先ずは、昇段審査を受ける機会を頂けた事への感謝を申し上げます。ありがとうございました。
無事に審査が通り、黒帯を頂くことが出来ましたのも、ひとえに、師範、諸先輩の方々のご指導があっての賜と重ねて御礼申し上げます。
五十の手習いで、何か身体を動かすことがしたいとの思いで五十歳を機にゴールドジムに入会しました。
しかし、間もなく受診した人間ドックで肺に疾患、間質性肺炎(肺が線維化する難病)であることが分かりました。
病気に関してインターネットで検索すると、予後が非常に悪く、発症後5年生存率35%、10年生存率20%、原因不明治療薬なし等と落ち込む情報ばかりでショックは隠せませんでしたが、今出来る事として、トレーニングが無酸素運動であるベンチプレスで目標を立て(145㎏)始めることにしました。
入会1年がたった頃、ジム内に鈴木道場が開設され興味は持ったものの有酸素運動である空手を始めるには、心肺機能に不安が有り、ベンチプレスの目標達成も成し遂げていなかった為、一旦は、見送ることにしました。
肺疾患は年々悪くなっている状態で、改善の見込みもない状態、55歳で会社休職を決断しました。
心肺機能維持のため運動を続けるために、ジム通いは継続していましたが,休職したことにより、昼間にジムに通うことが多くなりました。
そんな疾患を持つ私が空手を始めるきっかけとなったのは、先に入門していたジムの友達の薦めも有り、練習を見学した際、鈴木師範の話をお聞きする機会を頂き、肺疾患を持つ自分が有酸素運動である空手を続けることの不安をぶつけてみました。
鈴木師範は、「空手は武道です。体の使い方、呼吸の仕方を鍛錬するのが空手です。体に何らかの障害のある人程、体を効率よく動かせるようになるのが空手です。単に相手を倒せば良いということでは無い、個人にあった指導をしていきます。」とのお言葉を頂きました。
その師範のお言葉と友人の後押しもあり、57歳で空手を始める決断をしました。
始めたころは、基本稽古ですら息が上がり、継続出来る自信は無く、不安ばかりがよぎる状態でした。
しかしながら、師範のお言葉通り諸先輩のご指導は、無理強いをさせることなく、自分のペースで進めさせて頂けました。
空手を始めて7年、試合で優勝の経験もさせて頂きました。
息があがって、不安でどうしようも無かった自分が、10人組手を諦めずに最後まで成し遂げられたことの感激はこの上ない喜びとなりました。
空手を通して、師範、諸先輩、道場仲間達と過ごし、リフレッシュできる時間は疾患を忘れさせてくれる貴重な時間、財産となってきました。
最後に、空手に巡り合い良い刺激を受けたことは、疾患に不安を抱える自分にとっては精神面でも大きなプラスとなっています。
また、病気の心配をして、何も言わなくても見守ってくれた家族の為にも、体と相談しながら焦らずゆっくりと精進していく所存です。
※厚木・赤羽支部の情報はこちらよりご確認下さい。