2024年3月3日、総本部道場おいて2024年JKO昇段審査会が開催された。2020年からは新型コロナ感染防止対策を念頭においての実施となったが、今年は通常通りの装いで審査が行なわれた。
今回の目を引いたのは、やはり歴代世界チャンピオンの受審だろう。塚越孝行参段、島本雄二参段を筆頭に、保本学参段、山本和也弐段、山本小也香弐段など全日本大会や世界大会で活躍した元強豪選手の他、若手から壮年まで24名が昇段に挑戦した。
一次審査
「みなさん、この日のために一生懸命、稽古してきたと思います。悔いのないように全力を尽くしてください」。昇段審査会は例年通り、緑健児代表の挨拶からスタート。一次審査では独特な緊張感の中、外舘慎一師範の指揮の下、基本を行い、その後段位別に分かれて移動、型、最後に体力(拳立て50回、ジャンピングスクワット100回)、柔軟を行った。
審査会という独特な雰囲気もあり、基本の段階から受審者の額から大粒の汗がしたたり落ちた。それでも24名は歯を食いしばりながら基本を完遂し、続けざまに移動稽古に移行。昇段審査会にかける思いを表現するように、誰一人後れを取ることなく気合いで乗り切った。
続く型は段級位ごとに4班に分かれ、それぞれが指定された型を披露した。ここでレベルの違いを感じさせたのは、第13回世界大会・型日本代表の谷口亜翠佳参段。受審者の中でも特にキレとスピードのある型を見せた。
二次審査
今年の受審者のレベルの高さを象徴するように全員が一次審査合格を勝ち取り、全員が一次審査を通過し二次審査に進出。わずかばかりの休憩を挟み、参段、弐段と初段、1級の12人ずつ2班に分かれる形で10人組手が行なわれた。
組手は昨年と同様に、受審者同士が拳を合わせる方式が採用された。目の前の相手と1分間の組手を行ない、終了すると横に一列ずれる形で全員が同時に10人組手に挑んだ。
二次審査に先立ち、緑代表が「毎回、途中に『気合いを入れて全力でやるように』という注意をしていますので、自分の持てる力を10人とも全力でやるように」と発破をかけると受審者の表情が一変。全員が一人目の相手から持てる力を存分に出し切った。
10人組手ではいきなり塚越参段と島本参段の顔合わせが実現した他、第1回JFKO全日本大会の重量級決勝戦を思い出させるような島本参段と山本和也弐段の組手も実現。2019年以来の受審となる保本学参段、小島康司参段、谷口亜翠佳参段や大山裕城弐段、服部巧弐段、山本小也香弐段、野邑一心初段、細谷誉1級らも気合いの入った組手を見せ、心臓破りとも言える二次審査を見事に乗り切った。
審査の結果、今年度のレベルの高さを象徴するように24名中23名が無事に合格。最後は緑代表の総評で今年のJKO昇段審査会が締めくくられた。
「段が上がるという自覚を持って、これからも新極真会の発展、選手育成とがんばっていただきたいと思います。惜しくも合格しなかった人は、この悔しさをバネにして、1年がんばれば必ず受かると思いますのでがんばってください。また現役の選手はぜひJFKO全日本大会などでの活躍を期待しています」
審査組手動画
昇段者(新段位)
今回の昇段審査の結果は以下の通り。
四段
塚越孝行(千葉北支部)
島本雄二(練馬支部)
保本 学(東京町田支部)
小島康司(東京城南川崎支部)
谷口亜翠佳(東京ベイ港支部)
参段
大山裕城(富山道場)
服部 巧(三重北道場)
村松 傑(静岡支部)
村田哲仁(長野支部)
山本和也(愛知中央支部)
山本小也香(愛知中央支部)
弐段
吉田雄資(神奈川北支部)
金井麻由(埼玉武蔵支部)
金井孝次(埼玉武蔵支部)
日高福美(練馬支部)
野邑一心(宮崎中央道場)
初段
大野高博(宮崎中央道場)
平田一真(東京豊島支部)
山下竜世(宮崎中央道場)
碓井陸斗(総本部埼大道場)
藤野華香(総本部東大宮道場)
山崎大弥(埼玉武蔵支部)
細谷 誉(埼玉大宮西支部)