「先生、退会します!」
あれは忘れもしない2014年の事でした。
当時、息子の少年野球に夢中でコーチを務めており、空手への興味も薄れて休会が長引いていた時期でした。
大阪へ単身赴任が決まったこともあり退会手続きに道場へ顔を出しました。
すると砂川先生は、「そうですか、とりあえず飲みましょ!」とビールを持ち出し飲み会となりました。
楽しい時間が過ぎ結局、何をしに来たのか分からなくなりました。
退会はうやむやになり、道場を、そして東京を後にしました。
大阪の単身赴任生活でどんどん不健康になる自分に嫌気がさし、再び空手への思いが強くなっていきました。
1年という短い赴任期間が終わると道場にすぐ復帰し、それからは今までにないほど稽古に精を出す日々が続きました。
稽古以外にも試合、道場イベントと深く空手と道場に関わることになりました。
特に以前から興味があった空手の指導を見据えて、少年部のお手伝いもさせて頂きました。
この空手の指導においては先述の少年野球のコーチ経験が大いに役立ちました。
そこから黒帯までの道はあっという間でした。
まるで先生方はこうなる事を見込んでいたかのように、退会がうやむやになった事が思い出されます。
砂川師範と泉師範代は私との年間の飲み会数が1位と2位です。
酒を片手に空手を熱く語っては道場に泊まり込んだり、イベントを開催しては飲み回ったり、いつもそんな事をしながら先生方の掌で上手く転がされてます。
余談ですが私は特別管理ルールで休会、退会の権利は剥奪されており、空手においては奴隷です。
私は黒帯になるまで13年半と随分時間が掛かってしまいましたが、これは必要な時間であったと考えます。
空手が特に強くもない、型が上手い訳でもない、なんだったら休会したり退会しようとしたり決して褒められた道場生ではありませんでした。
でもそんな自分だから伝えられることがたくさんあると思います。
反面教師を良しとして、これからは特に少年部を中心に何か伝え、役立っていければと考えています。
最後になりましたが、こんな手のかかる私を10年以上指導して下さっている砂川師範、泉師範代、また最初に空手を教えて頂き、いまでも色々アドバイスを下さる栃木道場 草階先生。
それからいままで切磋琢磨した道場生の皆さん、そして空手で関わった全ての皆さんに感謝します。
ありがとうございました、そしてこれからもよろしくお願いします!
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