それが接戦になった時の底力となる。

(写真番号4 CAP)
ダンベルを持ってのシャドー。相手がいなくても緊張感は高まっていく。

(写真番号5 CAP)
第5代世界チャンピオンである緑師範から、日本を背負う選手としての心構えを叩きこまれる

(写真番号6 CAP)
ビッグミットは自分との闘い。息が上がったところで強い攻撃を出し続けられるかが勝負だ。

(写真番号7 CAP)
19歳の若さながら、アジアオープン軽重量級で優勝した経験を持つ江口も上位進出を狙える存在。

(写真番号8 CAP)
第1次選抜戦で代表権を獲得した亀山。100㎏の体格と強烈な下段蹴りは海外勢を圧倒する可能性もある。

(写真番号9 CAP)
細身だが、180㎝の身長がある藤原。多彩な蹴り技も大きな武器だ。ワールドカップを経験しているのも強みだろう。

(写真番号10 CAP)
最年少16歳で代表権を射止めた南原。キャリアアップで終わるつもりはない。

(写真番号11 CAP)
同じくワールドカップで世界の力を味わっている越智。最近は無差別の闘いに対しても自信をつけている。

(写真番号12 CAP)
選手以上に真剣な表情で、具体的な指示を出す緑師範。「優勝するつもりで闘わなければ、上位に進出することもできない」と、自身の体験をもとに力説していた


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「JFKO全日本では日本代表入りを意識して、山田一仁選手に勝つことを目標にしました。それは達成できましたが、課題もたくさん見つかったので、世界大会に向けて改善していきたいと思います。これまで闘ったことのない大きな相手と闘うこともあると思うので、フィジカル強化も重視して稽古しています。ただ、自分は外国人選手であっても〝敵〟というとらえ方はしていません。対戦相手は、お互いを高め合うライバルだと思っています。緑(健児)師範が『強くなるほどやさしくなれる』と常々おっしゃっているので、自分もそういう意識を持ち続けたいと思います。昨年9月のアジアオープンではアレクセイ・レオノフ選手に勝って軽重量級で優勝することができ、海外勢と闘う自信が出てきました。小さくても勝てることを緑師範が証明してくださったので、自分も世界王者を目指してがんばります。相手に敬意をはらいつつ、日本代表に恥じない闘いで勝利を目指します」


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「JFKO全日本では、優勝よりも白蓮会館の福地勇人選手に勝とうと思って稽古していました。それを乗り越えて自信になりましたが、世界大会では外国人を止めることを目標にしたら勝てないと思うので、優勝するにはどうすればいいかを考えて稽古しています。緑(健児)師範がいつもおっしゃる『人事を尽くして天命を待つ』ということが大切だと思うので、自分に克つこと、あきらめないことを日々のテーマにしています。まだそこまで追い込めていないと思うので、もっとレベルを高めていきたいです。正直、無差別級には怖さがありますが、それも稽古で克服していくしかないと思います。本当は4年後の世界大会までに体重を100㎏にして勝ちにいきたいと思っていました。それが4年も早く世界大会に挑戦できる機会を与えていただけたので、今回は100㎏は無理ですが、できるかぎり重量級の選手とも打ち合える体をつくり、倒せる組手をつくっていきたいです」


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「無差別の世界大会は初めてですが、ワールドカップやマス大山メモリアルカップを経験させていただき、日本を背負うという自覚が強くなりました。JFKO全日本では準決勝で前田優輝選手に負けてしまいましたが、これまで以上に学ぶものがありました。最近はパワーもつき、無差別に対する抵抗もなくなってきています。当日までしっかり追い込み、最高の精神状態に持っていければ、これまでと違った自分を見せられると思います。武道とは『自分を貫ける一本の道』だと思っています。選手として頂点を目指すのはもちろんですが、5歳から歩いてきた一本の道は、その先も続いていきます。その道をブレずに歩いていくためにも目の前の稽古、試合に一生懸命向き合うことが大切だと思います。世界大会では日本人と対戦するまで勝ち上がらないと、選んでいただいた意味がありません。まずはそれを目標にし、その後は自分の夢である世界王座に向かって闘いたいと思います」


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