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鈴木未紘「KCCは空手を続けた人にしか 見られない景色だと思います」

2026.07.03
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これが頂点に君臨する者のさだめなのか。自身の話は早々に、妹や05世代、組織、後輩、さらにはフルコン界全体に至るまで、鈴木未紘の視野は飛躍的に広がっている。絶対女王の願い。それはKCCを通して、フルコンタクト空手の素晴らしさを全世界に伝えることだ。

── JFKO全日本大会では、妹の成実選手とダブル優勝を飾りました。
「まさか本当に成実が優勝するとは思わなかったです。優勝の可能性もなくはないかなとは思っていましたけど、想像以上でしたね。全試合本戦で決めるとも思わなかったですし、びっくりしました。ただ、若さと勢いだけで勝ち上がったようなところもあったので、これから研究もされるでしょうし、ここからが本当の勝負になってくるので、またがんばってもらいたいなと思います」

── ご自身の試合はいかがでしたか。
「よかったところも悪かったところもわかったので、KCCに向けた収穫になりました。全試合、1回は上段を蹴ろうというテーマが自分の中にあったので、そこはよかったです。ただ、当たったはいいけど倒れないとか、決勝戦の最後に反則を取られるとかよくないところも出たので、修正していけたらと思っています」

── 今回、上段を蹴ろうと思ったのはなぜだったんですか。
「一番は成実が上段を蹴る選手なので、自分も蹴るぞと思っていたことがあります。それに、上を振ることでボディや下段がもっと入りやすい展開にもなるので、そういう意味でも有効だったと思います」

── 決勝戦は全日本大会に続き、藤原桃萌選手に本戦勝利を収めました。
「私の対策をしてきているなと闘って感じたんですけど、その上で対応できたことはよかったと思います。突きでまず胸を起こして、いける時は一気にたたみかける作戦がうまくハマりました」

── 初戦が硬かった第57回全日本大会の反省を活かし、初戦からフルでいきたいと話していましたね。
「全日本に比べたらよかったと思うんですけど、もっと動けるはずだとも思いました。KCCは人数が少ないぶん、当然相手もガンガン来ますし、他の大会以上にロケットスタートが大事になってくるので」

── 男子重量級優勝の遠田竜司選手、軽重量級優勝の塚本慶次郎選手をはじめ、大会を通して05世代が大活躍でした。
「本当にそうでしたね。流れが来たというか、私たちの時代が見えてきたことはうれしいですし、第14回世界大会の日本代表も05世代が主力になれればいいなと思います。あとは今回、新極真会が9階級を獲って完全制覇が見えてきたので、来年こそはみんなで完全制覇を達成したいなと思います」

── これで9大会連続での優勝となりました。追われる立場になって長いですが、どんな感覚で大会に臨んでいますか。
「世界中から狙われるようになったからこそ、その上をいくとなったら誰よりも稽古をしないといけないですし、誰よりも空手にかけることが必要だと思います。私の場合はそれが嫌というわけではないので、苦にはならないですね。試合に勝ってももう少しできたかなと思うことが多いので、自分との闘いでもあります。自分がどこまでいけるか、自分自身でも楽しみですね」

── 当然、映像で研究されるでしょうから、毎回それを上回ることが求められますね。
「逆に、私はかなり映像を見て研究していると思います。他の選手の映像だけではなく、自分の映像も何度も見返しているので」

── ご自身も客観的に見るんですか。
「はい。映像の鈴木未紘に今の自分がどう勝つかを考えるんです」

── そこまで勝利にこだわる原動力として、支えてくれる周囲のためだと以前から話しています。
「試合中だけではなく、日常においても力になっています。たとえばビッグミット稽古とかの苦しい場面でちょっと落とすか、もう一歩いくかという時に、支えていただいている方々のことを考えると、いかないといけないという気持ちになるんです」

── ディフェンディング王者として臨む第2回KCCは、初戦でリリ・メゾ選手と激突します。
「対戦したことはないんですけど、ハンガリー独特のステップに気をつけつつ、初戦から思い切りいきたいと思います」

── 日本人選手の顔ぶれは、第1回同様に「女子4強」が占めています。
「強い先輩の存在がいつも近くにあると、メンタルが安定します。第13回世界大会から藤原桃萌先輩、網川来夢先輩、目代結菜先輩と4人で争ってきて、今は4年目ですね。いいライバルであり仲間でもあるので、いてくれて本当に感謝しています。自分がフルコンを引っ張っていくんだという気持ちがある一方で、3人の先輩方に引っ張っていただいているという気持ちもあります」

── 長年、ライバルとして闘っている4強は全員が鈴木選手より年上なので、後輩が台頭すればまた違う心境になるかもしれませんね。
「それは本当に思います。3月のU-22強化合宿は自分より下の世代が増えてきて、新鮮な気持ちがありました。みんな礼儀正しくて元気だなと思う反面、もう少しギラついている選手が出てくればもっとおもしろくなるのになと感じました。私が同じくらいの年齢の頃、もちろん先輩に対する敬意があるのは大前提として、先輩を食ってやるという気持ちも持っていました。闘う前から『4強には勝てないから』と思ってしまったら、絶対に勝てないですよね。そこに遠慮はいらないですよ。『先輩を超えていくんだ』くらい思わないと。そういう選手がひとりでも出てきてそれが突き上げになれば、私たちの世代も先輩方も、もう一段上にいけると思います」

── KCCという大会の意義を、どのようにとらえていますか。
「フルコンタクト空手界にとって、いろいろなことを変えてくれた舞台だと思います。最近は、空手をどう世間に広めるかを考えるようになりました。福地勇人選手のように、格闘技のリングに上がってフルコンを広めるのもいいと思いますけど、私はKCCで空手や新極真会の魅力を多くの人たちに伝えたいです」

── 大会の翌日は祝日ということもあり、ドリームフェスティバルに出場した多くの子どもたちも観戦に訪れるでしょうね。
「『空手っていいものでしょ?』と闘いを通して伝えたいですね。KCCは高額の賞金がありますし、演出も派手ですし、私自身も闘っていてすごく楽しかったので、KCCは子どもたちの希望になると思います。中学入学や高校入学を機に空手をやめていく子も多いですけど、子どもたちには将来、KCCに出たいから空手を続けようと思ってほしいですし、KCCは空手を続けた人にしか見られない景色だと思っています」

── 子どもたちに希望を持ってもらうためにも、優勝して格好いい姿を見せると。
「もちろんです。英語の優勝インタビューも完成したので、あとは優勝して披露するだけです。必ず優勝して支えてくださる方々に恩返しをして、空手のよさをひとりでも多くの人に知ってもらいたいと思います」

すずき・みひろ(厚木・赤羽支部)
2005年8月9日生まれ、20歳
東京都出身。167cm、70kg
⃝第13回全世界大会優勝
⃝第1回空手Champion of Champions優勝
⃝第1回WFKO世界大会 兼
 第8回全世界ウエイト制大会重量級優勝
⃝第54・56・57回全日本大会優勝
⃝第9・10回JFKO全日本大会重量級優勝
⃝第8回JFKO全日本大会軽重量級優勝

第2回KCCチケット・ライブ配信情報


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