今年最後のニュースレターとなりました。日本では鮮やかな色合いで街を彩った銀杏の葉が木枯らしに吹かれて道に黄色い絨毯を敷き詰めたようです。寒さも厳しくなり、季節は静かに晩秋から冬に突入しました。世界中の皆さんはお忙しい年末、どのような今をお過ごしでしょうか。健やかで充実した日々を過ごされていることを祈念しています。
今年は長引く新型コロナウイルスのパンデミックやウクライナ問題に象徴される国際社会の混迷、世界経済の成長鈍化といった沈滞ムードに包まれた一年でした。しかしながら、私たち新極真会では本年9月に待望の世界ウエイト制を開催し、世界的な活動再開の狼煙の向こうから希望の光が射してきました。世界の支部長道場長の皆さまのご協力によって激動の一年が乗り越えられそうです。日本では、この世界ウエイト制大会の延期日程の関係で、伝統の全日本選手権大会を12月に延期し、会場を東京体育館から代々木第二体育館に変更しました。世界中の皆さまがこのニュースレターに目を通していただく頃、本大会に出場する日本選手は仕上げの稽古やコンディションの調整に入っていることと思います。選手の皆さんはぜひ最後の仕上げを入念に行なって、華麗なる組手を聖なる舞台で披露してください。期待しています。特に、本大会は来年10月14日、15日に東京で開催される第13回全世界選手権大会の日本代表一次選抜も兼ねていることから激戦必至です。今年最後のビッグトーナメントを戦う、強豪他流派を迎え撃つ日本地区選手の奮闘に心からの応援をよろしくお願いいたします。
この全世界選手権に向けた様々な活動は、日本だけでなく世界各地で展開されていることと思います。色んな問題を乗り越えて、世界中の支部長道場長が来年の世界大会で再会できることを心から祈念しております。現在、ウクライナ問題に関する国際問題との兼ね合いで私たちの国際大会への参加を断念せざるを得ない同志たちのことを、いつも想い、再会の日を待ち続けています。すでに本部では世界大会に向けた準備を進めています。世界各地区の役員の皆さんも予選や渡航などのお手配でご多忙と思いますが、輝ける選手のためにご尽力のほどよろしくお願いします。本大会では初めての型競技選手権を開催しますので、型を極める選手の皆さんも自身の心技体を研ぎ澄ませておきましょう。直接打撃制の攻防で培われた力強くて重厚な技の究極、新しいフルコンタクトの魅力を世界に発信していきましょう。こちらは競技や運営の体制が整いましたらご案内をしていきますのでもう少しお時間をいただけると幸いです。
さて、本年10月には新極真会の総本部事務局を拡大移転いたしました。一方、総本部道場はこれまでと変わらず新宿で活動を継続しています。昨今、新極真会は既存の連盟活動に加えて、全日本/全世界フルコンタクト空手道連盟の運営や大会開催といった業務が重なり、事業の規模が拡大し、その内容が拡充してまいりました。私たちが大山総裁の創始した極真精神を引き継ぎ、総裁のご逝去後の混迷を乗り越えてまいりました。新極真会として新たな歴史を刻み始めた2003年から20年目の節目を迎えることから、この移転が企画され、実行に至りました。新しい事務局は東京のシンボルである東京タワーの麓に位置し、世界各国の大使館も近くなりました。窓からの見晴らしも良く、世界に広がる新極真会の本部に相応しいものとなりました。皆さまには、来年の世界大会の際に、ぜひご来訪をいただけることを期待しています。
私事ですが、11月に母を亡くし世界各地より哀悼、励ましのメッセージをいただきました。皆さまのご厚情に心から感謝申し上げます。大山総裁が説かれた「頭は低く、目は高く、口慎んで心広く。孝を原点として他を益す」という極真精神の大切さや教えを改めて深くこの胸に刻み込みました。皆さんもご両親を大切にして、今以上に親孝行をして参りましょう。
冒頭にも申し上げましたが、激動の2022年ももうすぐ終わり、希望に満ち溢れた2023年の足音が聞こえてきました。新極真会は、世界103の国と地域に広がる世界最大のフルコンタクト空手団体として、日々刻々と変化する時の移ろいに俊敏に対応する組織体でいたいと願います。そしてその組織はすべての皆さんの笑顔で満ち溢れたものでなければなりません。国際社会は、長引く困難を共有する環境下ですが、苦しみこそみんなで分け合い、共感という優しさを持って、世界の平和にフルコンタクト空手が貢献できるように共に頑張っていきましょう。
皆さま、今年一年のお力添えに心から感謝を申し上げます。どうか、良いお年をお迎えください。メリークリスマス、そしてハッピーニューイヤー。押忍
新極真会
代表 緑健児
※この記事は世界103カ国の支部長に配信されたニュースレターを邦訳したものです。